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孤独な炎に祝福を  作者: 基龍 連
第一部 孤独のひとり未満
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7/9

第六章 紫と七色の過去

ちょっと急募です

第一部までしか出さないといっていたのですが…ちょっと生活にゆとりが出てきていて…コメントくださいぜひ。


***MIND 連***


 朝ご飯を食べ終え、俺たちは学校へと向かった。

「連、今日はどんなことが起きるんだろうね。」

「正直、何も起こらず情報が集まってほしいがな。」

 俺たちが靴箱で話しながら履き替えていると髪がピンクから黄色のグラデーションになっている女の子から声をかけられた。確か、同じクラスの七色双葉だ。少し静かめの子だと認識していたが、どうしたのだろうか。

「柴野くんのこと、どう思ってますか?」

 これはどちらに聞いているのだろうか。俺か?愛奈か?

「私は、連にいちいち突っ掛かってくる子かな。」

「連さんは…」

「俺は、柴野はいちいち突っ掛かっては来てるけど、なんか先生に褒められているとき辛そうだったからそこは気になってはいるけど…それがどうした?」

 いきなり質問はまずかっただろうか?まぁ一応、質問して柴野の情報を少しは知っておきたい気持ちがあるから聞いたんだけど…

「いや…私、柴野くんの幼馴染で。その…」

「もしかして‼柴野流星のこと好きなの⁉」

 愛奈がいらない質問をした。まぁ柴野流星とフルネームで呼んだのは特に引っ掛かったが、後にしよう。

「いや、別にそんなんじゃない…です。とにかく、柴野くんにも深いわけがあるんです。昔はもっと優しかったんですけど…」

 七色双葉…初めの印象で分かるとおり、少しコミュニケーションが得意でなさそうじゃないな。

「話しにくかったら紙に書いてでもいいからさ。今はいったん教室に行こうか。」

「はい…ありがとうございます。」

 一応、反応的には後で紙に書いて、渡してきそうだ。今後、柴野がどう来るのかと心配していたが、七色のおかげで道が開けそうだ。

「はい。みんな着席してください。朝のホームルームを始めます。」

 緑上先生が来てホームルームが始まった。一時間目は俳句作りという名の自習で、俺と愛奈だけ体育館に行くことになった。炎以外にも少し学ぶことがあるらしい。「炎の(れん)神制(しんせい)」をするようだ。言葉を聞いてもよくわからない。

体育館に入ると、中央には見たことのない複雑な紋様が描かれた大きな円があった。緑上先生と、体育教師らしき体格の良い男性が、腕組みをしてこちらを見ていた。

「二人とも来てくれたね。今日は『炎の連神制』の基礎を学ぶ。担当は私、朱印だ。」

体育教師らしき男性、朱印と呼ばれた人物が、低い声で言った。顔には少し傷があり、その眼光は鋭い。

「朱印先生、緑上先生、よろしくお願いします。」

俺と愛奈は、少し緊張しながらも挨拶をした。

「連神制とは、己の先祖、黒澤くんは邪神。白咲さんは天照大神の様々な力を身体にのせる訓練だ。今回は、その最も基本的なことを教える。」

朱印先生はそう言うと、円に手をかざした。次の瞬間、彼の指先から小さな赤い炎が灯り、それが一瞬で燃え広がって大きな炎のとりとなった。フェニックスだ。その熱気が、離れた場所にいる俺たちにも伝わってくる。

「まずは、己の炎を安定して出すこと。そして、それをこの大きな円に、自身の炎の向けてイメージすることだ。はじめはこの大きな円がなきゃできないが、二回目からは、なくても使えるようになるだろう。」

緑上先生が、穏やかな声で補足した。

「黒澤くんは邪炎、白咲さんは冷たい炎だったね。それぞれの炎の特性を理解して、コントロールすることが重要だから、がんばって‼二人とも。」

俺は、大きな円の紋章向かって邪炎を出してみた。以前よりもスムーズに、そして安定して炎を出した。やはり、一度経験したことでコツを掴んだのかもしれない。隣の愛奈は、少し苦戦しているようだった。炎は、かすかに出ているが、形にならない。

「うーん…やっぱり難しい。前はできたのに…」

「愛奈はまだ慣れてないだけだから焦らずやればいい。俺の炎は柔軟性が高くてやりやすいって先生が言ってただろ?だから、焦らずやれば、きっと愛奈にもだせるよ。自分の炎。」

俺は、愛奈にアドバイスというか励ましの言葉をかけたが効果があったのかはわからない。だが、少し愛奈の表情が明るくなったのがわかった。

「今日は、自身の神を体にのせれるまでです。諦めずに挑戦してください。」

 朱印先生の長期にわたる授業の始まりの言葉だ。だが、俺は、朱印先生が言った言葉を繰り返していた。

体にのせるまで…邪神をイメージ…

 そんなことを考えていると、俺の炎が俺を中心に回りだした。

「黒澤は一体化するタイプか…」

朱印先生の今の言葉で、少しの種類があることがわかった。

俺の左目の上から一つの黒い角が出てきているのがわかる。体に力が周り巡る。右側の髪の部分に炎が燃えているが、髪が燃えている感じもしない。

「成功だ。黒澤。邪炎とはいえここまで早くできた生徒は君くらいだよ。素晴らしい。後は、白咲さんだね。」

 朱印先生に合格をもらった。合格とはいえ、この状態を慣れておきたいので、少しこの状態でいてみる。

「えっ⁉連、速くない⁉目の下にバッテンみたいな赤い印も尻尾も生えてるし‼」

愛奈に言われて気づいたが、気づかない間に羽や尻尾も生えていたようだ。

***

その日の放課後、七色双葉が、予想通り俺たちに小さなメモ用紙を持ってきた。

「あの…これ…柴野くんのこと、少しでもわかってもらえたら…」

そう言って、七色は少し緊張した面持ちで、七色は、そのメモ用紙を俺に差し出した。俺は、お礼を言ってそれを受け取った。そこには、柴野流星の過去について、書いていた。ものすごく重い内容が書かれていた。紫色の炎の秘密、そして、彼が抱える深い悲しみと後悔…

俺は、そのメモをじっと見つめた。あの時、緑上先生が柴野を褒めた時、あいつが見せた一瞬の苦しそうな表情の意味が、ようやく理解できた気がした。

そのメモには、こう書いてあった。

《柴野くんの先祖はヒダる神。人をダルくさせたり、空腹感を覚えさせ、時には人を死に追いやってしまう神様らしいです。その先祖が殺してしまった人達や冥界に住む死者の声が炎を出すときに聞こえるそうです。特に誉め言葉などのプラス思考の言葉をかけると、聞こえてくるそうです。柴野くんはそれが怖いんです。だから、悪く思わないで上げてください。人を挑発するとマイナス思考の言葉しか出ないって知ってるんです。本当は面倒見がよくて優しいのに。今日も、体育の後で耳を塞いでいました》


「そういうことだったのか…だから先生も。」

「うん。ちょっと勘違いしちゃってたかもね。私たち…何か声が聞こえなくなる方法ないのかな?」

 これまでの三年間でできなかったことだ。多分、俺たちには何も出来ない。ただ、わかってやることだけだ。

「探しても…見つかりませんでした。」

 七色双葉が言ったのでわかったがこれまでにも色々試したようだ。

「じゃあ、双葉ちゃんの気持ち、言ってみれば?」

「そんなこと…無理だよ。」

 愛奈の方法は試していなさそうだな。でも、あまりしゃべることが苦手な奴を無理にしゃべらせるのは効果的ではないと思う。失敗すれば、七色がクラスに居づらくなる可能性だってある。

 どうするべきか…



少しづつ紫野のことがわかってきました。皆さんは自分がこうなっていたら、どうしますか?

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