第8話
私のお祖父様、ジークシード・ディスケンスは15年前、魔法省開発局に所属していました。そこで転移魔方陣の開発に成功し、10年間続いていたセファリア教国との戦いはそれを用いた作戦によりアーネンベルク皇国側が勝利しました。また10年前、当時問題になっていた我流の精霊術による精霊様の制裁を親友であるユリエル様と共に精霊社を普及させる活動を行うことで減少さました。これらの功績とアーネスト精霊社の宮司であるユリエル様と親交がありということで宰相に任命されました。
しかし8年前、ディスケンス家当主の座と宰相の地位をお父様、ジルベルト・ディスケンスに譲られました。
「あの人、いったい何しに来たんでしょう。」
底冷えするような声で呟くお父様。そして私達の方を向いてニッコリ笑いながら言いました。
「明日から柵の外の見廻りを増やすので安心してください。あの人があなた達を煩わせることはありません。」
・・・はぁ〜。
初めてお祖父様にお会いしたのは私が三歳になった頃でした。
エリオ兄様に勉強を教えるため、書斎で本を読んでいると急に扉が乱暴に開かれました。
「ジルベルト!どうして夜会に行かなかった!」
そうして入って来た方は、机で本を読んでいた私を見て固まってしまいました。
「どなたですか?」
「あっ、ぅほん。失礼。私はこのディスケンス家の先代当主を務めていたジークシード・ディスケンスだ。」
「わたしはこのいえのむすめのクラウディア・ディスケンスともうします。おとうさまはいま、おかあさまとおにわにいっています。およびしますか?」
「いや、いい。どうせすぐ来る。」
「そうですか。」
どうしましょう。何か会話をしたほうがいいのでしょうか?でもユリエル様によるとお祖父様はお父様とお母様の結婚に反対していたそうです。その結果、お祖父様とお父様は決闘を行い勝利したお父様は当主の座を手にいれお母様と結婚したそうです。お祖父様にとって私は家から追い出した人の娘です。だから私とは話したくないかもしれません。
「何歳になったんだ?」
「?」
「今何歳なんだ?」
「さんさいになりました。」
「そうか。年の割にしっかりしているな。」
「ありがとうございます。」
・・・う〜ん。どういうことでしょう?さっきからお祖父様に質問攻めにあってます。お祖父様は3年間この屋敷に来ませんでした。だから私達は嫌われていると思っていました。でもこの感じ、嫌われてない?どうしましょう。聞いちゃう?聞いちゃいましょうか。
「おじいさまはわたしのことがきらいではないのですか。」
「・・・嫌いではない。」
何でしょうかこれ。素直になれない小学生みたいです。
バタバタ、バタン
「何しに来たんですか!クララに近づかないでください。」
「やっと来たか。おい、なぜ昨日の夜会になぜ出席しなかった。」
書斎に入ってきたお父様とお祖父様が怒鳴りあいます。私は怒鳴りあう二人を眺めながらメイドに部屋の外へ連れられていきました。




