第3話 スキルGETだぜ!
ダンジョンで倒した虫からドロップした巻物を吉のポケットから全て出した。
「全部で3個か。1時間やってこれだけって。
いや、本来ドロップしなかった魔物だった。
でも幸運値の高い俺が倒すことでアイテムがドロップしたんだ。
スキルよ!良いの来いよ!」
吉が手に入れたのはスキルブックと呼ばれる物だ。
開くだけでスキルを得られる代物だ。
そして吉は家に帰る前に買っておいたピンセットを使い、巻物を開いた。
【スキル 虫特攻を獲得】
「頭の中に声が...って要らねぇ!...次だ次!」
【スキル 虫耐性を獲得】
「確かに虫は苦手だけど...じゃねえよ!最後はまじで頼む!」
【スキル スキルアップを獲得】
「は?スキルアップ?なんだそれ?」
吉はダンジョンのことならなんでも知っていると言っていいほどのオタクだった。スキルも全て網羅していた。前2つのスキルは知っていたが、最後のは知らないスキルだった。
「スキルドロップ...字面的には就職に役に立ちそうだな...じゃねぇよ。まさかゴミスキルか?」
吉はダンジョンで試したいところだったが...。
『今日はもう遅い。今日は寝て、朝から向かうことにするか。』
「お兄ちゃん!ご飯できたよ!」
「ああ!今行く!」
吉は妹と2人で妹の作った料理を食べ、お風呂をすませる。
「そういえば莉央、母さん達っていつ帰んの?」
「ん?たしか来週だったはず。」
「ほんといい加減だよな。俺の卒業式にもこないなんて。」
「仕方ないじゃん。アメリカのダンジョンレイド攻略に母さん達も招集されたんだから。」
吉と莉央の両親は今、アメリカのダンジョンレイド攻略に駆り出されていた。
本来であれば、アメリカだけですませろって話だが、アメリカのシーカーは日本よりも少なく、日本に要請がきて両親が行くことになった。
「そのうち俺も行くことになんのかな?」
「いやよ。そうなったら私1人になっちゃうじゃん。絶対に行かないでよ...」
「莉央...」
「なーんてね!料理のできない兄とは違って私は1人でも生きていけるし。それにそのうちダンジョンに潜れるようになったらみんなでダンジョン行けばいいじゃん。」
「...ああ、そうだな。」
吉は妹の悲しそうな目を見逃さず、絶対に守ってやると誓った。
ダンジョンは安全ではない。吉に万が一があった場合、莉央が1人になってしまう。
吉はそんなことにはしたくないのだ。
それでも吉はダンジョンをロマンで潜っている。
両親もロマンで潜っているのだ。
間違いなく莉央もその血をひいている。
莉央にも分かっているはずだ。
ダンジョン攻略を辞められない。
そんな複雑な思いをもって多賀家はダンジョンを夢見ているのだ。




