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神愛 ― それいけ華蓮ちゃん ―  作者: 神愛
第3章
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第2話 シャンプーはお客様のために

凍えるような冬の風が、火照った頬を撫でていく。

光莉の小さくなっていく背中を見送ってから、あたしは隣を歩く湊を見上げた。


(このまま解散も、なんかもったいねーな)

(金はねーけど……)


「なぁ、湊。うち来るか?なんもねーけど」

「え、いいの?」


湊が目を丸くして、瞬きを繰り返す。


「昼、袋麺くらいなら出せるぞ」

「じゃ、じゃあ……お邪魔しよっかな……」


湊は控えめに、こくんと首を縦に振った。

その仕草がなんだか小動物みたいで、口元が緩みそうになるのを慌てて引き締める。


(よし。飯代浮いた……じゃなくて)

(湊がうち来るの、代休の時以来か)


並んで歩道を歩いていると、さっきまで少し弾んでいた湊の足取りが、徐々に重くなっていくのに気づく。

ちらりと横顔を盗み見ると、視線が泳いでいて明らかに落ち着きがない。


「どうした?」

「あの……ご家族は……」


「親は仕事。弟がたぶんごろごろしてる」

「お、弟さん……」


湊の喉仏が、ごくりと上下に動いた。

マフラーに埋もれた顔が、みるみるうちに赤く染まっていく。


「大丈夫だって。あいつクソ雑魚だし。あたし弱味握ってるし」


(あいつ、まだパンツ持ってるのかな)

(うげ。考えたら気持ちわる)


春先に起きた、あの忌まわしい下着泥棒事件。

ドアの向こうで慌てふためいていた隆《たかし》の、あの情けなくて生々しい反応を思い出して、思わずぶるりと肩を震わせた。


「だ、だって……前の時は誰もいなかったし。

 彼女の家族に会うの、初めてだし……」


湊はマフラーの端をぎゅっと握りしめ、足元の雪溜まりを見つめている。


(あー、そういやそうか)

(あの時は二人きりで……炒飯作って……韓国ドラマ見て……)

(……思い出すな、あたし)


急に顔に熱が集まってくるのをごまかすように、あたしはわざとらしく息を白く吐き出した。


(母さんは4時くらいに帰ってくるよな)

(その前に帰せばいっか)

(ま、でも――)


「へーきへーき。うちの家族みんな緩いから、見つかっても取って食ったりしないって。

 なんなら晩飯食ってけって言うと思うぞ」


「そ、そういうことなら……」


軽く背中を叩いてやると、湊は少しだけ肩の力を抜き、あたしの歩幅に合わせて付いてきた。


―――


玄関のドアを開けて、中に入る。


「ただいまー」

「お、おじゃまします……」


後ろに続く湊が、脱いだ靴をしゃがみ込んで律儀にそろえている。


(前も思ったけど、育ちがいいんだよなー、こいつ)


リビングのドアを開けると、ソファに寝転がってスマホをいじる隆の姿があった。


「やっぱりいた」

「おかえ……り……」


体を起こした隆が、あたしの後ろにいる湊に気づいて動きを止めた。


「誰?」

「あたしの彼氏。かわいいだろ」


胸を張って言ってやると、湊が慌てて頭を下げる。


「た、田中 湊です!は、初めまして!」

「坂本……隆《たかし》です……」


隆は、胡乱な目で湊の顔をじっと見つめた。


「……ごゆっくり」


そして何事もなかったかのように、再びスマホに視線を落とす。


(リアクションうっす!)

(ま、騒がれるよりマシか)


「昼、袋麺でいいか?」

「あ、僕も手伝……」


キッチンへ向かおうとする湊を手で制する。


「客は座ってろって。テレビでも見てろ」


湊がおずおずと、ソファの端にちょこんと腰を下ろした。

それを見た隆が、弾かれたように顔を上げる。


「え!?ここにいんの!?部屋にいけば!?」

「まあ、そう言うなって。お前の分も作ってやるから。麺できるまで相手しとけ」


「あ、あの……よろしくお願いします……」

「……ぐ」


露骨に嫌そうな顔をする隆を放置して、あたしは台所へ向かった。

鍋に水を張り、コンロの火をつける。


(さて、麺は3人前……)


リビングの方からは会話の声が聞こえてこない。

バラエティ番組の笑い声だけが虚しく響いている。


(……しーん、としてんな)

(「相手しとけ」って言ったのに、仕事しろよ)


しばらくすると、ぼそぼそと声が聞こえ始めた。


「……あの、田中……さんは、同じ学校ですか?」

「え、えっと、そうです」


(なんで敬語対敬語なんだよ)

(いきなり二人だけにしたのはハードル高すぎたか)


再び訪れる沈黙。

テレビから流れるCMの軽快な音楽が、やけに耳につく。


「……姉ちゃんの、どこがいいんすか」

「え」


(は!?)


鍋に入れかけたかやくを、危うく小袋ごと落としそうになる。


「……えっと、その……たくさんあって……

 まず、優しいところとか……」


(おいやめろ!真剣に答えるな!)

(聞こえてんだよこっちは!)


顔にぶわっと熱が集まるのがわかる。


「あれが?優しい……?」

「あと、笑った顔が……」


「麺できたぞー!!」


あたしは大声を出して半ば強引に会話を断ち切り、熱い丼をお盆に乗せてリビングへ運んだ。


(危ねー。心臓に悪い会話しやがって)


テーブルに丼を並べ、三人で向かい合って食卓を囲む。


「いただきます」

「……す」


(「いただきます」くらいちゃんと言え)


ずるずると麺をすする音が響く。


「お、おいしいです」

「袋麺だぞ。味付けはメーカーの努力だ」

「もやしとか卵入ってるし、ちゃんとしてるよ」


ニコニコしながら麺をすする湊を見て、隆が小さく舌打ちした。


「……姉ちゃんのくせに」

「あ?なんか言ったか」

「別に」


(こいつ……)


あたしは隆を軽く睨みつけてから、残りの麺を口に放り込んだ。


―――


食後。

どんぶりを片付け終え、リビングに居座る。


(さって、この後どうすっかな)


視線の先で、隆がやたらと落ち着かない顔をしている。

早くどっか行って欲しそうに、何度もこちらをチラ見してきた。


(まぁ、うちらもこいつの前だといちゃつけねーしな)


「部屋いく?」

「う、うん」


あたしの提案に、隆が露骨にほっと息を吐き出した。


「静かにね」

「な!なに言ってんだ!死ね!」


苛立ちに任せて、隆のすねを思い切り蹴り飛ばす。


「いで!くっそ!おっぱじめるなよ!」


(するか!バカ!)


「くそっ!くそっ!早く行くぞ!」


あたしは湊の腕をひっつかみ、ずかずかと足音を立てて2階へ上がる。

後ろを振り返ると、湊は目を丸くして困惑したまま引きずられていた。


―――


自分の部屋のドアを乱暴に開け、湊を中に押し込む。


「ま、適当に座れよ」

「……」


湊は部屋の真ん中に立ったまま、きょろきょろと視線を動かした。

ベッド。机。壁に貼ってあるポスター。

ゆっくりと部屋を一周するように観察している。


(お、おい。そんなじろじろ見るなよ)

(……散らかってなかったよな?)


不安になって見つめていると、湊がすん、と小さく鼻を鳴らして息を吸い込んだ。

よく見ると、その頬がほんのりと赤く染まっている。


(今、匂い嗅いだな?)

(嗅いだよな!?)


「おい、座れって」

「あ、う、うん」


促されて、湊はカーペットの上にちょこんと正座した。

それでもまだ、視線があちこちに泳いで落ち着かない様子だ。


(……なんか、そわそわしてんな)

(まさか、隆の言った通りに――)

(って、ねーよ。こいつに限って)

(期限だって決めたんだし)


あの約束があるんだ。

変な期待をしても仕方ない。


「テキトーにくつろいでろよ」


そう言いながら、ふと自分のジャージの袖が視界に入った。


(……あ)

(あたし、ジャージのまんまじゃん)

(汗かいたし……いまさらだけど、なんか気になってきた)


「わりぃ、あたしシャワー浴びてくる」

「え」


急に自分のニオイが気になり始め、居ても立ってもいられなくなる。


「汗くせーだろ、あたし。すぐ戻るから」

「え、あ、う、うん……」


湊が目を白黒させて戸惑うのを横目に、あたしはタンスへ向かった。


(……一応、かわいいパンツ履いておくか)


湊からは見えないように体をずらし、そっと引き出しを開けて替えの下着を抜き取る。

急いで中身を隠し、バタンと引き出しを閉めた。


「勝手に引き出しとか開けんなよ」

「あ、開けないよ!?」


必死に首を横に振る湊を残し、あたしは部屋を出て階段を降りた。


(いきなり部屋に放置は信用しすぎかな)

(でも、早く汗流したいし)

(汗流したら、すぐ出よう)


―――


脱衣所で急いで服を脱ぎ捨て、シャワーでざっと汗を洗い流す。


(ふー、さっぱりした)


適当な部屋着に袖を通し、タオルで濡れた髪を押さえながら急ぎ足で階段を上る。

ドアノブを回し、勢いよく部屋を開けた。


「お、おかえり……早かったね」


スマホを見ていた湊が、ビクッと肩を跳ねさせて顔を上げる。


「ん。カラスの行水ってやつ」


スマホを両手で握りしめたまま、湊の姿勢は妙に硬直していた。


(……ずっとその体勢だったのか?)

(律儀なやつめ)


「わりーな、待たせて。髪だけ乾かすわ」


ドライヤーを手に取り、カーペットに座り込む。

スイッチを入れると、ゴオオという単調な音が部屋中に満ちた。

濡れた髪を指で梳きながら、温風を当てていく。


(……ん?)


ふと、強い視線を感じた。

ちらっと横目で確認すると、湊がこっちをじっと見つめている。


「……」


こくり。

湊の喉仏が動き、かすかな音が聞こえた気がした。


(……見てる)

(めっちゃ見てる)


(風呂上がり、部屋着、濡れ髪……)

(なんか誘ってるみたいになってんな、これ)


(べ、別にそんなつもりじゃ)

(ただ汗流したかっただけで)


ドライヤーの排気音だけが、やけにうるさく響く。


湊ははっと我に返ったように、スマホに視線を落とした。

その耳の先まで、真っ赤に染まっている。


(気まずい!)

(この空気、どうすりゃいいんだよ!)

(……そうだ)


耐えきれず、あたしはドライヤーのスイッチをバチンと切った。


「なぁ、湊」

「な、なに」

「湊もシャワー浴びるか?」


(なに言ってんだあたし!)


自分の口から出た言葉に、血の気が引く。


「……え」

「あ、いや、その」


(違う。そうじゃない。いや違わないけど)


しどろもどろになりながら、必死に言い訳をひねり出す。


「お前も稽古で汗かいただろ。ジャージのままだし」

「あ……そ、そっか。そうだよね」


湊は自分のジャージの袖を引っ張り、納得したように頷いた。


「で、でも、着替えとか、ないし……」

「あー……」


(それもそうか)


ホッとしたような、残念なような。

複雑な気持ちで息を吐く。


「こんなことなら着替え持ってくればよかったな……

 明日は持ってくるね」


「お、おう」


(え、明日も来るの確定!?)


予想外の宣言に心臓が大きく跳ねたが、あたしは動揺を隠して、再びドライヤーのスイッチを入れた。

とりあえず、この濡れた髪を乾かし終えることに集中した。


―――


髪を乾かし終え、コンセントからドライヤーを抜く。


「なんかあたしだけさっぱりしちゃって悪いな」

「いいよ。自分ちだもんね」


「さって、何すっかな」

「うーん」


二人して顔を見合わせる。


(そうだ)


「なぁ、髪だけでも洗わないか?」

「え?髪だけ?」


「そう。ついでに顔も洗ってさ。さっぱりしようぜ」

「そ、そうだね。髪だけ洗おうかな」


湊は少し迷った後、こくりと頷いた。


「おうおう。洗ってやんよ。んで、髪触らせろよ」

「髪を?触る?」


「ああ。あたし美容師志望だぞ。前から人の髪触ってみたかったんだ」

「え!?僕、実験台!?」


大げさに肩をすくめる湊の背中を、バンバンと叩く。


「なー。いいだろ。ウィッグなしでもかわいくしてやんよ」

「じゃ、じゃあお願いします……」


「おう。任せとけ。

 じゃあ、風呂場に行こう」


―――


二人で連れ立って階段を降りる。

リビングからは、隆が格闘ゲームのボタンをガチャガチャと連打する音が響いていた。


洗面所を抜け、風呂場に入る。

あたしは気合を入れて部屋着の袖をまくり上げた。

湊はジャージの上着だけを脱ぎ、薄手のTシャツ姿になる。


「ほれ、そこ。バスタブに頭突っ込め」

「こ、こう……?」


湊がバスタブの縁に手をつき、おそるおそる浴槽へ頭を突き出した。


(美容室だと上向きなんだけどな)

(家だとこうするしかねーか)


シャワーヘッドを手に取り、お湯の温度を確かめる。


「いくぞー。熱かったら言えよ」

「は、はい……」


湊の後頭部に、そっとシャワーの束を当てる。


「熱くないですかー、お客様ー」

「だ、大丈夫です……」


緊張でカチコチになっている湊の肩が、微かに震えていた。


「かゆいところはございませんかー」

「あ、その、まだ洗ってな……」


「ノリ悪いぞお客様」

「え、ええ……」


十分に髪を濡らしてから、手のひらにシャンプーを押し出す。

しっかり泡立てて、指の腹でわしゃわしゃと洗っていく。


(お、頭の形、いいな)

(髪が細いから、泡立ちもはやい)


「……ん……

 なんか、気持ちいい……」


「だろ?あたし、うまいだろ」


(他人の頭洗うとか初めてだけど)


調子に乗って胸を張りながら、さらに指を動かす。


わしゃわしゃ。

わしゃわしゃ。


浴室には、お湯が跳ねる音と、きめ細かい泡の音だけが心地よく響いていた。


すると、背後のドアがガラリと開く。

不審に思った隆が、そーっと顔を覗かせていた。


「は!?お前らなにやってんの!?」

「なんだよ。お前も洗ってやろうか?」


「いらねーよ!風呂に一緒に入ってるかと思って焦っただろ!」

「お前がいるのにそんなこと出来るわけないだろ」


真っ赤になった隆を、鼻で笑ってやる。


「いなきゃやるのかよ!」


隆は「なーんだ」とぼやきながら、バタンとドアを閉めて出ていった。


「い、一緒に……お風呂……」

「ま、そのうちな」


「え!?」

「な、なんだよ。長く付き合ってればそういうこともあるかもしれねーだろ」


(なに言ってんだあたし!)


顔から火が出そうになり、勢いよくシャワーの蛇口をひねる。


「……」

「ほら、流すぞ!」


動揺を誤魔化すように、じゃあじゃあと勢いよく泡を流していく。


白い首筋を、温かいお湯がいくつもの筋になって伝い落ちていった。

お湯を止め、傍らにあったタオルを投げて渡す。


「タオル。ほれ」

「あ、ありがと……」


湊は頭からタオルをかぶり、わしわしと乱暴に水分を拭き取る。

やがて、バスタブから顔を上げた。


濡れた前髪の隙間から、潤んだ黒い瞳がこちらを覗き込んでいる。


「……さっぱりした」


(……濡れ髪、破壊力あるな)

(さっきのあたしを見た湊、こんな気分だったのか)


胸の奥がキュンと鳴って、慌てて視線を逸らした。


「よ、よし!乾かすぞ!部屋戻んぞ!」


―――


二人で足早に二階の部屋へと戻る。

湊をカーペットの真ん中に座らせ、後ろからドライヤーの温風を当てた。


「よーし、ここからが本番だ」

「お、お手柔らかに……」


濡れた髪に指を差し込み、優しく梳きながら乾かしていく。


(さらさらだけど、細いな……)

(ふんわりさせるには、根本から立ち上げて……)


髪が完全に乾いたところでドライヤーを置き、戸棚からスタイリング剤を手に取った。


(まず前髪下ろして、目の上ギリギリで流して――)


湊のおでこにかかる前髪を、指先で慎重に整えていく。


(……ん)

(長さが、足りねー)

(じゃあトップをふんわりさせて、丸いシルエットに――)


手のひらでわしゃわしゃと髪を揉み込み、必死に形を作ろうとする。


(……足りねー!)

(襟足もサイドも、つまむ髪がねーんだよ!)


「か、華蓮?なんか手つき、必死になってない?」

「しゃべんな。いま勝負どころだ」


ぐっと唇を噛み締め、角度を変え、分け目を変え、あれこれと試行錯誤を繰り返す。

何度目かの手直しの末、ついにあたしの手はピタリと止まった。


「……」


湊の頭を真上から見下ろしたまま、深く、重い息を吐き出す。


「……すまん、湊。あたしの負けだ」

「え?」


机の上にあった手鏡を拾い上げ、湊に渡す。

鏡の中に映っていたのは――ちょっとだけ垢抜けた、普通の男子高校生の姿だった。


「あ、なんかいい感じじゃない?」

「そうじゃねーんだよ」


あたしはその場にどすんと座り込み、不貞腐れたようにあぐらをかいた。


「かわいくしてやるって言っただろ。もっとこう……ふわっと、丸く、かわいくよ。

 でも、長さがねーんだ。どうやっても。

 校則で切ってる髪じゃ、女子の『かわいい』までは届かねー。

 悔しいけど、腕でどうにかなる問題じゃなかった」


「……」


湊は手鏡を持ったまま、じっと中の自分を見つめている。


「……髪は女の命って、ほんとだね。

 ウィッグかぶるとさ、鏡見た瞬間、自分でも『女の子だ』って思えるんだ。

 髪の毛が女の子を作ってるんだって、改めて実感したよ」


(……こいつが言うと、重みが違うな)

(ずっと、その「命」を借り物で補ってきたんだもんな)


少し寂しそうな横顔から、目が離せなくなる。


「でも」


湊は手鏡を持ったまま、こてんと小さく首を傾けた。


「これはこれで、気に入ったよ。

 なんか……ちゃんと、僕だし」


「……そうか」


(……ま、いっか)

(本人が気に入ったんなら、美容師としては勝ちなのか?)

(いや、負けは負けだ。精進しろ、あたし)


気を取り直して、湊の肩をぽんと叩く。


「次はもっと勉強しとくわ。道具もそろえる」

「次もあるんだ」


「当たり前だろ。お前はあたしの練習台なんだから」

「実験台から昇格した……」


ふふっ、と湊が吹き出し、あたしもつられて声を上げて笑った。

ふと窓の外を見ると、冬の短い日差しが、もう西へ傾き始めている。

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