帰還
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瞬きを数回繰り返すと、真っ白だった世界が色を取り戻す。
まだ少し頭がぼーっとする中、辺りを見回すと、そこは見慣れた景色だった。
ルデンが頭を押さえながらフラフラと立ち上がる。
「ここは……学園……?」
レドも数秒指で眉間を押さえていたが、すぐに順応したようで、冷静な声音で答えた。
「……ええ、時計塔の前のようですが……」
「無事に元の世界に帰れた、ということか?」
「どうなってんの……? まさか全部夢だった、なんてことないよね……?」
「だとしたら全員で同じ夢を見ていたことになるぞ」
「夢じゃないわ……。だってこの人たち───」
私たちの近くで倒れている人たちが十数人。
おそらく私たちと一緒に解放された、過去に魔術邸を訪れた者たちなのだろう。
「こんなにいたんだね……」
近寄って確認したところ、気を失っているだけで、皆生きているようだ。
「───おや、君たち……今帰りかい?」
背後から、のほほんとした覚えのある声がして、全員でバッと振り返る。
「今帰りかい?(イケボ) じゃ、ねぇんだわ!!!」
「同感だ」
「あぁ! こっちは危うく死ぬところだったんだぞ!!」
「放任主義、にしては行き過ぎていると思いますが? そもそも、王家の人間の行方が分からなくなった時点で、王国軍に捜索隊を派遣すべきで────」
セシアン、ラルド、シェナ、レドに息をつく間もなく責め立てられ、ゲルドは両手を見せ彼らを宥めた。
「ちょ、ちょっと待ちなさい。一体どうしたっていうんだい? というか、ここに倒れている方々は一体誰だ。何があったんだ?」
困惑の表情を浮かべたゲルド理事長に尋ねられ、ルデンが事の経緯を語った。
「───というわけで。私たちは15日間、依頼にあった旧魔術邸に閉じ込められていたのです」
「……待った、15日? 何を馬鹿なことを……。君たちが学園を出発してから、まだ1日もかかっていないじゃないか。それに、今回の依頼について説明したのはつい昨日のことだぞ?」
「「「……は?」」」
一同、声を揃えて間の抜けた声を発してしまう。
顔を見合せ困惑する私たち。
そんな私たちの様子を見たゲルドは、にわかには信じ難いといった表情を浮かべていたものの、その表情は次第に真剣なものに変わっていった。
「…………。君たちの表情を見るに、狐に抓まれた、というわけでもなさそうだな……。詳しい事情を話してくれ。……と、その前にこちらの方々を医療班に渡してからだな」
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改めて、私たちは理事長に屋敷で起こった全てを説明した。
先程と同様に、初めは信じられないというような表情を浮かべていたゲルドだったが、事情を話し終わる頃には、私たちと共に真剣な面持ちで今後の調査の方針を考えていた。
そう、この事件はまだ終わっていないからだ。
真に裁かれるべき人物が、まだ残っている。
バーベナに着せられた罪を晴らすこと。
正しい歴史を残すこと。
それがバーベナの、最期の頼みだったから。
皆、ここまで付き合ったのだから最後まで付き合ってやる、と───。




