表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RoughJewel ──ラフジュエル──  作者: norn
〜第五章〜 レド√

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/147

【レド5ー9 HAPPYEND√】血の契約


レドルート 【HAPPYEND】


条件:レドの好感度が50以上であること。



 

【HE√】

 ───────────────────



 ───私の血を、彼に飲ませれば……!


 私は机に置いてあった果物ナイフで、腕に深めの切り傷を作る。


「……っ」


 その痛みなど、今はどうだっていい。

 私は自分の血を自らの口で吸い上げると、そのまま彼の口まで持っていく。

 口移しで、彼に自分の血を飲ませた。それを、何度も繰り返す。


「……っ……はぁ……はぁ…………もう一度…………」


 もう一度、口に含んだ血をレドへ移そうとすると────。


「……んっ…………んんっ……!」


 急に意識を取り戻したレドに押し倒され、深く口付けられる。

 口の中にあった血がなくなっても、彼は私の舌を絡めとり続けた。

 しばらくすると、レドの熱を帯びた瞳と視線が交わる。


「ベリル……さん…………」


 唇を解放された私だが、身体の力が抜けてしまい動くことができなかった。


「もっと……いただけますか───?」


 私は肩で息をしながらも、コクリと頷く。

 レドは私を抱き上げると、そのままベッドに下ろし、再び深く口付ける。

 その間に、彼は私の首筋にナイフで少し切り傷をつけた。

 レドにキスされていたため、ナイフで切られた痛みはまるで感じなかった。

 彼は私の首に頬を寄せると、チュッとリップ音を立てた。

 彼に傷口を舐められ、思わず声が出てしまう。

 必死で耐えていると、その様子にクスッと笑った彼は触れるだけのキスを落とした。


「貴女の血は……とても甘い」


 私には、その血の甘さは分からないはずなのに……彼が私にキスをするたび、その甘さを感じることができた気がした────。




 ───────────────────



 ─────チュンチュン、と鳥のさえずる声が聞こえる。

 重い瞼を開けると、窓から射し込む朝日に目が霞んだ。


「レ……ド…………」


 ベッドから起きるが、身体が鉛のように重い。

 力も上手く入らないため、立つことができなかった。

 レドの姿がないことに不安を感じ、涙が出そうになる。

 堪えた涙が溢れ出そうになった時───部屋の入口が開いた。


「……ベリルさん! 目が覚めたのですね」


 近付いてくるレドに抱きつきたいのに、本当に……足に力が入らない。

 心做しか身体の至るところが痛い気もする。


「あぁ、まだ動かないでください。治癒魔法はかけましたが、恐らくまだ体内の血液が足りていないので……」


「あ……そっか。私、気絶してしまって───」


 夜のことを思い出し、頬が熱くなる。


「昨夜は無茶をさせてしまい申し訳ありません。ありがとうございます、貴女の血に救われました」


「いいえ……貴方こそ、身体は大丈夫なの?」


「ええ、もう大丈夫です。吸血鬼の再生速度は人間よりも早いので、この通り」


 昨夜、一体何があったのか。その詳細をレドから聞き、驚いた。

 まさか、追っ手を一人で片付けてしまうなんて───。


「けれどよかった……これで、一緒に帰れるわね」


「…………」


「レド……?」


「私は……貴方が好きだ」


「……っ!」


 レドの想いを聞いて、胸が高鳴った。

 彼も、私と同じ気持ちでいてくれているなんて、と。


「レド……私も────」


「けれど───」


 レドは、私の言葉を遮った。


「私が貴女のそばにいては……また貴女を危険な目に合わせてしまう。昨夜襲撃してきた敵は全員始末しましたが、私がまだ生きていることを知れば、あちらはまた追っ手を出すでしょう。昨日のように、貴女までターゲットにされ狙われる可能性が高い。だから……」


 私は、自分の唇でレドの口を塞いだ。


「……っ!」


 ゆっくりと唇を離してから、彼の赤い瞳と視線を合わせた。


「なら……貴方がずっと、そばで私を守って。私は───貴方と共に、生きていきたい」


「……っ……私の手は、汚れすぎている。貴女の純白を、汚したくないのです……。私は……貴女と共に生きる幸せを得る資格が、ありません……」


 泣きそうな表情で苦しそうに顔を歪めるレド。そんな彼の表情に私も胸が締め付けられた。

 私は彼の両手を自身の両手で包み込み、その温もりを感じながら優しく微笑んだ。


「……その手がどんなに汚れてしまっていたとしても、私のことを愛してほしい。貴方が犯してきた罪は消えないかもしれないけれど、それでも───どんな罪も、私が一緒に背負うわ」


「……っ」


 レドの頬を、涙がつたう。

 俯く彼に、私は優しい声音で問いかける。


「───貴方は、どうしたいの?」


 レドは涙を流しながら、それでも、私の目をしっかりと見て答えた。


「私……は────貴女と共に生きていきたい。私は……暗殺者としてではなく───貴女たちの知る〝レド〟として、日向の道を生きていくことを選びたい……」


 彼の本心を聞いて、笑みがこぼれた。


「貴女を愛することを……許していただけますか……? 貴女と歩む世界を、望んでもいいですか────」


「───もちろん。愛しているわ、レド!」


「……っ」


 レドにきつく抱きしめられ、身を委ねる。

 彼は再び涙を流しながら、私への愛を囁き続けた。


「ベリルさん……愛しています」


「……ふふ、ありがとう」


 しばらく抱き合っていた身体をレドがゆっくりと離し、私の名を呼んだ。


「ベリルさん────」


「……ふふ、なあに?」


「私と、〝血の契約〟をしていただけませんか────」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ