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「記憶」

 記憶の逆流というものがある。私が彼女と交際するようになってから、彼女の記憶を観るのだ。


『死ぬなっ! エルゥ!』


 人と神の境界線を理解していなかった頃の彼女が、死に際の親友にすがる記憶。傲慢不遜な彼女が、たった1人の人間の死を悼んだ夢。


「朝食は何だ端女……っ!? なぜ貴様泣いておる!?」


 私の顔を見た途端慌てだした彼女に。

 あぁ、記憶でも彼女の泣き顔なんて見たくなかったんだと悟った日、外では雲雀がないていた。


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