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「藤棚」

 裏庭には色んな果樹や花壇、畑に。今の季節は特に綺麗だ。躑躅《つつじ》の植わった花壇沿い朝露に輝く花を見ていた。

 そして花壇は藤棚へと続いていて。

 淡い紫が葡萄《ぶどう》のように連なっている藤を見ていた。


「ほぅ、見事な藤棚ではないか」

「今日は歩きで来たんですか?」

「うむ」


 彼女は気分によって家まで来る方法が違う。はらりと風に揺れつつ微かに散る藤に彼女は。


「君がため藤花咲《ふじはなひら》き、風に散るらむと言った所か」


 ドヤ顔で彼女が一句詠んだ。

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