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RoughJewel ──ラフジュエル──  作者: norn
第四章 〜過去〜 【キャラ別セリフ変動あり】

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引き留めてくれたのは 【セシアン√】

 


 ふいに、セシアンに肩を引き寄せられた。

 彼の腕が背中に回り、そこでようやく、自分が抱きしめられていることに気が付いた。

 彼の胸に当たった頬から、体温と鼓動を感じる。


「セ、シ…アン……?」


 溢れ出る涙が彼の服を濡らしてしまう。

 離れなくてはいけないのに、突き放すことなんて到底できはしなかった。


「……オレにはさ、リルちゃんがなんで泣いてるのかも、なんで平凡でありたいのかも、よく分からない。でもさ、何も知らなくても、これだけは言えるよ。リルちゃんがこんな風に泣いて、我慢して、傷付いて────その先に得られる平凡って一体なんなんだろ、って。そんな平凡なんか捨てちゃえよ、って」


「そ、れは……っ」


「うん、()()()()()()から言えることだよね。それも分かってるよ。でもさ、だったらオレにも教えてよ。キミが抱えてるものを。なんでキミが、平凡に囚われているのかを。───じゃないと、オレも一緒に背負えないじゃん?」


「え────」


 見上げると、そこにはセシアンの笑顔があった。


「……ふふ、セシアンに言いたいことを全部持っていかれてしまったね」


「……貴様と同意見になるとはな。というかいつまで引っ付いているつもりだ。いい加減離れろ」


「えー」


 彼の腕の中からふわりと解放された。


「ふふ、まぁまぁ、いいではありませんか。彼女の涙を止めてくださったわけですし」


 言われて気づいた。

 さっきまで溢れていた涙が止まっている。


「だな。珍しくいい働きすんじゃねぇかお前」


「珍しくは余計じゃない?」


「セシアンに全部言われてしまったけれど、僕たちも同じように君を想っているよ。だから───君が抱えているものを、僕たちにも分けてくれないかな?」



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