第十七話 盗賊娘、熱を出す
甘い香は、喉に残ったままだった。
酒場の裏口を抜けて夜気を吸い込んだ瞬間、ディアナは少しだけましになると思った。思いたかった。けれど冷たい空気は鼻の奥を通り過ぎただけで、舌の奥に残った甘さまでは消してくれない。
逃げたはずなのに、まだ追いかけられている。
最悪だ。
「お嬢、歩ける?」
ミロの声が、いつもより少し近い。
「歩ける」
「顔は?」
「しまってる」
「しまってないな」
しまっている。しまっていることにしたい。
ディアナは帽子のつばを下げたまま、荷箱の端を握り直した。黒い合図札の控えは荷箱の布の下。帳簿の所在札は袖の内側。盗った。ちゃんと盗った。だから足を止めてはいけない。足は動いている。けれど、石畳がいつもより柔らかく、踏みしめるたびに身体の芯が半歩遅れてついてくる気がした。
「ディアナ」
カイルが横から腕を伸ばした。
「触らなくていい」
「触る前にふらつくな」
「ふらついてない」
「今、壁に謝りかけた」
「壁が近かっただけ」
壁は悪くない。悪いのは甘い香だ。あと、賭場で香の瓶を割った誰か。それから、こういう場所へ盗みに行かせた第一王子。
路地の奥で、黒鉄色の鎖が音もなくほどけた。石畳の上で一度だけ鈍い銀を返し、影の中へ沈むように消えていく。その先に、ジークムントが立っていた。銀白色の髪が、南区の煤けた灯りを受けて淡く浮く。深く沈んだ青灰色の瞳が、ディアナの帽子の影をまっすぐ見ていた。
顔がいい。今それは本当にいらない。
「盗れたかな」
「盗れました」
答えた声が、思ったより素直に出た。違う。もっと皮肉を混ぜるつもりだった。賭場の香を吸ったせいだ。たぶん。そういうことにする。
ジークムントは少しだけ目を細めた。
「それはよかった」
「よくないです。香が、思ったより濃くて」
「吸ったね」
「少しだけです」
「少しだけ吸った人間は、だいたいそう言う」
嫌な正論。
ディアナは返そうとして、舌の奥が甘く痺れる感覚に眉を寄せた。言葉が一拍遅れる。その一拍が、自分のものではないみたいで気持ち悪い。
カイルが半歩前へ出た。
「殿下。バルドを呼ぶ」
「呼んでいるよ」
「なら旧訓練棟へ戻す」
「戻さない」
ジークムントの返答は短かった。
路地の空気が、賭場とは別の形で張る。カイルの目が鋭くなり、ミロも荷箱を置きかけた手を止めた。
「戻さないって、どこへ」
「離宮」
「離宮」
復唱した声が、少しぼんやりしている。
離宮。ジークムントの住まいだ。王城の華やかな中心から少し離れた、第一王子のための場所。逃げ場としては便利で、連れて行かれる側としては落ち着かない。
「旧訓練棟には人が多い。今の君を戻せば、リュクスが騒ぐ」
「父さんは騒ぎません」
「騒ぐよ」
「騒ぎますね」
認めたくないが、騒ぐ。想像できすぎる。
「ディアナ様」
路地の入口に、サディアスが馬車を寄せていた。いつの間にいたのか、黒い外套の裾を乱さずに降りてくる。
「こちらへ。バルド殿には、別路で離宮へ向かっていただいております」
「手配が早い」
「殿下のご指示です」
「でしょうね」
でしょうね、が口から出た。しまった。
ディアナは口を押さえる。遅い。ジークムントが笑った。薄く、楽しそうに。
「香の影響かな」
「違います。元からです」
「それはそれで問題だね」
「今は問題を増やさないでください」
言い返せた。まだ大丈夫。そう思った途端、足元がふわりと浮いた気がした。実際には浮いていない。石畳はそこにある。なのに、身体だけが少し遅れている。
カイルの手が腕を掴んだ。
「ディアナ」
「大丈夫」
「大丈夫じゃない」
「盗った」
「それは知ってる」
「じゃあ、大丈夫」
理屈が通っていない。
自分でも分かる。だが、今のディアナにとっては、盗ったことだけが足場だった。黒札の控え。帳簿の所在札。白い粉の道。甘い香の正体に近づく何か。手ぶらではない。それが崩れたら、膝まで崩れそうだった。
ジークムントが近づいてくる気配がした。近い。近いのはよくない。顔がいいから。声がいいから。今の頭では処理が追いつかないから。
逃げようとして、逃げる足が少し遅れた。
ジークムントは腕を伸ばさなかった。代わりに、黒鉄色の鎖が馬車の段差へ細く渡る。手すりのように、足場のように、逃げ道のように見えて、実際には逃がさない形で。
「乗れるね」
「乗れます」
「では、乗りなさい」
「命令が雑」
「丁寧にされたい?」
「今の私にそういう声を使わないでください」
言った。
言ってしまった。
カイルが一瞬こちらを見た。ミロが口元を押さえた。サディアスは表情を変えない。変えないでくれるのが、逆にありがたくない。
ジークムントだけが、楽しそうに目を細める。
「そういう声」
「忘れてください」
「忘れるのは得意ではないんだ」
「知ってます」
記憶を視る王子に、忘れろと言う方が無理だった。完全に失言である。甘い香のせいだ。絶対にそうだ。そうでなければ困る。
ディアナは鎖の足場を踏み、馬車へ乗り込んだ。足元が少し頼りない。けれど、黒鉄色の鎖は揺れない。腹が立つくらい安定している。
馬車の中は、外より静かだった。
厚い布張りの座席。薬草の匂いがする小さな香袋。水差し。薄い毛布。用意がいい。用意がよすぎる。
座った瞬間、身体が思ったより重いことに気づいた。背中が座席へ沈む。帽子の下で、額に熱が集まっていく。喉の奥に残る甘さが、馬車の静けさの中でかえってはっきりした。
まずい。
これは、思ったよりまずい。
カイルが馬車へ乗り込もうとしたところで、ジークムントが外から言った。
「君は別の馬車だ」
「は?」
「荷と証拠を旧訓練棟へ。リュクスたちに、ディアナは離宮で診せると伝えなさい」
「俺が残る」
「残らない」
「殿下」
カイルの声が低くなる。
ディアナは顔を上げた。止めなければ、と思った。だが、頭の奥が熱い。言葉を選ぶのに時間がかかる。
選んでいる間に、ジークムントが静かに言った。
「彼女を盗み場から出すために、君たちは十分動いた。今は、証拠を無事に戻す方がいい」
「……」
「それに、今のディアナは、君たちの顔を見れば無理をする」
腹が立つ。当たっているから、余計に腹が立つ。
カイルもそれが分かったのだろう。唇を引き結んだまま、すぐには言い返さなかった。
ディアナは袖の内側から木札を抜き、カイルへ押しつけた。
「バルドに。白い粉も見て」
「お前は黙って寝てろ」
「まだ寝ない」
「寝ろ」
「命令が多い」
「多くもなる」
カイルの手が木札を受け取る。その指先が、ほんの少しだけ強張っていた。怒っている。心配している。どちらも分かる。分かるから、ディアナは軽口で返そうとした。
でも、うまく出なかった。
「大丈夫」
その言葉だけが落ちた。
カイルの顔が、少しだけ歪む。言い方を間違えた気がする。大丈夫ではない時ほど、人は大丈夫と言う。さっきジークムントに似たようなことを言われた。嫌なことに、正しい。
ミロが荷箱を担ぎ直した。
「お嬢、寝てろ。リュクスさんには俺がうまく言っとく」
「うまく言える?」
「無理」
「正直」
「でも、ちょっとは柔らかくする」
それなら任せられる。たぶん。
馬車の車輪の陰から顔を出したノアは、サディアスに抱えられて別の馬車へ運ばれていった。返事が信用できない猫への対応が、妙に手慣れている。
ディアナが瞬きをした時には、カイルとミロの姿が馬車の外へ離れていた。サディアスが扉を閉める。音が遠い。車輪が動き出す。石畳の揺れが、身体の奥へ響く。
ジークムントは向かいに座っていた。
いつ乗った。
分からない。
非常によくない。
「水を飲みなさい」
差し出された杯を、ディアナは見た。水。たぶん水。毒ではない。ジークムントが今ここで毒を盛る意味はない。ないはずだ。
手を伸ばす。指先が少し震えた。ジークムントの手が杯の底を支えた。触れない。けれど、逃げない位置にある。こういう距離の取り方がうまい。ずるい。
ディアナは水を少しだけ飲んだ。冷たい。喉を通る冷たさが、一瞬だけ甘さを薄める。
「……おいしい」
「水だよ」
「水がおいしい時は、だいたい駄目です」
「その判断は正しい」
褒められた気がする。褒められていない気もする。どちらでもいい。今は、背中が重い。帽子が邪魔だ。息が少し熱い。
ディアナは帽子のつばに手をかけた。少年の顔を保つ必要は、もうない。髪を押し込んでいた布が緩み、額にかかる。
ジークムントが見ている。
見ないでほしい時ほど、この人は見ている。
「見ないでください」
「具合の悪い人間を見るのも、管理者の仕事だよ」
「管理者」
「飼い主と言った方がいい?」
「もっと具合が悪くなります」
ジークムントが笑った。低く、短く。
その声が、胸の奥に落ちた。甘い香のせいで、いつもなら踏みとどまれるところが少しだけ緩む。
この人の声で安心してしまうのは、まずい。
分かっているのに、甘い香で緩んだ胸の奥は、いつものように言うことを聞かなかった。
だってこの人は、ディアナを捕まえた人だ。父たちを旧訓練棟へ閉じ込めている人だ。偽オールトの指輪をはめた人だ。推しで、最悪で、顔がよくて、逃げ道を消すのがうまい人だ。
安心してはいけない。いけないのに。
「ディアナ」
名前を呼ばれた。その声が、さっきより少しだけ近い。
「眠い?」
「眠くないです」
「目が半分閉じている」
「考えています」
「何を」
「ジーク様の声が敵に回っている件について」
「私の声が?」
「安心するので。非常によくないです」
言った。
言ってしまった。
馬車の中が、少しだけ静かになった。
ディアナは遅れて、自分の言葉を理解した。理解した瞬間、熱とは別のものが顔に集まる。
「今のは、香です」
「そう」
「香のせいです」
「では、そういうことにしておこうか」
しておこうか、ではない。忘れてください、である。
だが、言い直す前に馬車が角を曲がった。身体が横へ傾く。踏ん張ろうとした足が遅れて、肩が座席からずれた。
黒鉄色の鎖が、床からするりと伸びる。ディアナの腰を縛るのではなく、座席の端を区切るように回り、落ちない位置で止めた。触れない。けれど、逃がさない。
鎖で、できるのだ。
あの賭場でも。今も。
ジークムントは腕を伸ばさない。それでいいはずなのに、胸の奥が少しだけ変な形に沈んだ。
欲しかったわけではない。そんなはずはない。ただ、守られているのに届かないものが、熱の中で妙に残った。
たぶん、熱のせいだ。全部、熱のせいにしておく。
「……ジーク様」
「うん」
「盗れました」
「さっき聞いたよ」
「でも、言っておきたくて」
「なぜ?」
「忘れたら困るから」
自分で言って、少しだけ違うと思った。
忘れたら困るのは、盗ったことではない。
役に立てたことだ。手ぶらではなかったことだ。
捕まって、指輪をはめられて、第一王子のものとして飾られて、使われているだけではないと、自分で思えることだ。
そこまで言葉にする前に、まぶたが重くなった。
ジークムントの声が、遠くなる。
「忘れないよ」
ずるい。
その声で言うのは、ずるい。
ディアナはそう思った。思っただけで、口には出せなかった。
馬車の揺れが、甘い香の残りと混ざる。熱が額に集まる。左手の革手袋の下で、指輪がかすかに存在を主張している気がした。
冷たくはない。ただ、左手の中指だけが、心臓に少し近くなったような気がする。
そんなはずはない。
そう思うところまでは、覚えている。
その先は、少し曖昧だった。
離宮へ着いたことは、なんとなく分かった。
馬車の扉が開いた時、夜気よりも先に、冷えた石と乾いた薬草の匂いが入ってきた。王城の華やかな匂いとは違う。ジークムントの住まいなのに、余計な人の気配が少ない。静かで、薄くて、足音がよく響く。
サディアスの声がした。
「バルド殿は、すでに中へ」
「部屋は」
「整えております」
短いやり取り。
それから、足音。扉。灯り。白い布。薄い寝台。
ディアナは自分で歩いたのか、支えられたのか分からなかった。黒鉄色の鎖が足元にあった気がする。手すりのように、影のように、逃げ道を消すように。
気づけば、寝台の端に座っていた。
革手袋を外される。
「自分で」
「できてねえよ」
低い声がした。
バルドだ。
見慣れた顔を見た瞬間、少しだけ息が抜けた。盗賊団の顔を見ると無理をする、と言われたばかりなのに、安心もする。困ったことに、どちらも本当だった。
バルドは眉間に皺を寄せ、ディアナの手首を取った。
「脈が速い。顔も熱い。どんだけ吸った」
「少し」
「少しって言う奴は信用しねえ」
「今日それ、二回目」
「なら二回とも正しい」
嫌な正論が増えた。
バルドは薬包を開き、乾いた葉と小瓶を取り出した。甘さのない、苦い匂いが部屋に広がる。鼻の奥に残った甘い香が、少しだけ押し返された。
「倒す薬じゃねえ。判断を鈍らせる香だ。熱が出る。気が大きくなる奴もいるし、素直になる奴もいる」
「素直」
「今のお前だ」
違う。違わない気もする。非常に困る。
ジークムントが寝台のそばに立っていた。青灰色の瞳が、外された革手袋と、ディアナの左手へ落ちる。白金色の輪は、まだ静かだ。冷たくはない。
「聞いたか、殿下」
バルドが薬を混ぜながら言った。
「今のディアナが妙なことを言っても、本気にするなよ」
「それは残念だね」
「本気にするなよ」
「覚えておこう」
「返事が信用できねえな」
バルドが言った。完全に同意である。
ディアナは寝台の上で毛布を握りしめた。眠い。だが、寝たくない。寝たら何かを忘れそうだ。盗ったもの。香の匂い。白い粉。ジークムントの声に安心したこと。
最後は忘れたい。
でも、忘れたくない気もする。
困る。
「薬、飲めるか」
「苦い?」
「苦い」
「正直」
「甘いのはもう十分だろ」
それはそう。
ディアナは小さな杯を受け取った。指先が震える。こぼしそうになったところを、ジークムントの手が杯の底に添えられた。
触れない。
支えるだけ。
今のディアナには、それがいちばん逃げにくかった。
「飲みなさい」
「命令が多い」
「飲んだら、少し静かにするよ」
「本当ですか」
「努力はする」
「信用が薄い」
それでも飲んだ。
苦い。
舌の奥に残っていた甘さが、一瞬で壊れる。顔をしかめると、バルドが満足そうにうなずいた。
「よし。寝ろ」
「まだ報告」
「報告は木札と荷箱で足りる。お前は寝ろ」
「でも」
「ディアナ」
ジークムントの声が落ちた。低すぎず、甘すぎず、けれど逆らいにくい声。
「仕事は終わった。君は盗った。だから今は休みなさい」
「……言い方が、ずるい」
「君が聞く言い方を選んでいるからね」
「最悪」
「知っているよ」
知っているなら直してほしい。そう言いたかった。言えなかった。
まぶたが重い。額が熱い。身体の奥が、ゆっくり毛布に沈んでいく。バルドが濡れ布を額に乗せる。冷たい。冷たいのに、すぐぬるくなる。
ジークムントが離れようとする気配だけは、目を閉じていても分かった。衣擦れの音でも、足音でもない。ただ、そばにあった声の温度が遠ざかる。
それが嫌だと思った時には、ディアナの指先が勝手に動いていた。
離れかけた袖を掴む。
掴んだ後で、自分が何をしたのか分かった。
まずい。
非常にまずい。
ジークムントの足が止まった。
「ディアナ」
「……今のは」
「香かな」
「香です」
「うん」
笑っている。たぶん、声が少しだけ笑っている。
ディアナは離そうとした。けれど、指先に力が入らない。むしろ、布をもう少し握ってしまう。離したいのに、指先だけが言うことを聞かなかった。
「行かないで、という意味かな」
「違います」
「では?」
「声が」
言葉が、熱の底から浮く。止めなければ。でも、止まらない。
「声が聞こえるところに、いてください」
言った。
今度こそ、言った。
部屋が静かになる。
バルドが薬瓶の蓋を閉める音だけが、やけにはっきり聞こえた。
ディアナは毛布の中で目を閉じた。閉じたのに、恥ずかしさは消えない。熱のせいだ。香のせいだ。薬のせいでもいい。何でもいいから、自分のせいではないことにしたい。
ジークムントは、すぐには答えなかった。
やがて、寝台のそばの椅子が小さく鳴る。
「分かった」
短い声。
いつものようにからかわれなかった。
それが少しだけ、胸の奥に落ちた。
「眠りなさい、ディアナ」
「……盗れました」
「うん」
「手ぶらじゃ、ないです」
「分かっている」
「忘れないで」
「忘れない」
その声が、今度は遠くならなかった。近くにある。それだけで、まぶたの重さに負けた。
眠る直前、左手の中指が少しだけ熱い気がした。けれど、それはきっと、熱のせいだ。
ディアナはそう決めて、意識を手放した。
部屋は、静かだった。
濡れ布を替える音。バルドが薬包をまとめる音。遠くの廊下を、サディアスが誰かに短く指示する声。離宮の窓の外では、夜風が細い枝を揺らしている。
寝台の上で、ディアナは眠っている。
少年の帽子は外され、髪は枕の上にほどけていた。顔色はまだ熱を帯びている。呼吸は浅いが、さっきよりは落ち着いている。
ジークムントは寝台のそばの椅子に座ったまま、しばらく何も言わなかった。
バルドが低く言う。
「しばらく寝かせろ。熱が下がるまでは、余計な刺激を入れるな」
「余計な刺激」
「あんたの声とか顔とかだよ」
「それは困ったね」
「困ってるのはこっちだ」
バルドはそう吐き捨て、薬箱を閉めた。
その時、寝台の上の左手が、毛布の端から少しだけこぼれた。
白金色の輪が、燭台の火を受ける。
最初は、ただの反射に見えた。けれど、違った。
白金色の輪に、ほんの薄く赤が差していた。
燭台の反射ではない。
熱を持った血のような、ごく淡い赤。
ジークムントは、笑わなかった。白金色の輪を見たまま、ゆっくりと指先を伸ばす。触れる寸前で、止めた。
ディアナは眠っている。
何も知らずに、ただ浅く息をしている。
赤は、すぐには消えなかった。




