第20話
お久しぶりです。
[指先から少しずつ凍らせようよ。]
[いや、それよりも生き埋めにするのは どうだ。]
[甘いわね。ここはあえて、焼き殺すべきよ。炎系統の精霊を持つあいつを焼いて全てを踏みにじるのが一番だわ。]
左目から発する熱のせいでしょうか?頭の中で何か過激なことを言われています。
ただ、不思議なのはこれらのことが出来ると思ってしまうことです。
・・・本能ってやつでしょうか?
まぁ、とりあえず今はこの声に従って行動しましょう。
えっ?どれにするかって?
もちろん全部採用します。
私は声がそうするだけでいいというので目の前の包帯男のほうを向いて想像しました。この男が氷漬けになる姿を、地面に埋まっていく姿を、そして焼き尽くされる姿を。
「うっ!」
すると私の左目に集まっていた熱が急速にどこかに流れて消えていくのをを感じます。その勢いはすさまじく左目に感じていた熱が消えてもおさまらず体中に流れている何かがそこに流れ消えていきます。
まずいと感じますがどうしたらいいかわかりません。
私が焦っていると、首に衝撃があり、一瞬意識が遠のきました。そして急に腕を引っ張られて私は後ろにいたユリエル様に抱きしめられていました。
「大丈夫だから、落ち着きなさい。」
そう言って背中をぽんぽんと優しく叩き始めました。
何かが流れていくような感覚はいつの間にかなくなっており、私はそのことによる安堵とユリエル様の手の心地よさでぐずりだしてしまいました。
「だっでおじいざまが~。わだしのぜいで、だがら。」
「大丈夫だと言ったろう。ほらよく見てみなさい。」
ユリエル様が包帯男のほうを指さします。そこには包帯男が剣を振り下ろした状態で立っているのしか見えません。
しかしいつまであの状態でいるのでしょうか。私が彼に攻撃しようとしてから一歩も動いてないように見えます。私が訝しんでいると包帯男は急に自身の後ろに剣を振りぬきました。それと同時に剣を振りぬいた包帯男の後ろにお祖父様が現れ、そのまま私達のところまできました。
「何をしている!せっかくのチャンス無駄になったではないか。」
「しかたあるまい。お前さんが死んだと思ってクララの精神が不安定になってしまったのだからなあ。」
「むっ。」
「祝福持ちは精霊様に力を使わしてもらっているためか、魔術師や精霊術師と違いあっさりと魔力の限界量を超えてしまう。それはお主も知っておろう。実際に少し危うかったしのう。チャンスといってもお前さんのミスから生まれたもんじゃろ。それよりもクララを優先させるのは当然じゃろ。」
ユリエル様とお祖父様が何やら言い争いをしているようですが私の耳には入っていませんでした。
私は確かにお祖父様があの炎の剣で斬られたのを見たはずです。となると目の前にいるお祖父様は幽霊?
私はお祖父様に近づくとその手をにそっと触れました。
「クララ?」
お祖父様の手は温かくとても幽霊とは思えません。
「お祖父様は生きているのですか?」
「ああ、ちゃんと生きているぞ。」
私はまた泣いてしまいました。




