【レド5ー9‘ BADEND√】人形
レドルート 【BADEND】
条件:レドの好感度が50以下であること。
【BE√】
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───私の血を、彼に飲ませれば……彼は、助かるかもしれない。
(……かもしれない、じゃない! 助けるの! 絶対───レドは死なせない!)
「私は────貴方と共に、生きていきたいから!」
私は首元を緩め、上着を肩まで脱ぐ。
顕になった首元を、机の上に置いてあった果物ナイフで少し切る。
「……っ」
首に触れるとヌメっとした感触が手についた。
(よし……ちゃんと切れたみたい)
そのまま、彼を抱き寄せ私の首に近付ける。
「レド、噛んで……!」
「……っ」
血の匂いを嗅ぎ取ったレドは、朦朧とする意識の中、血を欲する吸血鬼の本能のままに、私の首に牙を突き立てた。
───その瞬間、じくりとした痛みが首に広がった。
「……っ、ぁ…………」
レドが噛んだ箇所が、熱を持ったようだった。
彼は私を床に押し倒すと、更に深く牙を刺し、容赦なく血を吸い上げていく。
「……っ、レ…………ド………………」
(よかっ……た…………これで、元気に────)
────ドクン、と心臓が音を立てた。
ぐらりと歪む視界と、どうしようもない恐怖が私を襲う。
正気が保っていられなくなるような感覚が、波のように押し寄せてくる。
(な……に────)
「……ぁ…………アァ……ァ……」
私の意識は、闇の中へと沈んでいった────。
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《Sideレド》
「…………ぅ……」
床に倒れていた私は、ゆっくりと目を開けた。
(生きてる……のか……)
先程の賊との戦闘で、かなり多くの傷を負ったはず。
正直、今回は助からない可能性の方が高かった。
(致命傷を逸れた……のか?)
かろうじて賊を始末してから家まで戻って、扉をくぐった辺りで力尽きた……そこまでは覚えている。
鉛のような重さを想像しながら身を起こそうとするが、びっくりするくらい身体が軽い。
それに────。
(口の中が、甘い……)
この味には覚えがあった。
(これは、ベリルさんの血の味────)
身体を起こし振り返ると、床に倒れたベリルの姿が視界に入った。
「……ッベリルさん!!」
ぐったりと倒れたベリルを抱き上げる。
彼女の首元は血だらけで、首筋には切り傷と、二つの牙の跡が残っていた───。
「……っ!?!」
まさか──────。
「ベリルさん! ベリルさん!! 目を開けてください!!」
彼女の身体を揺すると、彼女はゆっくりと目を開けた。
「! ベリルさ─────」
「…………」
───ベリルの目に、光はなかった。
名前を呼んでも、想いを告げても、キスをしても─────。
彼女の自我は、もう……ここにはなかった。
「……っそん……な…………わたしは…………あなたを…………眷属に………………」
心がなくなり、ただ、命じるままに動く人形。
彼女は血を差し出すため、自らの身体を私に委ねた─────。
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────数年後。
ヘリオドールを出てから、随分長い時間が経った。
「ベリルさん、今日はいいお天気ですね」
「…………」
「せっかくですし、森へ散歩に行きましょうか」
「…………」
ベリルを抱き上げて、家を出る。
「今年も花壇の花が美しく咲いてくれましたね」
「…………」
「ふふ、ベリルさんもそう思いますか?」
自分の腕の中で笑う彼女を優しく包み込む。
「…………」
表情を失った彼女の頬を優しく撫でる。
「ベリルさん……私に血を、くださいますか?」
「…………」
「……」
ベリルの白く透き通った肌に牙を刺す。
「……ん…………」
吸血時だけ……彼女の声を聞くことができる。
彼女の可愛らしい声をもっと聞きたくて、いつも必要以上に牙を立ててしまう。
「ベリル……」
感情をなくした私の最愛の人形にキスをする。
「貴女は……私だけの眷属。私が永遠に、貴女をお守りします───」
甘く流れる蜜を吸いながら、再び彼女を抱きしめた。永遠の愛を、誓いながら────。
【BADEND / 人形】
〆




