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第77話 裏切り者

「さぁ、来なさい」


「なら行かせてもらうぞ!!」


「おい! メル!! 挑発に乗るな!!」


「大丈夫だ!」


――また、当たらない!?


いや、違う。

避けられている。


そのまま剣が突き出される。

だが、メルの強靭な肉体に刃は弾かれ、刺さらない。


相手は一瞬、驚いた表情を浮かべる。


「俺では殺せないか。なら、避け続けて体力を削ればいい」


今の動き……

まるで、メルの攻撃を最初から知っていたかのようだ。


攻撃する前から、すでに回避行動を取っていた。


――未来視。


「メル!! 相手の能力は、恐らく未来視だ!! どんな攻撃も見切られる!!」


「未来視か。なら大丈夫だ、アレン!!」


「え?」


「動きが読まれるなら――読めなくすればいい」


「透過しても、攻撃の瞬間に解けるだろ! それじゃ意味が――」


「アレン。俺の透過は、解けない」


「……え?」


「俺はずっと、透過状態で生きてきた。意識しなくても維持できる」


「何をごちゃごちゃ話している」


「分かった! メル、頼む!」


「任せろ!」


メルの姿が、完全に消える。


「透過か!! だが、こちらも――」


「遅い」


ドンッ!!


鈍い衝撃音。


メルの拳が、確実に相手を捉えていた。


「……っ!!」


当たれば、ひとたまりもない。


相手は壁に叩きつけられ、動かなくなる。


「アレン。やったぞ。先を急ごう」


「やったな!」


二人はハイタッチを交わし、さらに奥へと進む。


――そして、広い空間に辿り着く。


その奥には、縛られたクラスメイトたちの姿。


「よかった……これで……」


だが。


「アレンくん。来てしまったんだね……」


その声には、聞き覚えがあった。


いや――姿も。


「……なんで……」


ハレイくん……?


「アレンくん、ごめんね」


「まさか、同じ学園のクラスメイトに裏切られるとは思わなかったか」


背後から、冷たい声が響く。


「誰だ」


「俺はザヴィレ。魔王を倒すために、お前の力が欲しい」


「できない」


「なぜだ? 目的は同じだろう?」


「魔王を倒すために、人を傷つけている。

 僕は――誰も傷つかないために、魔王を倒す」


「……そうか。ハレイ、やれ」


「……ごめんね、アレンくん」


「ッ!!」


「アレン、俺が――」


「メル。俺にやらせてくれ」


「……分かった」


アレンは、一歩前に出る。


「ハレイ。また勝負だな」


「……そうだね、アレンくん」


「なんで、こんなことをするんだ」


――君には分からない。


強い君には、僕の気持ちなんて……。

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