第4話
私の名前、クラウディアだそうです。愛称はクララ。
なんででしょう。またクララです。私とこの名前は切っても切れない関係なんでしょうか?
何とか変えて貰おうとライラお母さんの服を引っ張って話しかけます。
「あ〜う〜」
「んっ?何?どうしたの?」
「お腹空いたんじゃないのか?まだ何も食べてないだろ」
っ!ちょっ待ってよ!違うんです。愛称を変えて貰いたいんです。そりゃぁ確かにお腹は空いてるけど、精神年齢16歳にはおっぱい吸うには心の準備が必要なんです。
焦る私を傍目にお母さんは「そうかもしれないわね」と服のボタンを外します。そして私におっぱいを・・・絶壁を向けました。
えぇ見事にまったいらです。膨らみ?そんなもの存在しません。山どころか丘すらなくどこまでも平原が続きます。あまりの見事さに羞恥心はどっか飛んでいきました。私は母乳を飲みだしました。前世で聞いたおっぱいが大きくなるという眉唾物のツボを圧しながら、少しでも大きくなるようにと。
・・・けぷっ。
ふぅ、お腹いっぱいになりました。あれですね。やればできるものですね。まぁ最初にインパクトのあるものを見たからだろうけど。
あっ、名前。う〜ん変えて貰うのは無理そうだね。
・・・いっか。愛称だし。それに前の両親からもらった名前が残っているのは嬉しいしね。
「旦那様、アーネスト精霊社からユリエル宮司がいらっしゃいました。」
さっきまで扉付近で会話をしていたメイドさんがお父さんにそう言いました。
「ユリエル様が?すぐにこの部屋にまで案内しろ。」
「かしこまりました。」とメイドさんはすぐに扉付近までいって指示を扉の外の人に出しています。誰か
お父さんを訪ねて来たみたいです。親戚の人かな?
しばらくして入って来たのは白い髪に白い髭がミスマッチな筋肉質な神主さんでした。
「本日は私達の娘のために来てくださりまことに感謝いたしております。」
「いや、気にしなくていい。祝福持ちの子の保護は『精霊道』の大切な役目だし、何より、親友の息子と娘のような弟子の子だ。苦労などとは思わんよ。さて、そろそろ私に紹介してくれないかね?」
「はいっ。娘のクラウディアです。クララ、この人はアーネスト精霊社で宮司をなさっているユリエル師匠よ。」
お母さんが私をユリエル様に見やすいようにします。まだ身動ぎぐらいしか動けない私はなされるがままです。そんな私をユリエル様はじっと見つめています。
・・・何か、じっと見られると恥ずかしいです。さっきの会話からするとこの人は私のお祖父さんの親友みたいです。『精霊道』って組織の人で私を保護しに来たみたいです。・・・保護?ということは私、この人達から引き離されるの?
ユリエル様の手が私に伸びます。私はいやだと思い必死にお母さんにしがみつきます。
「ふむ、どうやら嫌われてしまったようだな」
伸ばした手を引っ込めて苦笑いを浮かべるユリエル様。
「申し訳ありません」
「何、気にするな。昔から子供にはあまり好かれんからな。むしろ謝るべきは儂の方だ。本来はサラが来る筈だったのを親友の孫だからと替わったのだからな。」
悲しそうな顔を浮かべるユリエル様。うぅ、罪悪感が。
「大丈夫よ、クララ。何も怖いことはないわ。少しクララの中の精霊と師匠がお話するだけよ。」
私の中の精霊?どういうこと?
「ちょっと触らせてもらうよ。」
ユリエル様が私の左目あたりに触れます。
・・・長いなぁ。皆ユリエル様の邪魔をしない様にか物音一つたてない様にしているため緊張感がすごいです。
「あふっ。」
まずい。あくびしちゃった。さっきまであった緊張感が霧散してしまいました。
「すみません師匠。」
「いや、いい。少しばかり夢中になりすぎた。」
そしてユリエル様は少しばかり唸ったあと、
「この子の中の精霊は高位過ぎて此処では眠らせられぬ。儂は社に戻り準備を整える。あとでサラを迎えに出すとしよう。」
そう言ってユリエル様はお帰りになりました。




