転生召喚
翌朝、草原のど真ん中でフレイム・スタリオンとブレイドと共に居る。
もう既にカードの準備は出来ており、あとはキメラが現れるのを待つだけである。
何でこんな堂々と待つ事が出来るのかというと、帝国兵はもう完全に舐めプ状態だから。
キメラの力によって無双状態と確信した事で相手は一切警戒していない。優勢だから夜襲も一切しかけてこなかったし、作戦会議もばっちりだ。
と言っても簡単にまとめると俺のスピリット達でキメラ達を倒し、その後帝国兵達を攻撃するだけだけどな。
朝日と共にキメラ達は姿を見せた。
キメラと言うだけあって姿は全てバラバラで、大きさも様々。1番大きくて象くらいの大きさか。小さいのは猫くらいの大きさだからBP3000以下っぽくていいかもしれない。
「ブレイド、スタリオン。申し訳ないが命もらうぞ」
そう詫びると2体とも分かっているとでも言いたげで本当に助かる。
キメラ達は俺を見つけてすぐに駆け出してくる。
俺と言う餌を目の前に空腹を満たそうとしているのが口からこぼれる涎からよく分かる。
だが死ぬ気はないし、キメラ達も帝国兵に使われているだけなのは分かるが、ここは戦場だ。
徹底的にやらせてもらう。
「フレイム・スタリオンを転生召喚に指定!!」
スタリオンのカードを自ら破壊する事で召喚条件を達成。
現実ではスタリオンが燃え上がり巨大な火柱となって消えると同時に中から1体のドラゴンが姿を現す。
「転生召喚!龍帝龍騎ドラグクリムゾン、召喚!!」
姿を現したドラゴンは緑の鎧を着た大剣を持つ騎士のような姿。
召喚と共に咆哮を上げ、キメラ達に視線を向けると即座にキメラ達は振り返って逃亡しようとする。
だがそれは許されない。
「召喚時効果!BP3000以下のスピリット全てを破壊!!」
この効果によりBP3000以下であるブレイドラも対象となってしまうため破壊されてしまう。
クリムゾンを中心に火柱が一気に広がり周囲を焼き尽くす。
もちろんその中にキメラ達は含まれており、火柱の炎に触れた瞬間彼らは焼き尽くされ灰となった。
即座にクリムゾンのカードの上を見ると乗っている魔石の数は22個。召喚時に1つ乗せてあとは効果、破壊したスピリットの数だけ魔石をこのスピリットの上に乗せる効果により21個も魔石が増えた計算になる。
1個はブレイドを破壊した事による1個なので残りの20はキメラの数と合う。
報告が正しければこれ以上のキメラはいないはずだが、それでも徹底的に叩き潰しておかなければならない。
「ブレイド1体、雑兵ドラグーンを3体召喚」
元々使用できる魔石は29個、2個はシルフィードとレムルシャールに乗せているので取り除けない。
ブレイドと雑兵をレベル最大にしておきたいので12個乗せる。
残り15だがクリムゾンが稼いだ魔石も使えばまだまだ魔石は残っている。
クリムゾンの最大レベルを維持するために4個は置いておかないといけないから使用できるのは合計33個。
それなら――
「紅蓮竜騎士ロマンス、戦斧ディノスを召喚」
3メートルはある巨大な紅蓮の鎧と弓を持った騎士、戦斧を持つ腕が4本あるリザードマンを更に最大レベルで召喚。
どうやら向こうは攻めてくる様子がないので、このまま攻めさせてもらう。
「ブレイドは俺の護衛。残りは――全員アタック」
俺の命令に従い他のスピリット達は一斉に帝国兵に攻撃を仕掛けた。
帝国兵は悲鳴を上げながら逃げるがスピリット達は許さない。
雑兵ドラグーンなどは1人ずつ倒しているが大型スピリットであるロマンス、ディノス、クリムゾンは複数の帝国兵を一気に倒していく。
ロマンスは炎の矢を放てば一直線上にいる相手を同時に貫くし、ディノスは素早い動きをしながら斧で相手を切り裂く。
クリムゾンは巨大すぎて大剣と言っていいのかも分からない武器を振るえば10人近くを一気に倒している。
そんな大虐殺と言っても良い物を見ているのに、何故か俺の感情は非常に静かだ。
子供の頃に倒したキメラとそれを使役している奴の時も感じたが、まるで戦っている時だけ画面越しと言うか、ゲームで人が死んでいるのに何も感じていない時に近い。
確かに悲惨な光景だけど作りものだと分かっているから何とも感じないというか、そんな感じ。
昨日戦争の痕を見た時は気分が悪くなって必死に抑えたというのに、この差は何だろうか。
「あ、アレックス様……こ、これは……」
何て考えているとゴルドーが話しかけてきた。
目の前の光景が信じられないという感じであり、それは他の騎士達も同じようだ。
「思っていた以上に順調です。このまま敵陣を攻め落とします」
「そ、それは大変助かる話なのですが……本当にお任せしてよろしいのでしょうか?」
「みなさんはずっとあのキメラ達に苦しめられていた。少し休む時間が必要でしょう。それから敵陣は1つだけですか?」
「い、いいえ。ここに来るまで帝国兵はいくつかの拠点を作っていたはずです。ここが最前線なのは間違いありませんが」
「なるほど……ではとりあえず最前線の拠点だけは確実に潰しておきます。あと偉そうな奴が居たら捕まえておいた方が良いでしょうか?」
「それは……はい。お願いします」
まぁ偉そうな奴と言っても本当に雰囲気だけで判断せざる負えないんだけど。
そう思っている間にディノスが馬に乗って逃げようとする誰かを見つけた。
他の兵士達と比べてマントを身に付けているし、もしかしたらそいつが指揮官、あるいはお偉いさんかもしれない。
殺さずに捕まえろと命じるとディノスは命令を実行する。
ディノスの身体能力は想像以上に高く、戦斧を4つも持っているというのに非常に軽やかだ。
だが生きていればいいだろうという判断なのか、手綱を持つ腕を1本切り落とし、痛みに堪えている時に馬の背から引きずり下ろした。
悲惨な光景なのに何も感じない。
キメラでファランゴル王国の兵を殺していたからだろうか?
本当に何も感じない。
この偉そうな奴以外全員殺したはずだ。
逃亡する影なし、生き残っている者は見当たらないがまだ残存する兵が残っていないとは限らないので雑兵に見回りを頼み他のスピリット達は帰って来た。
ロマンスとクリムゾンはデカいからか兵士達も怯えていたがそれ以上にこいつだ。
ディノスが片腕のない人間を地面に押さえつけながら頭を無理矢理上げさせる。
「こいつが指揮官で間違いないでしょうか」
「ああ。このマントは帝国の指揮官の証だ。渡してもらおうか」
「その前に縄をもらってもいいですか。逃げられないように捕縛しておきたいです」
「それはこちらでやる。おい!」
騎士団長が部下に命じて縄を持ってこさせ、逃げられないように縄で縛ったのを確認してから渡した。
これから拷問にでもかけるのだろうか?
敵の情報は少しでも欲しい所だろう。
「アレックス様。この度は大変お世話になりました」
「いえ、それはもう少し後です」
「え、それは何故?」
「帝国兵をこの国から追い出すまでが仕事だと思ってきたのですが、間違っていたでしょうか?」
戦争とはそういう物だとばかり思っていた。
だからノア達も時間がかかると言っていたと思うし、あくまでも戦場の1つを解決しただけで戦争が終わったとは言わないだろう。
「本当にそこまでしていただいてよろしいのですか?」
「そのつもりだったので……何か間違った認識をしていたでしょうか?」
「いえ非常に助かります。他の戦地でもキメラがいるようなのでキメラだけでも倒していただければ非常に助かります」
「分かりました。ではキメラを中心に殺していくとしましょう」
俺の言葉に何故か怯えるゴルドー。
仲間なのに何故怯える必要があるのだろうか?
『名前 龍帝龍騎ドラグクリムゾン
カテゴリー スピリット
コスト 6
軽減 赤3緑3
種族 龍帝 龍騎士
シンボル 赤1緑1
レベル1 魔石1 BP6000
レベル2 魔石2 BP8000
レベル3 魔石4 BP10000
転生召喚 条件:コスト3以上の赤のスピリット1体の破壊
効果 【レベル1~3】このスピリットの召喚時
フィールドにあるBP3000以下のスピリット全てを破壊する
その後破壊したスピリット1体につき1つ魔石をこのスピリットの
上に置く
【レベル2~3】このスピリットのアタック時
このスピリットがアタックした時、BP+5000』
『名前 紅蓮竜騎士ロマンス
カテゴリー スピリット
コスト 6
軽減 赤4
種族 龍騎士 偽神将
シンボル 赤1
レベル1 魔石1 BP5000
レベル2 魔石2 BP6000
レベル3 魔石5 BP10000
効果 【レベル1~3】
このスピリットが転生召喚の対象となった時、
このスピリットを疲労させる事で破壊した事として扱う
【レベル2~3】自分のアタックステップ
種族『偽神』『偽神将』を持つスピリットの
BPを+3000する』
『名前 戦斧ディノス
カテゴリー スピリット
コスト 5
軽減 赤3
種族 偽神将蜥蜴人
シンボル 赤1
レベル1 魔石1 BP4000
レベル2 魔石2 BP6000
レベル3 魔石4 BP8000
効果 【レベル1~3】
このスピリットがフィールドにある時、
自分の手札にある偽神のコストを6にする
【レベル3】自分のアタックステップ時
[逆鱗]を持つスピリットに[襲撃]を与える』
※[襲撃]はこのスピリットのアタック時、相手スピリットは可能であれば必ずブロックしなければならない。




