巨人キメラ襲撃
さて、少し邪魔が入ったが騎士団長と王国の騎士団長で会議を行い作戦は決まった。
簡単に言えばいつも通りであり俺がスピリット達で攻撃を仕掛け、キメラ達を倒す。帝国兵もクリムゾンを前にすれば大量のキメラを投入しなければならないのでキメラがこちらに集中している間に騎士団が帝国兵と戦う。
大まかな流れはこんな感じだ。
あと今のままだとスピリットが少ないのでもう少し召喚しておきたいが……念のためあいつも2体召喚しておくか。
『名前 ディ・ロード
カテゴリー スピリット
コスト 4
軽減 赤3
種族 偽神将 蜥蜴人
シンボル 赤1
レベル1 魔石1 BP3000
レベル2 魔石2 BP5000
レベル3 魔石5 BP7000
効果 【レベル1~3】このスピリットの召喚時
このスピリットが場に出た時、デッキを2枚上からオープンする
その中に偽神または偽神将のスピリットが居れば1枚手札に加える
【レベル3】自分のアタックステップ
種族『偽神』『偽神将』を持つ自分の全てのスピリットを
最大レベルとして扱う』
肩に巨大な角の様な突起物のある人型のドラゴン。大きさは大柄な男性と変わらないくらい。
これなら小型から中型までは戦えそうだ。
これで全ての下準備は整った。
本当に俺の切り札を出すタイミングがあるのかどうか、それは分からないが本当の保険と言う奴だ。
それにディ・ロードのおかげで魔石1つでロマンスとディノスが魔石1つで最大レベルとして扱われるので魔石の節約にもつながる。
でもこうなると真っ先に狙われるんだよな、ディ・ロード。
まぁ相手にとってはカードゲームじゃないし、相手のBPや能力を知る力が無ければ真っ先に狙われる事はないだろう。
なのでここからロマンスをもう2体、ディノスをもう1体召喚。さらにフレイム・スタリオンを2体召喚して備える。
普通ならこれだけでも過剰戦力な気がするが、念のためだ。
「これは……また凄い事をしましたね……」
「今回攻める拠点は今回最大だと思いますので、キメラもかなりいるかもしれません。それならこれくらいの戦力は必要かと」
「そうでしょうか?十分すぎる気がしますが……」
「念のためですよ。念のため」
なんとなくだが嫌な感じがする。
だからこそいつでもこいつを召喚できる準備を整えておいた。
これで俺のスピリットは雑兵ドラグーン3体、ロマンス3体、ディノス2体、ディ・ロード2体、クリムゾン1体、ブレイド1体のそれなりの軍団だ。
と言ってもブレイドは俺の護衛だし、実質攻めるのは11体だけ。
最初ですら20体だったのにこれで本当にキメラ軍団がどれくらいいるのか分からないのに勝てるか分からない。
今の所はBPの差で倒している感じだが、もう少し召喚時効果とかも多用していきたいが……
結局相手の数次第か。
そう感じながらも俺達は最後の拠点に向かっている。
最初に攻めるのがクリムゾンだが、帝国兵を取り囲んで攻撃するのは騎士達なので俺だけ勝手に攻撃する訳にもいかない。
やはりある程度タイミングを合わせなければ被害を抑える事は出来ない。
静かに騎士達が配置につき、取り囲んでからゴルドーから合図が出た。
クリムゾンを突入させるとすぐにキメラ達が現れた。
小型とこちらで呼んでいる猫くらいの大きさのキメラばかりなのは気になるが、一応注意を引き付ける事が出来た。
小型なので雑兵やディノス達が中心に小型を倒していく中、ロマンスが矢で拠点の扉を破壊し騎士達が入れる場所を作る。
あとは騎士達に任せれば――
そう考えていた時、拠点の中心の土がいきなり盛り上がった。
まるで人が土の中に隠れていたように舞い上がる巨大な土砂。土埃で視界が悪くなっている時にブレイドが上を見上げながら何度も威嚇するように鳴き声を上げる。
土埃が収まった後に見上げると、予想外のが居た。
「マジか……」
とにかくデカい。まさに巨人と言うべき存在がそこに立っていた。
しかも目玉が6つに腕も6つ。腕2本に関しては背中から生えているよく分からない仕様だ。背中からの攻撃を警戒して取り付けたのか?
一体どうやって埋めたのか、それとも自分で掘った穴の中に隠れていたのか、どうやったのかは分からないが生物である事は多分間違いない。
そしてもう1つ気になるのは帝国兵の姿が見えない事。
どこか遠くでキメラを操っているのか、それとも負けを悟って逃げたのか、どちらなのかは分からないがここに帝国兵はいない。
となればあの巨人をどうにかしなければ。
だが大きさだけでクリムゾンよりもはるかに大きく、おおよそ10メートル以上。その上小型や中型にまとわりつかれているため思うように戦えていない。
他のスピリット達がまとわりつくスピリットの相手だけをする訳にもいかない。
騎士達にとってキメラ達は十分強敵であり、今回は数が多すぎる。
荒業だが仕方ないか。
「クリムゾンを転生召喚の対象にして、新しいクリムゾンを召喚!!」
まとわりつかれていたクリムゾンを破壊して新しいクリムゾンを召喚した事で召喚時効果が発揮。小型から大型までのキメラを一気に破壊し尽くす。
その代わり雑兵やブレイドは再び破壊されてしまった。
そしてクリムゾンの上に乗っている魔石の数は……68個。つまり雑兵やブレイドを足して67体も破壊した計算になる。
これで雑魚の排除はどうにかなったが、巨人は健在。見掛け倒しだったら良かったんだけどな。
そう思っている間に巨人はクリムゾンに向かって攻撃を開始。
ただ殴るだけだがそれでも地面に当たれば自身のように揺れるし、騎士達は逃げ惑っている。
クリムゾンには申し訳ないが、彼らが逃げるだけの時間は稼がなければならない。
俺の命令に従ってクリムゾンは攻撃ではなく防御をするがこれでは本当の力を出し切る事が出来ない。
クリムゾンにダメージの様な物を与えている感覚が伝わってくる。つまりあいつはBP10000を超えていると想定するべきか。
「アレックス様!早くお逃げください!!このままでは死んでしまいますよ!!」
考えている間にゴルドーと騎士団長が馬に乗って話しかけていた。
「俺は後で逃げます!!みなさんが先に逃げてください!!」
「もう既に全員に撤退命令を出している!!あと残っているのはアレックス殿だけだ!!」
「でもここであいつを止めないと全員逃げ切れる事は出来ません!!だから俺は本当の最後で良い!!」
「まさか巨人のキメラを使ってくるとは!」
「とにかくできる限り逃げてください!!これは俺の仕事だ」
「この軍の指揮官をしている以上最後に逃げるのは私だ!そしてアレックス殿は他国からの援軍!ここでアレックス殿を殺されては末代までの恥だ!!」
どうやら逃げてくれる気は一切ないらしい。
仕方ないと思いながら殴られるクリムゾンを見ながら言う。
「クリムゾン以上の精霊を召喚します。そしてこの事は秘匿でお願いします」
クリムゾン以上のスピリット、それを聞いた騎士団長とゴルドーは本当にそんな存在が居るのかと驚愕している。
「そ、そんな存在が居るんですか?というか召喚できるんですか?」
「召喚の準備は整えています。そして後で騎士達が集合出来たらこの事を隠してもらえませんかね?影響あり過ぎると思うんで」
「わ、分かった。約束しよう」
騎士団長がそう言ってくれたのでここでカードを切る。
そう思っている間に攻撃できなかったからかクリムゾンは押し倒されパンチのラッシュを受けている間に破壊されてしまった。
これで最低でもBP12000以上は確定。でもこいつのBPはもっと高いぞ。
そして少しアニメっぽく格好つけてやろうか。
「偽りの世界を生み出し神の1柱よ!紅蓮に包まれた偽りの神よ!今ここに姿を現せ!!紅蓮偽神皇カタスロフィードラゴン!召喚!!」




