前へ目次 次へ PR 93/118 「花疲れ」 三十二回。この数が何か分かるだろうか。正解は今年だけで花見をした回数。自分でも正気かと思う。 おかげですっかり花疲れ、襖を閉じた居間でのんびりお茶をすすっていると。 「端女! 酒を飲むぞ花見酒だ!」 「いえ、私は花疲れなので」 「なんと! 実に軟弱なことよなぁ」 ふふんと鼻で笑われついかちんときて。 「いいでしょう、花見酒しましょうか」 彼女が開けた襖の向こうの桜を見ながら一献やり。翌日も疲れの取れない懲りない私。