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第73話 レビュラ転化

「まぁ、どちらにしろこれで終わりだよ。」


【バースト】


再び衝撃音が響いた。

爆発音。


――コウキの体が、爆ぜる。


「終わりかな……」


いや、違う。


こいつ……まさか。


目の前に現れた光景に、思わず目を疑った。


肩が――抉れている。

肉がえぐれ、明らかに欠損している。


それなのに。


なんで笑って立っていられるんだよ……。


「マジのバケモンが……」


「なんとでも言えよ。」


コウキは血を吐きながらも、ゆっくり拳を握った。


「拳ってのはよ、人を恐怖させるためのもんじゃねぇ。」


一歩、前へ。


「俺の拳は――直してやるためのもんだ。」


睨みつける。


「お前のねじ曲がった思想……直してやるよ。」


【ネビュラ……転化……】


(なぁ、アレン……)


(俺……お前に守られてばっかだったよな。)


血が流れる。

視界も揺れている。


それでも、コウキは笑った。


(俺も横に立ちてぇよ。)


(だから……俺も選択のときだ。)


(失ってやるよ。だから力をくれ。)


(速さと攻撃性が欲しい。)


(耐久力なんて……)


(自前でなんとかしてやるよ。)


(あいつの横に立つなら――覚悟、決めねぇとな。)


【怒髪天――雷轟】


「……なんだよ、それ。」


相手の声が震える。


「勝てると思ったから挑んだのに……」


「話が違うだろうが!!」


【バースト!!!】


爆発。


だが――


当たらない。


光の速度。


もちろん、本当に光と同じ速さで動けるわけじゃない。


だが。


「お前よりは、格段に速い。」


コウキは目の前に立っていた。


「そして――お前の首筋に、シダの葉みたいな模様がないか?」


「……!?」


ある。


確かにある。


だが、それがなんだって言うんだ。


「雷を体に受けた人間にはな。」


コウキは静かに言う。


「そういう模様が出ることがあるらしい。」


拳を握る。


「それを利用すれば――」


「体の内側から、電撃を流せる。」


目を細める。


「随分、俺の能力を侮辱してくれたが……」


「これには耐えられるかな?」


(やばい……)


(内側からなんて……鍛えられるはずがない……!)


【放電――内雷撃】


体の内側で、雷が爆ぜる。


「がああああああああ!!」


血反吐を吐き、地面に倒れ込む。


だが。


「くそが……!」


「クソがクソがクソが!!」


歯を食いしばり、叫ぶ。


「これで俺が倒れると思ってんのか!?」


「お前は俺に殺される存在だ!!」


「俺が一番で……!」


「俺以外は、全部下なんだよ!!!」


コウキは、ため息をついた。


「……はぁ。」


「お前が一番な訳ねぇだろ。」


血を拭いながら言う。


「俺のダチは、もっと強ぇよ。」


「平気な顔してなんでもこなしやがる。」


少し笑う。


「あいつはな。」


「お前みたいなやつ、嫌いだろうよ。」


「俺も嫌いだ。」


「……アイツといたから、全部分かる。」


「黙れ!!!」


【バースト!!!!】


爆発が広がる。


だが、コウキは立っている。


「お前の敗因はな……」


静かに言った。


「自分を見なかったことだ。」


「その歪んだ思想……」


「最初からだったわけじゃねぇだろ。」


「お前に……お前に何が分かる!!」


「分かんねぇよ。」


コウキは即答した。


「けどな。」


「今のお前……悔しそうな顔してんぞ。」


沈黙。


「不良に、何か恨みあんだろ。」


「お前は一人で何とかしようとした。」


「俺も最初は……お前と似てたよ。」


拳を握る。


「けど、アイツが変えてくれた。」


「……はぁ?」


「お前も変われるチャンスはある。」


コウキは言う。


「敗北を知って……」


「俺に何度でも挑みに来いよ。」


笑った。


「俺がお前を変えてやる。」


「……なんだよ、それ。」


コウキは拳を構える。


【雷神】


雷が落ちた。


一瞬の閃光。


そして――


静寂。


「終わった……か。」


その瞬間。


コウキの体から力が抜けた。


ドサッ。


地面に倒れる。


「さすがに……」


苦笑する。


「無理しすぎたな……」


視界が暗くなる。


「アレン……」


最後に呟いた。


「頼んだぜ……」


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