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断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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41/311

41:驚きを通り越した衝撃で息を飲む

昨晩のリハーサル。

何度もやり直すことになった。

でも。

アルベルトのことを好きで、行動できなかったわけではない。


それこそ最初は、『戦う公爵令嬢』という乙女ゲーの一人のプレイヤーとして、目の前にいるアルベルトの美貌に心が揺れた。でもその姿も見慣れてくると、自分がよく知る攻略キャラに対して、眠りの香りをかがせたり、跨ったり、短剣スティレットを振り下ろすことに、ただ戸惑ってしまっただけだ。


その戸惑いは、好きだから生まれた感情ではないのに。

アズレークには、私がアルベルトを好きだから動けないと見えていたのか。


それにしても。

アズレークは、私から嫌われていると思っていたとは……。

そう思わせてしまう態度を、私はとっていたのだろうか。

そんなことはないのに。

その誤解だけは、解いておきたいと思った。

だが正面切ってそれを伝える勇気はない。

だから、手紙を書くことにした。


この部屋を、屋敷を出れば、なんとなくであるが、アズレークとはもう二度と会えない気がしていた。計画が成功すれば安全を保障すると言っていたが、修道院に戻るにしろ、他国へ逃亡するにしろ、その時、アズレークは姿を現すことはない。そう感じていた。


ならばいいだろう。

私の正直な気持ちを綴っても。

書き上げた手紙は、テーブルの上に、そっと置いておいた。



ついに、プラサナス城に向け、出発することになった。

昨日は普通に昼食と夕食をとり、何度かアズレークに質問をするうちに、一日が終わった。そして今朝は、起きると聖女の服に着替えた。


白のワンピースに白のベール、セレストブルーのフード付きのロングケープを羽織る。首元には十字架のペンダント。ポケットには聖書。ガーターベルトには短剣スティレットもちゃんと装備している。


朝食をとると、最後の魔力をアズレークから送られ、そして髪と瞳の色を変えてもらう。スノーも私とお揃いの衣装を着て、出発に備えた。


「さあ、いよいよですよ、オリビアさま」


スノーは、アズレークから今回の作戦について、しっかり聞いていた。何かあったらサポートするよう、指示を受けている。もうここから先、アズレークを頼ることはできない。スノーと二人で、やっていくしかない。


スノーと私は馬車へと向かう。

改めて馬車の扉の前で、アズレークと向き合う。


「アズレークさま、行ってまいります」「行ってまいります!」


私とスノーの言葉に、アズレークは静かに頷く。


「オリビア、スノー、二人の健闘を祈っている」


「はい」「はーい」


スノーに、先に馬車に乗るよう促す。

アズレークとの別れは、実にあっけなかった。

でも……取引で結ばれた関係だ。これも仕方ない。

小さくため息をもらし、私も馬車に乗ろうとしたまさにその時。


後ろから、アズレークに抱きしめられていた。

驚きを通り越した衝撃で、息を飲む。


「成功すれば、君は必ず幸せになれるから」


振り向こうとすると、スノーが「オリビアさま、早く」と呼びかける。アズレークはその一言を告げると、もう私から離れていた。


「いってらっしゃいませ」


屋敷の召使い達は、一斉にそう言うと、馬車を見送ってくれる。


一方のアズレークは……。

その表情からは、何も読み取れない。

ただ、馬車が遠ざかるのを、黙って見ていた。

お読みいただき、ありがとうございます!

引き続きお楽しみください☆

このあともう1話公開します!

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