表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

番外編 ある薬師の日記にて

えー、すみません。


しばらくお休みしてしまったので、番外編投入しました!


勢いで書きました!


ゴメンナサイ



○月×日  

城に招かれたという街薬師が医療塔に来た。

黒髪黒目の女の子だ。

正直、なぜ招かれたのか理解できない。

レイランド殿下の恩人だという彼女。でも、そんな才女には見えない。


そりゃまあ、癒し系かもしれないけど。

特に美人でもないし、まあ、可愛いかもしれないけど。

頭よさそうにも見えない。実際、ぽよよんとしているし。

この国、というかこの大陸では魔法が盛んなため薬に頼る人は少ない。

怪我は癒しの魔法で治る。

薬が必要なのは病だけだ。

だから、薬師という職業になる人はかなり少ない。

だが、少ない代わりに優秀な人が多い。

実際、俺がこの城勤めに合格した時は夢かと思ったくらいだ。

しかし、そのための努力は怠らなかった。

だからこそ、街薬師ごときが殿下を救ったというのが信じられない。


しかも、猛毒で有名な『アバロス』の治療法をしっているのも信じられない。

この俺だって、この城にきて尊敬する薬師長から教わって初めて知ったのに。


しかも、王妃専属だと?

現在王妃様についているのは、第七魔術師団長と薬師長の二人だ。

その二人でさえ、王妃様の体調不良を改善できていないというのに。

ただの街薬師になにができるというんだ。


そう、思っていた。

今日、初めてその女の子を見ても、その考えは変わらなかった。



○月x日



街薬師こと、エヴァ・トゥルーツリーが薬師長につれられて俺達薬師に挨拶に来た

初めて声を聞いた。

まあ、可愛い声だった。色気はないが。


しかし驚いた。

なんと、あのディセル殿下の妹弟子だというではないか。

と言うことは、かの有名な『時渡りの魔女』の弟子なのか。

納得だ。

だから、城に招かれたのか。

だから、王妃様つきになったのか。

…人は見かけによらないのだと、思った。

しかも、話てみるとなかなかの人物だ。


明るいし、博識だし、それに俺達城の薬師をちゃんと立てて、敬っている。

俺達に負けないくらい優秀なのに、驕っていない。


こんな奴もいるんだな。


どうやら、そう思っている奴は俺だけではなかったらしい。

同僚の顔もほころんでいたのを、俺は見た。


まあ、話していて楽しいし、癒されるし、こいつが城にいるのもいいかもと思った。



○月×日



エヴァは面白い。

今日は俺達薬師にハーブティを入れてくれて、ゆっくり話もした。

ちょっと天然で、可愛い。

しかも興味深そうに俺達の研究の話を聞き、アドバイスや研究の手伝いまでしてくれた。


正直、同僚皆がエヴァを仲間だと認めている。

もちろん、俺もだ。

それに、薬師長さまだってできなかった王妃様を見事元気にさせた。

確かにエヴァと話をしているとなぜだか元気になる。ほっとする。いつの間にか時間が過ぎている。


エヴァにくっついている侍女は、かなり美人だが、少し怖い。

それだけがネックだ。


エヴァと一緒に仕事するのが楽しみになった。



○月×日



なんということだ!

エヴァの化粧水が注文殺到しているらしい。

さすがはエヴァだ。

しかし、そのせいでなかなかエヴァがこちらに顔を出さない。

この間ちらりと見た顔は青白かった。

大丈夫だろうか。

俺達が手伝うことは可能だろうか?

薬師長さまに言ってみようと思う。

…きっとそう思っているのは俺だけじゃないと思うから。



○月×日



これまた事件が起きた。

なんと、エヴァの扱っている技術を国公認とし、売り出していくらしい。

いい考えだ。

さすがは皇太子殿下。

あれは売れる。俺もそう思う。

どうやら、俺達薬師たちからエヴァの技術を教わり手伝いをするメンバーを募集するらしい。

もちろん、名乗りを上げた。

…というか、まさかの全員名乗りを上げた。

それどころか、薬師でない第七魔術師団の奴らまで名乗りを上げたらしい。


…選ばれたい。

一緒に仕事したい。

一緒にいたい。


俺は祈る。どうか、俺が選ばれますように。



○月×日



やった!

選ばれた!

俺の他に5人、選ばれた。

合計6人がエヴァ直々に技術を教わることになった。

発表された時の医療塔は、のちのち伝説になるだろうと思うくらいすごかった。

阿鼻叫喚。

まさにそんな状態だ。

そして、ついに明日新しい職場、ハーブ園の中にある薬師堂でエヴァに会う。

俺達がこれから新しい風を巻き起こすんだ。

この感動をどう表したらいいんだ。

ともかく、明日からエヴァと同じ職場だ。


喜びに胸が震える。


さあ、明日よ。早く来い!


                       コリンズ・バケイティシオンの日記より







「…っぷ。プははははっはあっははははは!!!!死ぬ、死ねますわ。わ、笑い死にしますわ…!」

「なんていうか、さすがだよねえ。エヴァ様。ここまでくると、尊敬するわ」

「…薬師たち…ぞっこん?」

「そうねぇ。ぞっこんねぇ。というか、アリアス。よくこの日記手に入れたわね。」

「あら、いやですわ。落ちていたから拾っただけですわ。」

「…へえ。落ちてた、ねぇ」

「…アリアス、嘘、いけない」

「あら、嘘ではないですわよ?」

「…そうね。たまたま、忍び込んだ部屋の机の上に、落ちていたのよね。たまたま。」

「ええ。そうですわ!」


「「「・・・・・・・・・・・・。」」」



「ま、まあ、いいや。とりあえずこれ、報告するの?」

「…殿下は、やめておいたほうがいいと、思う…」

「そうね。殿下はダメね。エヴァ様が可哀想だものね。王妃様だけにしましょう」

「あら…それは残念ですわ。コレを見た殿下も面白いと思いますのに。」

「…それは面白そうだけど、やめときなさい。アリアス」

「でも…やっぱり…」

「うん。」


「「「「エヴァ様の側は、飽きないねぇ(ですわねぇ)」」」」



その後、日記は模写され、本体はきちんと元の場所に戻されたそうです。


エンド





楽しんで頂けたでしょうか?


久しぶりすぎて、不安です…。



感想お待ちしてますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ