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私、悪役令嬢ですよね!?( 泣)  作者: ながちゅう
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第15話

「で、魔力はどれくらい回復したんだよ。」


「そうだな、まだ体にだるさが残っているから5割といったところか。」


「まだそんなもんか。・・・なぁ、此処でじっとしてないで、さっさと本山に戻らないか?」


「駄目だ。陰精霊(ハーミット)の最大出力での隠蔽が次の拠点に移動できるまでもつくらいになるまでは此処で待機だ。」


「けど、そんなに悠長にしてて大丈夫か?これ、ジークリートの孫なんだろ。位置が分かるやつとかそういった魔方陣でこの場所もわかっちまうじゃないか?」


「その点は問題ない。此処は15年前の戦争で皇都に奇襲を掛けるために造られた施設だ。今でも改良を重ねているから探索の魔術への対策は完璧だ。あの天才の力でも見つかることはない。」


「あっそう。なら見張りは俺に任せて少し寝たらどうすか。その方が早く魔力も回復するし。」


「俺もそうしたかったがこいつを拐う時、精霊社のやつがいた気がする。さすがにこの施設も世界中に存在する精霊様からは隠しきれないからな。ハーミットの力で隠しておかねばならない。」




・・・ふむふむ、なるほど。 そういうことですか。

先程、どうやら私の精霊様を移させる予定の方が早く本山とやらに戻りたがったために誘拐犯のお二人が少し言い合いをしてたのですが、その会話のおかげでいろいろわかりました。

一つ目は此処は15年前に皇都に奇襲を掛けるための施設だということ。

これは非常に厄介ですね。

15年前に皇都に奇襲を掛けられたなんて聞いたことがありません。おそらくこの施設から奇襲を掛ける前にお祖父様の開発した転移魔方陣での奇襲が行われて教国が敗けたためにこの国にその存在が知られていないのでしょう。となると何の手掛かりもなしに此処を探し当てるのはかなり大変だと思われます。

二つ目は誘拐犯の使徒と思われる方の力です。

話の内容から察するに気配を隠す能力だと思われます。彼に宿っている精霊様はおそらく闇精霊(ゲプラー)様の系統なのでしょう。ゲプラー様の力は消滅です。彼らはその力を使って気配を文字通り消して此処まで来たのでしょう。となると此処までの手掛かりは残っていないと思われます。

三つ目はお祖父様とユリエル様は無事ということです。ただ此処にはたどり着くのはかなり厳しそうです。お祖父様は現役を引退してから7年です。その間にも魔術は発展してますから、お祖父様の魔術では現在の魔術にも対応しているらしい此処の施設の発見は出来ないと思われます。お父様に連絡したとしてもお父様は現在皇主催のパーティーの最中、連絡をつけるまでにはそれなりの時間がかかってしまうでしょう。ユリエル様の精霊術は役にたたないでしょうね。精霊様は人の生活に興味がないためか何かを探してもらうにはかなり具体的に示さなければ探せません。今回の場合、私か何処にいるのか聞くことになります。しかし精霊術で力を貸してくださる精霊様はだいたい下級でたまに中級の精霊様が少しだけ貸してくださるという感じです。祝福持ちの方々に宿っている精霊様は中級以上ですから下級の精霊様では誘拐犯に宿っているハーミットという精霊様の力で消された私の気配を見つけるのは不可能でしょう。


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