早くも旅から帰ってきました!緊急事態発動です!!
一週間が経過した。
不動が山でいつものように滝に打たれていると、どこからともなく鋭い殺気を感じた。
「何者だ。姿を現せ」
彼が告げると、滝の上から人影が下りてきた。
陰陽を彷彿とさせる仮面に艶やかな赤毛を長く伸ばし、真っ赤なトレンチコートに身を包んだ謎の人物だ。
不動は相対した瞬間に長年の経験からその者が只者ではないことを見抜き、格闘の構えをとる。
謎の怪人は腰に手を当てたまま不動を向き合い口を開いた。
「お前の命を頂戴することにした」
「面白い。この俺を往生させると申すか。やれるものならやってみろッ」
不動の拳が唸りを生じ、怪人に迫る。
それから数分後、不動は水の中に倒れていた。
完全に失神しており、戦闘意思はない。怪人はコートの袖から壺のようなものを取り出すと怪しげな呪文を捉える。
すると不動の魂が肉体から離れ、壺の中に吸収されてしまった。
「まずは1人……」
怪人は呟くと、凄まじい跳躍力でその場を後にする。
謎の怪人が不動の魂を奪取して以来、世界各地でスター流メンバーらの魂が次々に奪われるという事件が立て続けに起きた。
緊急の事態にスターもメープルを探している旅に出ているヨハネスと美琴を招集し、作戦会議を開く。
「不動君の魂が何者かに抜かれてしまった。いや、彼だけではない。既に数多のスター流の門下生たちが魂を肉体から剥がされてしまっている。この事件は早急に解決しないと、世界にとっても大変な危機が陥る」
「犯人は分かったの」
「うん。調査の末に、どうやらこの怪人が犯人の可能性が高いということがわかった」
「こんな怪人、今まで見たこともないね。正体は誰なんだろう」
「仮面をつけているからわからないんだよ。知りたかったら直接仮面を取るしかないね」
スターがここまで話した時、モニターテレビに異変が生じ、映像が切り替わる。
映し出されたのは、金髪のツインテールに紫の瞳、へそ出しの黒を基調とした露出の高い恰好をしたメープル=ラシックの姿だ。
「おや。メープルちゃん、久しぶりだねえ」
「本当ね。でも私は昔話をするために画面上で会っているわけじゃないのよ」
「冷たいんだね」
「あなたのせいでこうなったのよ。それを忘れないで。
さて、この映像を見ているであろうスター流の幹部たちに告げるわ。
まず、これを見てくれないかしら」
メープルの掌の上に置かれているのは一個の壺だ。
「これには不動の魂が入っているわ。
取り返したかったら、代表で2名、闘技場に来なさい。
この壺を含めたスター流の門下生の魂が入った壺をかけて私と闘いましょう。
要件は以上よ、それでは恐怖で逃げ出さないことを祈っているわ」
ドヤ顔で語った後、プツリと映像は切れてしまった。慌てたのはスターだ。
「どうしよう! どうすればいい、カイザー君! ヨハネス君! 美琴ちゃん! 明日までに2人なんて選べるわけないじゃないか」
「それでは、私とヨハネスが行きましょう」
カイザーが提案するとスターは首を振り。
「ダメだ! 男の娘とオッサンじゃ釣り合わない! こう……私はもっと柄になる組み合わせがしたいんだよ! とびきりキュートな奴を」
「よくこの非常事態にそのようなことが言えますね(汗)」
「どんな状況でも可愛さを忘れてはいかんよ! ああ、李君は入院中だし、どうすればいいんだ」
頭を抱え困惑していたが、しばらくすると立ち上がり、キラキラ輝く青い瞳で美琴を視界に捉えると、彼女の両肩に強く手を置き。
「そうだよ、美琴ちゃん! 君がいた! 君がスター流の代表として、私の元教え子であるメープルをヨハネス君と力を合わせて倒してくれたまえ!」




