Select2:外 (レド・シェナ)
【選択肢】
▶︎外 (レド・シェナ)
※共通ルートシナリオも少しだけ入ってます。
(人数的に、私は外の方が良さそうね)
「じゃあ外で。いいかしら?」
「もちろん。よろしくお願いします、ベリルさん」
「…………好きにしろ」
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※
チームを分けたところで、ルデンが場を切り替えるようにパンッと手を叩いた。
「よし、それじゃあそれぞれ作業に入ろうか」
「はい。外の周辺調査が終わり次第、一度そちらと合流しますね。何かあればお呼びください、ルデン様」
レドがルデンに一礼すると、ルデンも「ああ」と頷いた。
「よろしく頼むよ」
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ルデンたちと分かれた私たちは、まず最初に庭の方を見て回ることにした。
「……チッ、枝が邪魔だ、鬱陶しい」
そう言いながら、シェナは道を塞ぐ枝や草を風魔法を使い斬っていく。
彼が先陣を切ってくれているおかげで、後ろを着いて歩くレドと私は、比較的楽に進むことができた。
「葉や枝で肌を傷付けないよう、気をつけてくださいね」
レドも度々後ろを振り返り、私を気にかけてくれている。
「ええ、ありがとう。シェナのおかげで随分歩きやすいわ」
「別に、あんたらの為にやったわけじゃねぇ」
「けれど歩きやすくなったのは事実ですよ。屋敷の周りは木々が切り開かれていると言っても、庭とは名ばかりで、ここも森の一部のようになっていますし」
「……ふん、そうかよ」
庭を少し歩くと、古い井戸を発見した。
結構深く掘られた井戸のようだが、長く使われていなかったせいだろうか、中の水は随分昔に枯れてしまっているようだ。
「梯子か何かないと井戸の底は調べられませんね」
確かに、と思いながら一応井戸の底を覗いてみる。
「ん……?」
井戸の底を覗き、目を凝らす。
そして、思わず首を傾げる。
底付近の壁面に、何故かレバーのようなものがつけられているからだ。
「何故底にレバー?」
あ、「底」と「そこ」をかけたみたいになったわね!
…………………………なんでもないわ。
「本当ですね……。あのレバーは気になるところですが、今は確認できませんね」
「そうね……飛び降りるには高すぎるわね」
「俺が行く」
そう言って、シェナは井戸の縁に足をかける。
「えっ、ま、待って!? 聞いていた? 高すぎるね、って話! 足がジーンってなるだけじゃ絶対済まないわ!」
「俺は獣人だ。あんたら人間みたいにヤワじゃない」
(た、確かに獣人族は人間よりも丈夫だという話だけど……)
「着地できたとして、帰りはどうするの? ……浮遊魔法が使える、とか?」
「浮遊魔法なんか使えるわけねぇだろーが。あれはもともと魔族の魔法だろ」
(ですよねー……)
全ての人間が浮遊魔法を使えるわけではない。
それに、彼が言ったように、浮遊魔法とは本来魔族が得意とする魔法なのだ。
もし彼が浮遊魔法を扱えたとしても、人間や獣人族である限り、魔族と同じレベルで扱うのは難しいだろう。
現に私も、浮遊魔法で身体を浮かせることはできても、せいぜい1メートル浮くのが限界だし、長時間は使えない。
「そんなのなくたって大した深さじゃないんだ、地面と壁があれば蹴って登れる。とにかく、レバーを引いて戻れればいいんだろ」
「……いずれあのレバーは確認しなければなりませんが、ここは旧魔術邸です。どんな仕掛けが施されているか分かりませんし、ここは慎重に行動するべきかと。万が一、井戸の底が抜け落ちたらどうするのですか?」
風魔法で身体を浮かせることもできなくはないが、そもそも魔法には詠唱が必要なのだ。
魔法を起動させる前に落ちてしまうだろう。
いくら魔法が使えるからとは言っても、危険なことには変わりはないのだ。
「……チッ、なら壁を掴んでおく。それならその万が一が起きても登攀できるだろ」
「え、できるの?」
「? 垂直登攀くらい誰でもできるだろ」
「誰でもはできないと思う……」
「とにかく、ここでダラダラ悩んでたら、日暮れまでに戻れねぇ。(……夜になったら、俺は────)」
シェナは最後に何かボソッと呟いたが、上手く聞き取れなかった。
(シェナ……なんだか焦っているみたい?)
頑なに井戸の底に降りるつもりでいるシェナに対し、レドは少し悩んだ素振りを見せたあと、小さく息を吐いた。
「…………分かりました。万が一の時は我々もサポートします」
それを聞くなり、シェナは躊躇いもせず井戸の中へと飛び降りた。
タンッという気持ちのいい音が井戸の中で反響する。
(着地、できたみたいね……)
「レバー、引くぞ」
「お願いします」
シェナがレバーを引く。
すると、屋敷の方で小さくゴゴゴゴと重量感のある何かが動くような音がした。
しかしそれだけで、この場にこれといった変化は起きなかった。
「とりあえず井戸底が抜けなくて良かったわ」
「そうですね。シェナさん、戻れますか?」
シェナは地面を蹴り飛び上がると、壁を伝い軽々と上がってきた。
「すごい身体能力ね……」
「……ふん」
井戸を調べ終えた私たちは、屋敷裏にあった物置小屋も探索した。
けれどそちらも、中にあったのはただの庭用の手入れ道具ばかりで、めぼしい物はなかった。
「そもそも、貴重品は外に置かないわよね」
「…………」
「そうですね......一旦、屋敷の皆さんと合流を────」
───その瞬間、屋敷全体がゴゴゴゴと大きな音を立てながら揺れだした。
加えて、地面も小さく小刻みに振動しているような気がする。
「……っ、なんだ!」
「っ、分かりません、急ぎルデン様と合流しましょう!」
私たちは駆け足で屋敷の表入口へと向かった。
「っ、ルデン様ッ!!」
レドが先行し屋敷の中へと入る。
彼が勢いよく扉を開けたせいか、入口付近で埃が舞い、屋敷の中へ入ろうとすると同時にシェナと共に咳き込む。
「ッゲホ、ゴホッ! おい、後ろのこと考えろ───て、聞いちゃいねぇ」
昼だというのに廊下はかなり暗く、奥まで光が届いていない。
「ルデン様! どこにいらっしゃいますか!?」
暗い廊下の奥から、ドタドタと複数の人間の足音が近づいてくる。
「っ……レド!」
「ルデン様! ご無事ですか!?」
「レド! みんな! 早くこの屋敷から出るんだッ!!」
ルデンも、その後ろのセシアンとラルドも、焦ったような表情で走ってくる。
「おい、どうした───」
─────バタン。
背後で扉の閉まる音がする。
「あ? なんで勝手に閉まって……」
ただ、入口の扉が閉まっただけ。
扉なのだから、閉まって何ら不思議じゃない。
それなのに、彼らはどうしてそんなに絶望した表情をしているのだろうか?
そんな疑問を口にする暇もなく、屋敷全体がぐらりと大きく揺れだした。
(な……っ、地震!?)
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※
その揺れは徐々に大きくなっていき、立っていられなくなる。
(早く……外に出ないと……)
『───時空構成、実行完了。転送者、6名』
どうしてだろうか。
視界がぐわんぐわんと歪み、次第に白くなっていく。
意識が朦朧としながら手探りで入口扉に手をかける。
けれど、その扉が開くことはなかった───。
レド・シェナ 好感度+10




