第10話
「はぁ、皇家主催のパーティーですか。」
「ああ。明明後日の昼頃に城の中庭で行うそうだ。」
「随分早い時間に行うのですね。」
「表向きは第二皇子殿下の生誕7年を祝うものだからね。」
「表向きはですか、何か別の目的があるということでしょうか?」
「ああ。実は今回のパーティーは殿下の婚約者探しが目的なんだ。」
「・・・冗談ですよね。」
「本当だよ。」
「早すぎませんか?婚約者を探すにも殿下と同じ年頃の子はまだ魔力が安定していません。婚約をしたとしても将来魔力量が足らず無かったことになるなんてことが起こりうるのでは?」
第二皇子レオンハルト・アーネンベルク様は現在唯一の皇位継承権の持ち主です。そして皇位継承権の持ち主の伴侶は魔力量B以上もしくは祝福持ちでないといけません。
「確かにそうだが、殿下の事情で早めに婚約者を持たせることになったんだ。」
「事情?それはどんなものでしょうか?」
「悪いけどそれについては話せない。それでクララ出席するかい?」
話せないなんてどんな事情でしょうか?気になります。会えば分かるかもしれませんが、それよりもこれは数少ないチャンスです。逃すわけには参りません。
「いえ、やめておきます。今、調べていることがありますので。」
「そうかい。エリオはどうする?」
私が出ないと聞いてあからさまに嬉しそうにするお父様。お父様にはお嫁にやりたくないと言われるくらいに愛されていますからね。上機嫌にエリオ兄様に尋ねます。
「クララが出ないなら僕もいいかな。」
「いいえ。エリオ兄様は出席するべきかと。」
予想通り、出ないと言うエリオ兄様。しかしそうはいきません。エリオ兄様を溺愛している私がエリオ兄様と離れるのに今回ほどうってつけの理由はないのですから。
「将来自分が仕える方に実際に会い、その人となりを知ることはこれからのお兄様の成長の励みになるでしょう。そんな機会を逃すべきではありません。」
エリオ兄様は少し考えてから
「クララの言う通りだね。」
と出席することにしました。
「しかし、それだとクララが一人になるんじゃ。」
お父様が心配そうに言います。
「なら精霊社のユリエル様のところに行かせてもらえませんか?ユリエル様に聞きたいことがありますので。」
「聞きたいこと?私じゃ駄目なの?」
お母様が聞いてきます。
「申し訳ありません。お母様のお力を疑っているわけではありませんが、ユリエル様にお聞きすることが一番良いかと思ったもので。」
「そう。」
「ユリエル様なら確かに安心だな。精霊社に手紙を出しておこう。」
そしてパーティー当日、私は精霊社を訪ねました。
「よく来たね、クララ。」
「ご無沙汰してます、ユリエル様」
「それで今日は聞きたいことがあると聞いたけど、何を聞きたいのかい。」
「はい、実はお祖父様のお屋敷の場所を聞きたいのです。」
いろいろ考えましたがユリエル様にお尋ねするのが確実だと思いました。
「お祖父様とどうしてもお話したいのです。教えていただけませんか?」




