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RoughJewel ──ラフジュエル──  作者: norn
第二章 〜仲間〜

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屋敷に戻って


※次回エピソードで選択肢の分岐があります。

会話の内容が変化するため、目次から好きな選択肢のシナリオに飛んでください。

なお、選択肢が分岐する場合、後書きの方に選択肢を記入します。



 

 ───────────────────


 屋敷へと戻り、談話室の中の、地下へ続く階段を降りる。

 そして書斎を抜け、例の部屋の扉の前に立つ。

 セシアンがハァ……と重いため息をついた。


「んで、戻ってきたわけだけどー。この部屋は相変わらず不気味、と」


「こんな隠し部屋、よく見つけましたね」


 辺りを見回すレドが感心したように言う。


「ここもそうだが、まず地下への階段も隠されていたからな。結局あれはどういう仕掛けだったのか」


「オレの方見て言われてもさぁ、オレ触ってないからね!? 勝手に本棚が下に下がっていって、階段が現れたんだよ」


 ふむ……とレドが口元に手をやる。


「魔法や魔術で隠されていたのですか?」


「いや、あれはどちらでもないと思う。カラクリの類に近かった」


 ルデンが言うと、それに続いてシェナが言葉を続けた。


「そういや、井戸の底でレバー引いた時、屋敷の方で音がしてたよな」


「ああ、そういえば。もしかしたらそのレバーと連動していたのかもしれませんね。どちらにせよ仕組みは分かりませんが……。それで、この部屋も他の部屋と同様に変化はあるのでしょうか?」


「いや……特には。元々この部屋は荒廃していなかったんだ」


「あ〜! 確かにそーだったな〜」


「この部屋に置かれている魔導具はどれも貴重な物のようですが、古い魔導具ばかりですね。……そしてこれが例の残されたメモ、ですか」


 レドは机の上の紙を手に取り、内容を読み上げた。


「〝屋敷は一方通行、入った者は出られないようになっている。屋敷が揺れ、扉が閉まる前に立ち去れ。でないと、この時空に取り残され元の時空に帰れない。謎を解け、この屋敷は生きている〟……と」


「つってもよく分かんねーよなぁ」


(本当に……。メモを残すならもう少し分かりやすく書いてほしいのだけど……。残してくれただけでも感謝すべきかしら)


「時空に取り残されるとは、あの森のループと何か関係があるのでしょうか……」


「あと気になることと言えば───あの謎の声かな」


 ルデンに同意するように、ラルドとセシアンも眉をひそめながら頷いた。


「ああ。あの脳内に直接流れてくるようなあれは不快極まりなかった」


「あの声もなんか色々言ってたよな。捕らえた〜謎を解く者〜だの、奴らを裁く者〜だの、主の無念を晴らす者〜だの?」


「そういえば……あの声も言っていたな、〝謎を解け〟と」


 屋内探索組の言葉に、シェナがストップをかける。


「待て。捕らえた、だと? じゃあ俺らを閉じ込めた誰かがいるってことか?」


 その問いに対しルデンが「おそらく」と頷くと、レドがはっと顔を上げた。


「そういえば……我々が気を失う直前、大規模な魔術の発動を感じました。何者かの魔法、または魔術で森から出られなくなったのかもしれませんね」


「あの霧も明らかにおかしいしなー。あ、シェナが確認して城が見えなかったのって、その霧のせいじゃない? 座標はヘリオドールの魔獣の森なわけだし、さすがに屋敷ごと転移したってわけじゃねーだろ〜。遠くの方は霧がかってて見えなかったとか!」


 パチンっと指を鳴らしシェナを見るセシアン。

 シェナは眉間に皺を寄せながら首を捻った。


「まぁそれなら城が見えないことにも納得はいくが……」


「正直、謎を解け〜とか言われても、意味わかんねーよなぁ。確かにそのメモの内容は気になるけどさ、最悪オレらが長く戻らなかったら理事長も不審に思って捜しに来てくれるっしょ? それにこっちには殿下もいんだぜー? 殿下が行方不明!とかになったら、優秀な王国軍や宮廷魔導師が捜索すんだろ〜よ。だからしばらく食い繋げれば大丈夫なんじゃねーの? 2階には人数分の客室があるみてーだし?」


「まぁ、闇雲に謎とやらに振り回されるより、大人しく救助を待った方が利口だな」


「…………」


 ルデンは眉を下げ押し黙った。

 ラルドの言うことも納得は出来る。けれど……。


(ルデンは……納得していないようね。私も納得できていない。本当に救助を待つだけでいいの?)


 そう思っている間にも、皆救助を待つという方向で話が進んでいく。


「厨房に調理道具があれば食材は森で取れますし、問題ないかと」


「じゃー早く確認しよーぜ〜。ついでになんか食えるもんねーかな〜、腹減ったわ〜」


「こんな状況でよく腹が減るな」


 ラルドがゲンナリとした顔で言うと、セシアンはムッと頬を膨らませた。


「腹が減るのは生理現象だからしょうがねーの。昼食ってないからさっきからお腹鳴りそうでさ〜、危なかったわー」


「……!? い、今何時だ!!」


 突然、ガバッと顔を上げたシェナが、時間を確認したいのかキョロキョロと忙しなく辺りを見回す。


「うわっびっくりした!? はぁー、だから急に大声出すなって! つーかこの部屋時計ねぇから分かんねーよ?」


「正確な時間は分かりませんが、もうすぐ夕方になる頃合でしょうか」


「!!!!」


「なになに〜? まーたシンデレラやるの? 残念ながら帰れねぇけど♪」


「…………俺は先に休む。客室は一番端の部屋を使う。……いいか、何があっても誰も部屋に入ってくるなよ」


「え、なに、怖いんですけど。なんなの?フリなの?」


「フリじゃねぇ。入ってきたらその喉元食いちぎって殺すからな」


「わ〜、すげぇ物騒〜」


 そう言ってシェナは本当に部屋を出て行った。

 尋常じゃない彼の様子に皆少し戸惑っていると、しん……となった部屋で最初に沈黙を破ったのはレドだった。


「ひとまず私たちも談話室へ戻りましょうか」


 彼の提案に、セシアンもうんうんと賛同する。


「そーしよそーしよ」


 皆が部屋を出ていく中、ルデンは何か思うところがあるのかその場で立ち尽くしていた。


「…………」


「殿下?」


 ラルドが声をかけると、ルデンはハッと意識を現実に戻した。


「あ、あぁ。そう、だね……」


 彼は曖昧な返事をしつつ、地下の部屋を後にするのだった。




 ───────────────────



 時刻は夜に近い夕方くらいだろうか。すでに日が沈みかけている。

 談話室で灯りを準備していると、レドが厨房の探索を終え、談話室へと戻ってきた。


「戻りました」


「おっかえり〜! どーだった? 調理道具あった!?」


「ええ、問題なく。それと、食材も潤沢に」


 意外な成果に驚くと同時に、ルデンとラルドは眉をひそめた。


「食材? ここに?」


「木の実などの保存食があったということか?」


「それが不思議な事に……野菜や果物、肉や魚まで食料庫に揃っていたんです」


 さすがのセシアンも、怪訝そうな表情を浮かべた。


「それ……食えるの? 腐ってない? 特に肉と魚……」


「食料庫に魔術が施されているようで、中の食材は鮮度が保たれているようです。魔法で確認しましたが、毒などはありませんでした」


「……食料庫に魔術が施されてる?」


 つい、私も聞き返してしまう。


(おかしいわね……ならなんであの時、その食料庫は私の探知(サーチ)に引っかからなかったのかしら……)


 屋敷に入った時にこっそり使っていた周囲の状況を知る探知魔法。

 こんな大掛かりな魔術がかかった部屋があれば、すぐに探知できるはずなのだが……。


 レドは胸に手を当て、改めて皆に向き合った。


「では私は夕食の準備をして参ります。出来上がり次第お呼び致しますので、皆さんは休んでいてください」


(あ、手伝うことはあるか聞こうと思ったのだけど……もう行ってしまったわ)


「なら俺は書斎で魔導書を調べてくる」


 ラルドも返事を待たずに地下の書斎へと降りて行ってしまった。


「んー俺はこのままここでダラダラしてよーかな」


「なら……僕はもう少し下の部屋を調べてみようかな。何かあれば呼んでほしい」


 そう言うと、皆各々の時間を過ごし始める。


(……私はどうしよう?)







【選択肢】

地下の部屋に行く (ルデン)

厨房に行く (レド)

談話室に残る (セシアン)

書斎に行く (ラルド)

客室へ行く (シェナ)





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