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RoughJewel ──ラフジュエル──  作者: norn
第二章 〜仲間〜

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夕食

 


 ───しばらくして。

 皆で厨房へ行くと、ちょうどレドが料理をテーブルに並べているところだった。


「うわっ、美味そー!」


 セシアンの言う通り、料理の見た目はもちろん、野菜のスープとパンの匂いが食欲をそそった。


「流石だな」


 ラルドが言うと、レドは軽く微笑みながら「いえ、」と謙遜した。


「今日は急な話でしたので、簡単なものしか作りませんでしたが」


「いいや、充分だよ。いつも任せきりですまない」


「いえ、ルデン様の従者として当然です」


「ありがとう。シェナについては何か聞いているかい?」


「食事は部屋でとるそうです」


 それを聞いたラルドは自分の分の食事をトレイに移した。


「なら俺も部屋で済ませることにする。食器は自分で下げに行くから気にしないでくれ」


「分かりました。私もこの後厨房の片付けをしますので、皆さんはゆっくり食べていてください」


「え、片付けまで任せきりにするわけにはいかないわ」


 ルデンはともかく、私たちの分まで用意させた上に、さすがに申し訳なさすぎる。

 せめて後片付けくらいはお手伝いしたい。

 セシアンと、そしてルデンまでもが同じように頷いた。


「そーだよ! それくらいならオレらでもできるし!」


「ああ。レドは休んでいてくれ」


「お気遣いありがとうございます。ですが好きでやっていることなので、お気になさらず。私も後で夕食は済ませますから」


 そう言って、一礼したレドは厨房の奥へと入っていった。


「…………」


 小さく息をついたルデンを見て、隣のセシアンが指でちょいちょいと私を呼ぶ。


「(……なぁリルちゃん、殿下すげーしょんぼりしてるように見えるんだけど、オレの気のせい!? 絶対みんなで食べたかったって思ってるよね!? じゃあ俺らも部屋で食べるー?とか言いそうになったけど、言える雰囲気じゃねえ!)」


「(私もそう見えるし、絶対言わないで……)」


 コソッと耳打ちしてきたセシアンに合わせ、私も小声で対応する。


「……二人とも? どうかした?」


「え!? いや、なんでも! ま、まぁ人数少なくなったけど、せっかくだし三人で食べよーぜ! な、リルちゃん!」


「ええ、せっかくレドが綺麗に並べてくれたんだし、ここで食べましょう。ルデンもそうするでしょう?」


「……うん、そうだね。学園の友人と一緒に食事するなんて初めてだから、嬉しいよ」


「わ〜キラッキラの微笑みが眩しい……これが王子か……」


(何言ってるのとつっこみたいところだけれど、これに関しては同感だわ……)


 そんなこんなで、その日の夕食は三人で─────というか、結果を言うと次の日も、またその次の日も食事は三人でとっている。



 食事以外はというと、基本的に皆各々好きなことをしている。

 ルデンとラルドは大体の時間を書斎で過し、レドは厨房で料理をしていたり、セシアンは談話室でのんびりしていることが多い。シェナは日中、外で日向ぼっこ(?)していて、夕方になると何故だか部屋に籠ってしまう。



 ────私たちが屋敷に閉じ込められてから、ついに10日が経とうとしていた。

 その間、もちろん学園の救助も王国軍の救助も来ていない。


 確かに、こちら側には王子であるルデンがいるため、何かあっても助けてもらえると、どこかで期待していた。

 けれど、王国の捜索隊が動くには遅すぎはしないか。

 学園を出てから既に10日。

 あの理事長のことだ、王子が学園に戻っていないことを知ったら、すぐに捜索隊の派遣や王国軍に話を通すはず。

 それなのに、良くも悪くも、この屋敷では何事も起こっていない。

 なにか、外から介入できない問題が起こっているのではないか。

 このまま、救助を待つだけでいいのか。

 そんな不安が日々募っていた。


(それに……私なりに屋敷を調べて、気になることも出てきたし)



 ───────────────────



 そして、今日も何の進展もないまま、夕食を終えた。


「はぁ〜屋敷に閉じ込められてから、これが10回目の夕食か〜。ふつーに快適に過ごせてるから危機感麻痺してきたわ」


 セシアンの言葉に、私とルデンも同意する。


「本当に」


「さすがに捜索隊が到着してもいい頃合いなんだけどね」


「それはオレも思った。まぁ、変な霧も出てるし、苦戦してんのかねぇ」


「(王宮魔導師も動いているはずだから、苦戦は考えにくいんだけどな……)」


 うーん……と何か考えているようなルデンを横目に、セシアンは「そういえば、」と言葉を続けた。


「ココ最近、なーんか変な夢見るんだよなぁ。目覚めると忘れるから、それがすげー気持ち(わり)ぃ〜の」


「あ、それ、私もなのよね。いつもは夢とか見ないのに、この屋敷に来てから夢を見るの」


(しかも肝心な何かを思い出せないのよね……)


「えっ、ニ人もなのかい? 実は僕も同じで……」


「え……それって────」


 セシアンが言いかけたタイミングで、レドがトレイワゴンを押しながらやってきた。


「皆さん、お皿お下げしますね」


「あぁレド、ありがとう」


「いつもありがとう。私たちの分まで、ごめんなさい」


「今日も超美味しかったよー!」


「ふふ、お口にあったようで何よりです。ところで───どなたかシェナさんに夕食を持って行って頂けませんか? 食事は出来上がったのですが、片付けの方のキリが悪くて……」


「なら、私が行くわ」


 今日はこの後、ちょうど自室に戻ろうと思っていたため、ついでに立候補してみた。


「あ、じゃあオレもついて行こーっと!」


「ベリルさん、セシアンさん、ありがとうございます。ではお二人にお願いいたしますね」


「それなら僕はレドの片付けを手伝ってから談話室に戻るよ」


「おっけー、んじゃまたあとで〜」



 ───────────────




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