守るべき記憶
なぜエデンは、僕たちの記憶を改ざんしようとしているのか?
この完璧に見える楽園の裏側で、一体何が起きているというのか——?
真相は何もわからない。
だが、ひとつだけ確かな恐怖があった。
このまま何の対策もせず眠り続ければ、自分とイヴの「これまでの大切な思い出」も、「ふたりが惹かれ合った愛の記憶」すらも、いつかシステムの手によって別のデータへ書き換えられ、跡形もなく消し去られてしまうかもしれないのだ。
「シオン……怖いよ。私がシオンのことを忘れちゃったら……シオンが私を忘れちゃったら、どうしよう……っ」
イヴがシオンの胸に飛び込み、涙をこぼした。
丸まったしっぽが、悲しげにシオンの脚に絡みついてくる。
「大丈夫だ、イヴ。絶対に忘れさせない……!」
シオンはイヴを強く抱きしめ、決意を固めた。
システム(デジタル)が記憶を書き換えるというなら、システムが干渉できない方法で記憶を守るしかない。
睡眠プログラムの強制起動自体からは、逃れることができない。なら——眠る前に、自分たちの「本当の記憶」を記録として残すのだ。
データではなく、電子化もされない、自分の手で書く『アナログな日記(紙とペン)』のオブジェクトをVR空間内で生成し、秘密の場所に隠す。
目覚めて記憶が改ざんされていたとしても、その日記を読めば「本当の過去」を取り戻せるようにするために。
「なぜエデンは、俺たちの記憶を書き換えようとしているのか……。その謎を解き明かそう。そして、俺たちの愛を……絶対に守り抜くんだ」
「うん……! 私、シオンと一緒に戦うわ!」
エデンの深層に隠された狂気と謎を解き明かすため、イヴは涙を拭い、力強くうなずいた。
不完全な記憶と一冊のアナログな日記を手に、二人の静かな反逆が幕を開ける——
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
エデンは、なぜ記憶を改ざんしようとしているのか?
完璧に見える楽園の裏側で、一体何が起きているというのか——?
第2章で、その意味が少しずつ明らかになっていきます。
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