表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/111

第41話 時間はない

「どういうことですか!? 校長!」


思わず声を荒げたアレンに、校長は静かに手を上げた。


「落ち着きなさい、アレンくん。彼は――危険すぎたのだ。彼は...ディアセントとも少し違う。レビュラを超えた先の能力...と言うのが1番正しいのかもしれない。」


その言葉に、胸の奥が強く締めつけられる。


アレンが驚いた理由は二つあった。

一つは、「処分」という言葉の重さ。

そしてもう一つは――ダイチという名。


もし、あの時、目の前で救えなかった少年が生きているのだとしたら。

確証などない。それでも、胸の奥で、直感が叫んでいた。


――あの子だ、と。


「……彼は、どこにいるんですか。」


「ダンジュル研究所だ。」


「ダンジュル研究所……?」


「表に出せぬ研究を行う施設だ。場所は公には認知されていない。」


そう言って、校長は一枚の地図を差し出す。


「ここから南。イシェル街を越えた先にある。」


「……ありがとうございます。」


アレンは深く頭を下げ、校長室を後にした。


扉が閉まり、部屋に静寂が戻る。


校長は、誰もいない空間に向かって、ぽつりと呟いた。


「あぁ……言い忘れてしまったな。」


薄く笑い、その目は、冷えきっていた。


「ダンジュル研究所へ、魔王軍が彼を奪いに向かっているという情報を。」



アレンは、学園を飛び出した。


授業のことなど、頭から消えていた。


「ローダルス、いるか。」


「えぇ、もちろん。……面白くなってきましたねぇ。」


「まず、スミレのところへ行く。」


「走るのは面倒ですねぇ。」


その瞬間、ローダルスの姿が歪み、巨大な鳥の魔物へと変貌する。


「私が運びましょう。」


鋭い爪がアレンの肩を掴み、次の瞬間、地面が遠ざかった。


「場所は――」


「分かっていますよ。」


風を切り裂くような速度で、二人は空を駆けた。


やがて、質素な家の前へ降り立つ。


「随分と簡素な住まいですねぇ。」


「スミレは――」


「アレン!!」


背後から、息を切らした声が響く。


振り返ると、スミレが駆け寄ってきていた。


「物凄い速さで飛ぶ何かを見て、慌てて戻ってきたんだけど……なに、これ……」


「落ち着いて聞いてくれ。」


アレンは一度、深く息を吸う。


「確証はない。でも……ダイチくんの行方が、分かったかもしれない。」


「……ほんと!? どこにいるの!!?」


「ダンジュル研究所。そして――」


言葉が、喉に引っかかる。


「明日、処分されるらしい。」


その瞬間、スミレの表情は、音を立てて崩れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ