事前準備
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翌日から、魔術道具起動のための作業が始まった。
魔法陣の転写、そして魔術詠唱に必要な詠唱式の理解を深めるため、書斎で一日を過ごす。
魔法陣や魔術詠唱は、主に魔術学園で扱う技のため、魔法使いを育成する我らが魔導学園ではあまり扱う機会がない。しかし、皆ダイヤ生に選ばれるだけあって、何とか形にはなりそうだった。
まぁ、それでも丸二日かかってしまったのだけれど。
「皆さん、お疲れ様です。今ハーブティーをお入れしますね」
「あー…………疲れた」
シェナが息を吐きながらソファーにもたれ掛かる。
さすがのルデンもネクタイを緩め、凝り固まった首を解している。
「なかなかの術式だったね。旧式の魔術は複雑で、思っていたより時間がかかってしまったな。その点、ラルドはさすがだね。いち早く術式を解読しマスターしていた」
「……いや、元より他の者より魔術に覚えがあっただけだ。それより………………」
(……? ラルドが何か言いたげにこちらを見ているような……あ、目を逸らされたわ。どうかしたのかしら……)
「いや〜ホント難しかったなー。早く実践しないと忘れそー」
「皆疲レテル。デモ、オ前一番元気。不思議」
「オレ? ま、一夜漬け得意だからね! 学園の試験勉強も毎回こんな感じだし」
「それは誇ることではないぞ」
少し休憩した後、皆自然とルデンに注目し次の言葉を待った。
いつも、私たちをまとめてくれるのは彼だから。
「みんな、お疲れ様。おそらく、次の手を考え実行する時間はないだろう。だから、この作戦で必ず明日、成功させよう」
「ええ、そうね」
(ぶっつけ本番にはなってしまうけれど、何回もみんなでシミュレートしたから、理論上は可能なはず。蝕竜の動き次第なところが心配ではあるけれど……)
「湖までの道に罠を仕掛けるとして……どうやって奴を誘き寄せる?」
シェナの言葉に、ラルドは腕を組み目を伏せた。
「確かに、明日運良く湖の水を飲みに来るとは限らないからな。上手く誘導できればいいが」
「あ、それなんだけど、オレらに良い考えがあるんだよねぇ♪ な、レド!」
「ええ。蝕竜の誘導はお任せください」
「コイツの考えだけじゃアレだが、レドが言うなら……まぁ、まともな案なんだろう」
「おい」
「自信があるようだから二人に任せるけれど……大丈夫かい?」
「えぇールデンまで? まぁ任せてって。あ、そうそう。これはお前ら使い魔ズの働きが重要になってくるからな〜?」
突然話を振られた使い魔2匹はキョトンと首を傾げている。
あぁ、キョトンと……と言っても表情に変化は無いので雰囲気なのだけれど。
「我ラ?」
「そーだぞ〜。この作戦は優秀な使い魔じゃないとダメだからなぁ。その点、お前らは利口で? かっこよくて? あー……あとは……あ、めちゃくちゃ博識で? ま、とにかくお前ら優秀だから問題ないよなって話!」
「ピンク色ヨク分カッテル! 我ラ優秀! 利口! 我ラ頑張ル!」
『((すごく嫌な予感を感じている))』
紫コウモリは得意げに胸を張って、ご機嫌に翼をパタパタと動かしている。
緑の方は……ガクブルと小刻みに震えていた。
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