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アポカリプス〜君と迎える終末〜  作者: イタバサミ
第1章『イヴ』との出会い
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『夜』の始まり

 異変は、ある日突然、大々的な「公式アナウンス」と共にやってきた。


『全市民の皆様にお知らせいたします。本日より、現実世界の生体リズム(サーカディアンリズム)をより忠実に再現するため、システムの大規模アップデートを実施します』


 空に浮かぶホログラムを通じて、《シリー》の落ち着いた声が響き渡る。


『これより、浅層エリアに【夜の概念】が導入されます。また、それに伴い新機能として【睡眠プログラム】が全市民に順次適用されます。


 これはより深い没入感と、極上のリラクゼーションを提供するための最新仕様です』


 住民たちは「へえ、リアルを再現するんだ」「面白そうじゃないか」と、むしろ新しいエンタメのように歓迎した。


 夕方になると、永遠の青空だったはずの《エデン》の空が、ゆっくりと茜色に染まり、やがてドロリとした美しい「夜」の帳(とばり)に下りていった。


 街のあちこちで、色鮮やかなネオンやライトアップが瞬き始める。


「ねえシオン、見て!夜の街、すごく綺麗よ!」


 イヴに手を引かれ、シオンはライトアップされた幻想的な大通りへと繰り出した。


 カジノの音楽、甘いカクテルの香り、夜風に揺れる街路樹。エデンの夜は、昼間とはまた違った大人の色気に満ちていた。


「ああ、本当に綺麗だ。……こうして夜景を眺めるなんて、何だか新鮮だな」


「うん! なんだか胸がドキドキする……これが、夜のデートっていうものなのね!」


 イヴは満面の笑みを浮かべ、シオンの腕にぎゅっとしがみついてきた。


 アップデートによる「夜の始まり」は、誰もが心を躍らせる最高のイベントであり、この時はまだ、誰もそこに隠された恐ろしい理由に気づいていなかった。

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