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RoughJewel ──ラフジュエル──  作者: norn
第四章 〜過去〜 【キャラ別セリフ変動あり】

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引き留めてくれたのは 【シェナ√】

 


 ふいに、シェナに肩を引き寄せられた。

 彼の腕が背中に回り、そこでようやく、自分が抱きしめられていることに気が付いた。

 彼の胸に当たった頬から、体温と鼓動を感じる。


「シェ…ナ……?」


 溢れ出る涙が彼の服を濡らしてしまう。

 離れなくてはいけないのに、突き放すことなんて到底できはしなかった。


「俺は別に、あんたが平凡だから一緒にいるんじゃねぇ。あんたが、あんただから、人間だろうと獣人だろうと関係ねぇと思えてんだ。あんたは俺が獣人だから一緒にいんのか?」


 それは違う! と首を振ると、彼は満足そうに笑った。


「だろ? あんたが何者でも関係ねぇ。人間だろうと魔族だろうと、魔物だろうとな! 俺はあんただから信じてもいいと思えたんだ。だから俺は、最期までベリルという人間を、魂を信じる。他の誰にも、お前を否定させない。もしそんな奴がいるのなら、俺が噛み殺してやる。……だから安心して、お前が背負ってるもの、全部吐き出せよ。全部、俺が受け止めてやるから」


「……っ」


(シェナは……私を信じてくれてる……)


「……ふふ、シェナに言いたいことを全部持っていかれてしまったね」


「フッ、まったくだな」


「つーか何しれっと抱きしめてくれちゃってんの? 返してオレのリルちゃん!!」


「別にテメェのじゃねぇだろ」


 そう言いながらも、彼の腕の中からふわりと解放された。


「ふふ、ですがおかげでベリルさんの涙は止まりましたね」


 言われて気づいた。

 さっきまで溢れていた涙が止まっている。


「シェナに全部言われてしまったけれど、僕たちも同じように君を想っているよ。だから───君が抱えているものを、僕たちにも分けてくれないかな?」



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