助っ人
ダイナと別れた各員は散り散りに食糧庫を探していた。そしてそれはすぐに見つかった。
「これか」
ジンは建物の前に立ってそう言うと建物へと近づいて行く。
「ん?どうしたお前」
建物の前には三人の見張りがおり近づいて来るジンを訝しむ。
「はっ!私は今回の戦、戦力にならないと判断され前線より突き返された者です!」
ジンはなるべく子供らしく言うと警備兵の男は首を傾げて問いかける。
「まぁ、ここまで若い少年兵を見るのは初めてだ、それでどうしてここにきた」
「はい!僕!じゃなくて私は少しだけ算術の嗜みがありますので食糧庫の計算をしてみろと仰せつかりました!」
「ほう坊主、頭がいいのか」
「少しでもお役に立てればと!」
「そうか、そいつは関心だ。入れ」
そう言うと簡単に食糧庫の門が開く。
「ありがとうございます!」
「いいってことよ」
ジンが食糧庫に入るとすぐに計算を始める。
「少ないな」
明らかに三万の兵を養うほどの食料があるわけではないと分かるとすぐに入ってきた扉へと向かう。
「どうだった?坊主」
「僕には無理そうでした、ご飯がいっぱいで何がなんやら」
「あっはっはっは!そうだろう何たって万を養う飯だからな、ここ以外にも四つも食糧庫があるってんだから驚きだよ」
「おい!喋りすぎだぞ!」
他の警備兵に嗜められる男を尻目にジンはできるだけ早く立ち去った。
ジン達がデイブンに潜入した夜ジンの中隊はあまり目立たないところに集結していた。
「みんなの協力で全ての食糧庫の場所は把握した、松脂と藁の設置は今日の深夜行う、そして決行はここから援軍が出た一時間後、俺とこの人が残るから他は援軍に紛れてここを出ろ」
「えっと隊長、ずっと気になってたんですけどその人誰ですか?」
「ん?ああ、そうだった紹介がまだだったな、この人は」
「テンゼンだ、ごめんねみんな緊張しているようだったから声をかけるのは憚れてね」
「ああ、どうもって結局誰だ?」
「この人はデイダラさんの隊の副官だよ」
「デイダラ.......副官、え!?」
そこでトールがなかなか大きな声を上げる。
「ばっか!トールお前うるせーよ!」
「ダリルも十分うるさいから」
「ごめん、でもデイダラ将軍の副官って言えば」
「そうそう、腕は一級品、だから俺と残る」
「なるほど、それなら納得だ」
ダイナは納得といった風に頷く。
デイダラの逸話は多くありその愛弟子としてテンゼンもまた有名だった。
「ごめんね、テンゼンさん無理言って」
「いいさ、この戦争負けたらそれまでだしね」
テンゼンは気さくにジンに笑いかける。
「そう言ってくれると助かる」
ジンはそう言うとすぐに隊員達へと顔を向ける。
「いいか、多分青龍本体は今激戦の最中だろう。だが焦るなお前らはここまできた時点でほぼ任務を遂行し終わってる。あとは援軍に紛れて甲冑を隠した地点で俺達と合流、その後青龍騎士団本隊の援護だ」
「援護つってもたかが三十人だけどな」
ダリルがそう言うとみんなが少し笑顔になる。
「よし、援軍がいつ出るかは分からないが早ければ明日にでも出るだろう。上手くやれよ」
「隊長こそ凡ミスはご法度だぜ?」
「ダリル、誰に言ってるんだ?」
「おお、こわ」
こうして翌日ジンの言った通り援軍が収集され出発したのだった。




