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RoughJewel ──ラフジュエル──  作者: norn
第三章 〜休暇〜

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海上都市 シーラ

 


 ───────────────────


 ついに、学園は長期休暇を迎えた。

 同時に、私たちはシーラへと立つ。

 シーラへは最短でも馬車で3日はかかる。

 途中の街で2泊し、ようやくシーラへと到着した。


 馬車を降りるとすぐに潮の香りが鼻をくすぐった。


「わ……」


 目の前に広がるのはきめ細かい白い砂浜と、空の色を映したような鮮やかな青。

 海はうねるたび、波頭を白く(きら)めかせた。


「んーーっ着いた〜! 海きれー!」


「ここはいつ来ても変わらず美しいね」


「ええ。無事到着できてよかったです。魔物の動きが活発になっているとの情報だったので警戒していましたが、道中何事もなく杞憂でしたね」


「まさか1匹も出くわさないとはな。我々への依頼は魔物の討伐なんだろう?」


「つー話だけどな」


 シェナはクァ〜っと欠伸をしながら身体を伸ばす。

 全員が乗れるほどの大きな馬車に揺られて来たが、私たちの中で一番背の高いシェナにとっては、馬車の中は窮屈だったに違いない。


「とりあえず、まずはギルドに寄って話を聞いてみようか。依頼の詳細はそこで、という話だったしね」


「そうですね」



 ───────────────────



 ギルドへと向かう途中で見たシーラの街は、話に聞いていた通りとても賑やかで活気に溢れていた。

 とても魔物の影響が出ているとは思えない。

 私たちは歩きながらキョロキョロと街を見回していた。


「なんか、拍子抜けっつーか……。や、平和なのはいい事なんだけどさ。理事長の話的に、てっきりもっと被害が出てるもんだと……」


「ふーん? 俺、こういう観光地に来んの初めてで分かんねぇんだけど……お前らは貴族なんだし、シーラにはよく来るんだろ? 普段と比べてどうなんだ? 森の様子とか街の様子とか……変わってねぇのか?」


「いやいや、貴族っつってもシーラ(ここ)に頻繁に通えるのは上級貴族くらいだろ。ウチは伯爵家だし、経済的にすっごく余裕あるってわけじゃねーから、シーラに来たのも数年ぶり」


「へぇ、そんなもんなんだな」


「ラルドの家は侯爵だったよな。長期休暇はこっちで過ごすの?」


「俺以外の家の者はよく滞在しているようだが、俺は基本長期休暇も学園の研究室で作業をしている」


「え、そうだったの? 全然知らなかったわ〜。オレも長期休暇中帰省してないから会うタイミングありそうなのにな」


「セシアンも何か研究を?」


 ルデンに尋ねられたセシアンは、キョトンとした表情を浮かべた。


「んや? いつも通り女の子たちとデートしてたけど」


「だから会うことなかったんじゃねぇの? ラルドは研究室にこもりきりで、セシアンは外遊び歩いてんだし」


(インドア派とアウトドア派……)


「確かに。会うタイミングはなさそうね」


「あんたは? 長期休暇どうしてんだ?」


「私は一旦帰省するけれど、どこかに出かけたりはあまりしていないわね。家でのんびりしていることが多いわ。あぁでも、寮部屋の掃除もしたいから、例年早めに学園に戻ってて。だから、実はシーラに来るのは初めてなの」


「そうなのですか?」


「ええ。ルデンとレドは? シーラ、初めてではないわよね」


「ああ、だが僕達も休暇ではあまり。シーラへは視察が多かったかな」


「ええ、当時と賑わい方は変わっていないように思うのですが……」


「うーん、僕も同意見だけど……。物資等の被害は出ていないのかな?」


「っと、なぁなぁギルドってあそこかな? あのでっかい門がある建物!」


「あぁ、本当だ。ここで間違いないよ」



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