リリアもモンクーの召喚に成功した
妹も魔法が使えると分かってから妹は両親に反抗するようになった。
ちょっと大げさだろうが、おそらく初めて両親に反抗らしい反抗をしているのは事実だ。
それはどんな反抗なのかというと……
「だから私もお兄様やお母様みたいに自力でモンクーちゃんを召喚できるようになるまで頑張りたいの!!」
モンクーの自力召喚を目指し努力していた。
その代わり他の勉強などは全部ほっぽり出して本当に召喚魔法だけに力を注いでいた。
「これはどうしましょう……」
「ううむ……」
「これ俺達も協力して召喚できるようになるの手伝った方が早くないですか?」
俺にはそう言うしかなかった。
リリアがここまで意地を張っているのだから目標を達成させて満足させるしかない。
だが問題はリリアは俺のような召喚士ではなく、純粋な魔法使いとしての才能の方が強そうである事。
純粋な魔法使いとは前にも言った攻撃魔法を使ったり、防御魔法が使える戦闘職。
戦闘と言っても付与術のような力を底上げするような魔法が得意な魔法使いもいるそうだが、母親の予想ではリリアは典型的な魔法使いタイプで逆にサポートするような魔法は苦手な可能性が高いそう。
母親も典型的な魔法使いタイプだったため補助系は苦手だし、召喚魔法も早々に諦めたらしい。
つまり俺は補助型、リリアは攻撃型魔法使いみたいな感じになってしまったようだ。
だがリリアが使いたのは召喚魔法。
相性が合っていないと感覚的に難しく動じても習得に時間がかかってしまう。
このままリリアが独学で召喚魔法を身に付けようとすれば非常に時間がかかるだろうし、本来得意なはずの風魔法を伸ばす事も出来なくなるだろう。
なので俺が召喚を手伝いリリアにはさっさと召喚魔法を覚えてもらう方が早いと思う。
「……そうですね。アレックス、リリアに召喚魔法を教えてあげて」
「あらほれさっさ」
許可が出たので早速リリアに召喚についてアドバイスを送れたら送ろう。
「お兄様……」
やる気はあってもまだ10歳の女の子、思うように魔法が行かなくて泣きべそかきかけてる。
あ、ちなみに俺今年で11です。
「はいはい。力尽くでやってもうまくいかないから丁寧にやろうな」
リリアはモンクーのカードを中心に置いた円に力いっぱい魔力を注ぎ込み、すぐにガス欠になるを繰り返していた。
これじゃうまくいく訳がない。
必要なのは魔力量じゃなくて持続性だ。
「リリア、まずは魔石を自力で1つ作ってみよう」
「どうやったらできるの?」
「魔力をぎゅっと固めるイメージだ。魔法は意外と自分達のイメージにしたがってくれる。だからまずは魔石を1つ作るんだ」
「やってみる……」
そう言ってリリアは改めて集中し始めた。
ただ魔力を流すのではなく、魔力を集めて魔石を作る。
それでもかなりの集中をして、時間をかけて魔石が1つ作れた。
「よしオッケーだ。それをモンクーのカードに乗せれば」
リリアは自分の手でモンクーのカードに魔石を乗せるとモンクーは姿を現した。
「モンクーちゃん……だよね?」
リリアは恐る恐るという感じで聞いている。
確かに目の前にあるモンクーはずっとリリアと一緒に居たモンクーのカードだが、リリアが召喚するために俺の魔石は全て取り外した。
そして改めてそのカードをリリアに渡していたので一応同一人物のはずだが……
まさか関係までリセットしていないよな?っと不安に思っているとモンクーはリリアと一緒に居る時の定位置、肩に上ってそこに座る。
「モンクーちゃん!!」
せっかく肩に上ったにだっこされるのか。
そんな表情をしながらもモンクーは仕方ないとリリアの頭を撫でる。
どうやら関係は継続しているようでよかった。
だがこうなると本当に俺の召喚方法は完全にこの世界に元々あった召喚方法と全く違うと言ってもいいのではないだろうか?
リリアのモンクーは元々俺が召喚し、リリアの護衛としてずっとそばに置いておいた。
しかし母親が言うには必ずしも同じ個体が召喚されるとは限らない。同じ個体を召喚できるようにするには契約がをしなければならないと。
つまりリリアとモンクーは俺が知らない間に契約を結んでいたという事になる。
しかしある程度とはいえモンクーと意識は繋がっていたのだからそんな契約をしているような場面に遭遇した事はない。
一体どういうことなのか分からないが、俺は俺で実験してみなければならないかもしれない。
次の召喚実験は、この世界の召喚方法で俺が召喚する場合どうなるのか。
今のカードを使った召喚方法があるから既存の召喚方法は必要ないと考えていたが、もしかしたら面白い事が起きるかもしれない。
もっと言えば俺はこの世界の召喚方法が出来ないと勝手に思い込んでいた。
その理由がカードによる召喚方法を持っている事。
だってこんなチートな召喚方法があるのに普通の召喚が出来るとは思わないじゃん。
それと同じように母親やリリアがカードを使って召喚できるは正直思ってなかった訳で、最低でもここに2人異なる召喚方法でも召喚できることは立証されている。
なら俺が元々あった召喚方法で何かを召喚する事も可能なはずだ。
もしできなかったとしてもやっぱダメだったか~で済む。
むしろ訳の分からん強力な魔物が出て来るよりはマシだろう。
となると俺がこの世界で召喚したい存在はどんな者か考えなければならない。
とりあえず知性が高い奴がいいのは間違いない。こうして家族もいるし、俺の言う事しか聞かない、俺以外は傷付けても良いと考えているような奴はダメだ。
次に知能が高いと助かる。俺が知らないこの世界のルールの様な物を知っているのであれば非常に助かる。
次にできれば人型が良いな。人型なら身近に居ても問題ないだろうし、威圧感も与えないだろう。
大まかにはこんな感じか。
あと属性?みたいなものがあるのだとすればおいおいでいいだろう。
とりあえず周囲に影響を与えないのであればその方が良い。
あとコストとかってどうなるんだろ?スピリット達と同じように魔石を置く感覚で維持できるんだろうか?
俺が知らない何かを召喚できるかもしれないと考えると少し楽しみになってきた。
流石に人類の敵の様な物は召喚したくないが、この世界にもスピリットのような存在はいるんだろうか?
ブレイドを召喚した時にドラゴンは存在するようだからドラゴンもカッコいいかもしれない。あ、やっぱ周囲に色々影響を与えそうなのでなし。
人型……獣人みたいなのって居るのかな?下手すりゃ全部コボルトとかオークとかそういう感じのしかいない?
想像は膨らむが何を具体的に召喚するかはしっかりと決めておこう。
召喚した何かに領地が滅ぼされましたとかシャレにならん。
でもある程度強いのがいいよな~。
「……アレックスがまた何やらよからぬことを企んでいる」
「少し監視を許可します」
俺の様子を見て不安になっている両親の事などつゆ知らず、俺はこの世界のやり方の召喚魔法が使えるのかどうか試すのが楽しみで仕方が無かった。




