表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/23

18:夏休みの前に

今朝はなんか引っかかる始まりだった。

逸乃はぼーっとしてるし、学校着いたら金岡って奴が待ち伏せしてたし。

まさか逸乃、あいつと付き合うってこと無いよな。

っつうか、俺逃げることなかったし……バカ。

それにさっきの女子のは

「良かったら一緒に夏休み、遊びに行きませんか?」

って言われただけやき。

俺は逸乃とバイトするって決めてたっちゃ、断ってもおかしぃなかやもん。

……もしその子と遊びに行ったら逸乃は何か思うっちゃ?

「原田!」

「はいっ」

担任のトーンの大きさにビビッて立つ。

「またぼーっとしてたな」

「……はい」

「原田みたいに浮かれてたら事故るからな、責任の重さも中学生とは違うんだぞ」

何の話か聞いてなかったから黙ってるしかない。

「座って良し」

座りなおして机の上のプリントに目線を落とす。

夏休み、いろんなことが起きそうに思えてきた。


カバンに荷物を入れてると……

「え?また俺ん家?」

タクが逸乃に何か言われて返した言葉。

「どうしたん?逸乃、タクの家に行きたいん?」

カナも違和感があるようだ。

どういうことだよ……俺は足を速めて逸乃の横に行く。

「えっと……あの、ほら、私に本、貸して、ね?」

なんかおかしい……。

「あ~ぁ、私も漫画貸してぇ」

カナは違和感無い。

「いいけど……今日は姉貴居ねぇから」

姉貴居ないって言い訳は、おやつがでないというだけのことだろ。

本を借りるだけなのに、カナがコープに寄ると言うので俺とタクだけ先に家に向かう。

「なぁ、タク、俺とカナが一緒でなくても、逸乃はタクの家に行くんかな」

「そうじゃね?」

「え……お前、逸乃と二人きりになる気?」

「は?お前が聞いたから答えたんだろ」

そっか、聞き方が悪かったか。

「俺と新河がどうにかなるって心配してんのか?」

また語尾に笑いが混じってるぞ。

「……逸乃とめっちゃ喋るじゃん」

「またそれか。……でも、進展しないとは言い切れないな」

「おいっ、嘘だろ、いや、マジで?」

慌てる俺の反応に笑いだすタク。

「原田、お前、余裕なさ過ぎ」

確かに。……でも俺で遊ぶな。

「俺も女子のこと好きになるってそうそうないけど、新河は趣味が合うから話しやすいんだって」

それはわかる気もするけど……。

「カナは?カナ可愛いじゃん」

なんでカナ推ししてるんだろ。

「あぁ、まぁ、可愛いけどな」

なに、その終わり方。

しかも笑ってるし。

玄関を開けようとしたら内側から開いた。

「父さん……」

アルコール臭がすぐに鼻を突く。

「あぁ、拓弥の友達か、悪いことすんなよぉ」

言いながら離れの家に向かっていった。

「大丈夫なん?飲んでるみたいやけど」

余計なこと言ったかな。

「あれくらいなら大丈夫、いつものこと」

タクは平然と玄関で靴を脱いで自分の部屋に向かった。

タクが言うんだからそうなんだろ。……後を追う。

10分後ぐらいに逸乃とカナが玄関から声をかけて入ってきた。

「タクは日向夏サイダーとゼリーどっちがいい?」

タクはサイダーを手に取る。逸乃はゼリーにハマってるんだな、可愛いっ。

「逸はこれ」

挿絵(By みてみん)

カナに渡されたのは“ゲンキ快”元気だよっ。

カナはレモネードを飲みながら日向夏ゼリーを振っている。どっちも飲み物……。

「新河さ、今朝3年生と居たろ」

タクの問いかけた内容に驚く。

「金岡さんって言うっちゃが」

俺は横目で様子をみる。

「黒木さんの彼氏の友達だっけ?付き合うの?」

スラスラと聞くタクに感心する。

「ええっ、逸乃そうなん?」

カナは知らないのか。

「ほら、LINE交換しちゃったから、無視できなくて」

「言ってたね、逸乃。でも気が無いなら断ったほうがいいと思うで」

カナが逸乃にアドバイスしている。

断ったほうがいいと俺も思う……理由はなんでもいいけど。

「そうっちゃ……話すことも思いつかないし、正直困ってたっちゃ」

その言葉に俺は少し優越感……と、タクが気になりだす。

「3年生だしね~篤美ッちに言ったらなんとかしてくれんじゃない?」

カナはあっけらかんと言った。

そんなもんか?

「いいんじゃね?黒木さん、おせっかい好きじゃん」

タクは逸乃が他の男と付き合うのを阻止したいのか、俺のサポートなのか、という考えが頭の中巡りだした。

“またかよ”と言われると思うと容易に聞けない。

「うん、篤美ちゃんに相談してみる」

「いいねぇ、なんか恋愛相談っぽい」

カナが嬉しそうに言った。

いや、まだ恋愛に発展してないやろっ。

「ねぇねぇ、話変わるけどさ、夏休み、健一が“たこパ”しよかって」

カナが謎なこと言いだした。

「えっ、楽しそう!健一さんがしてくれんの?」

逸乃の顔色が変わった。

「なん?たこぱって」

「健一の作るたこ焼きめっちゃ美味しいん。みんなで焼きながら食べるんよ」

「おやじさん、キッチンカー、たこ焼き屋してるって言ってたな。見た覚えないけど」

そういえば聞くけど見たことない。

「あちこちでしてるけど……ここらへんではしてないかも」

「こないだ俺、会ったよな」

あん時カナは不機嫌な顔してた。

「三者懇の時ね~先生に赤点のこと言われてさぁ、他にもダメ出しされてさぁ、健一がイチイチ謝るんだもん。それにしょーもないこと言って滑ってたし」

そこは健一の愛だろうが、と俺は思うが。

「楽しみぃ、カナのママめっちゃ美人さんよね~」

「まぁねぇ、健一あんなんだけど」

カナは笑って言うが、いいお父さんに見えたけどなぁ。

結局、雑談で時間を使い、カナはタクに漫画を借りて、で、逸乃は小説を借りることは無かった。

逸乃、……何しに来たん?

夏休みの計画で決まったことは、ボーリングに行くのと、カナの家で「たこパ」をすること、タクの家の庭でBBQをお姉さんが企画してるということ。二人には内緒だが、俺と逸乃で父ちゃんに頼んで少し遠出する予定。

タクの言ったことや態度が気にはなるけど、動くってきめたっちゃが。

そして逸乃とバイトもする……ワクワクよりもドキドキかな。


18話、読んでいただきありがとうございます。相変わらずこれといった動きがなくて……夏休みに入るんやなぁ……で、終わりましたが。次回は番外編で、クラスメイトの小野寺美鈴ちゃんとオタクの柊君のお話です。柊君はパラ中でもちょこっと出てもらってます。3部に分けてて、その後恋ロジの続きに戻ります。恋ロジは夏休みに入ります……ので7月3日(金)投稿予定で、番外編は6月12日(金)です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ