火種 part2
夏休みぃぃぃぃぃぃぃ!!!
小学生の時のワクワク感なんて無くて
中高生みたいな青春がまってるわけでもない
あ、宿題もないんだ。
つまり…本当に何もない。
「…初日から暇で死にそう。」
これから夏本番とか冗談やめてよって暑さ。
ぐったり…ベッドに横たわって、扇風機の風を浴びる。
…それだけで昼が終わった。
ん?お泊まりの件?
ああ、そりゃあお前ノーコメン…すいません調子乗りましたそのまま帰宅しましたぁ!
ただただボーッとしてるけど、たまーに短剣を眺めてる。
この前はこれしか無かったから使ったけど、一対の短剣が合体するほど使いこなした。
しかも彼が使う技の殆どを当たり前に使ってしまった。
技封印説とかものまね説とか時間を割いたくせに結構簡単な感じで使ってしまった。
…あ、ヤバいやつだって思わないでほしいんだけど。
短剣から声が聞こえた気がするんだよね。
ちょ、そこのあなた!ページ閉じないっ!ダメ!
彼はずっと仲間だ。
この短剣を身体と共に埋めるべきかもしれないけど。
文字通り一緒に戦っていくことが出来る。
…でも、俺が使っていて良いのか?
うーん…
バリィン!!
「うわあああ!」
「…フン。」
「いや、謝れよ!弁償しろ!替えたばっかだぞ!」
「ついてこい。」
「言われずとも!逃がさねえぞ!ばかやろう!!」
何度見てもこいつはエルそっくりだ。見た目が。
兄弟説…これか。
夏休み初日は弁償代と慰謝料でお金を稼ぐってことにしよう!
…………はええよ!
ずっとはえええよ!若干車よりはええよ!
少しはペース落とせよ!
ついてこいとか言いつつ振り切る気持ちが溢れ出てたよ!
「もうここでいいだろばかやろう!!」
「これくらいで息が上がるのか。フン。」
「ふんふんうるせえ!鼻掃除しろよ!ほじらねえからそうやってふんふんふんふんて!」
「……………。」
おやおや…?気にしておられる?
「………。」
「鼻〇そ溜まった勇者ー!きっしょいわー!」
「………。」
俺、分かるよ。これ煽って戦闘突入の流れだ。
バカ様と何回もやったやつだ!
「…あれ?」
「……………。」
プルプル…
「さては相当効いてるのか…メンタル弱すぎだろ…」
「…フン。」
「鼻く〇勇者が開き直った。」
「………。もういい。本題だ。」
「お、おう。」
「このエリアのギルドマスターが行方知れずとなった。それでいて魔物の出現は最大でLまで確認されている。どういうことだ。」
「どういうことだって…ああ…言い難いな。」
「言え!」
「本当に聞く?お前信じられないって100%言うよ?」
「もったいぶるな!」
「ギルドマスター…マリオは魔物だ。俺と戦闘した後から姿を消したんだろうな。」
「そのような虚言を誰が信じるか!」
「ほら信じねぇ!!お前もそこそこにバカだ!絶対そうだ!勇者皆バカじゃなきゃいけないのか!?ああ!?」
「それを証明出来るのか?」
「お前テンションのブレーキすげえな。…マリオは実の息子を殺してる。その息子は死ぬ直前で俺に真実を伝えた。」
「それだけか。」
「うーん、後はマリオの変身後の戦術が少し分かるよ。戦って傷つけたし。」
「話せ。」
「偉そーに!教えてくださいだろうが鼻く〇モリモリガバ鼻野郎が!」
「!……………。」
「おい、後ろ向くな。人前でほじるんじゃねえよ!おい!」
「フン。」
「マリオはジュエルなんちゃらって魔法が主軸だった。魔法弾は眩しくて、強い光で焼こうとしてきたり、魔法で鉱石を武装して身を守ったりするな。」
「……それは本当か!!」
「食いついたな鼻く〇」
「当然だろうが、変身後も人の言葉を」
「ああ。」
「魔王の名は口にしなかったか!?」
「………いや、言ってない。」
「だが…間違いない。まさかマリオが…」
「お前も呼び捨てか。とりあえず窓の弁償しろよ。」
「…………。」
「払わねえってんなら戦ってボコる。タダじゃねえんだよ窓は!パリンパリン割っていいもんじゃねえ!」
ガサゴソ…
「これで払え。」
「…………。」
払いやがった…というか…封筒…うわ。
窓の弁償分差し引いても暫く遊んで暮らせる気がする。
あ、やべ。帰りに最新ゲーム買おう。夏休み最高!いえーーーーい!
「お、おう。分かればいいんだ。次からは窓割るなよ?優しくノックしろ。コンコンって優しく叩くんだ。いいな。」
「情報提供には感謝する。その礼だと思え。…マリオの足取りが分かったら」
「そうだなー…またお金で解決しよう。その時は。」
「フン。」
「……もういいよ、帰る。」
戦闘無し…!まあね、いいんじゃないかなたまには。
うんうん。俺もたまにはね、こうやって少し贅沢を…
さっきから数えてるんだけどさ、ゆきっつぁんが3桁余裕なんだよね。
思ったより多いかもしれない。
…………あ、300超えたww
「気前のいい勇者だなー…エルもそこそこお金に余裕あったみたいだし、やっぱり兄弟説か。」
家族にバレないように携帯ゲーム機、それからソフトは毎日1本ずつ買うことにした。
控えめだよなかなり。
…………………。
ガサゴソ。
「………しまった。部下への給与を渡してしまった…。」
…………………。
ズィータってなかなか踏み出しにくいゲーム機だよな。
アニメゲーが多かったりとかして。
満点堂は親しみ多いゲーム多くていいんだよな。さすが。
だからこそ、ズィータ。
なぜなら失敗しても怖くない!もらったお金だから!!!
中古で珍しいゲームも掘り出したしな。
クリエイト・ワールド。
魔王に侵された世界を救うんだけど、戦士やら魔法使いやら勇者やらは自分でキャラをクリエイトする。
魔法も細かい設定が出来るし、その作ったキャラで〇ンハンみたいな事をするわけだ。
「今となっちゃあコレも意味があるんだよ。」
ー勇者 ナギー
装備 どうのつるぎ
魔法 ファイア、サンダー、ヒール
スキル MP自動回復
おお…初期設定でここまで欲張ることが…!
勇者って魔法使った方がカッコいいよなー。
サンダーを剣に纏って…ああ、ベタだけどロマン。
…あれ、難易度優しすぎない?
…え?動きバレバレ…
…ふざけて強いヤツに挑むか…
「いやいやいやwww弱すぎるだろw」
何これふざけてんのってぐらい敵が弱い。
防具要らないレベル。
「………………。」
しまった。
主人公がゲームに夢中で本編置き去りとかもしかしてヤバい?
ヤバい?修行とかした方がいい?
とりあえず、このクエストだけ。
最後だから、もう魔王ゲロゲロスの討伐で終わりだから。
名前クソだっせえな。
このゲーム。少し迷走してるのは
モン〇ンみたいな動作で戦闘するくせに、画面右上に
ナギの攻撃!魔王に126のダメージ!
とか出んのよ。
それが8行ぐらい。マジで邪魔。
そんなこんなで…
ナギ は落とし穴を使った
魔王 は落とし穴に落ちた
ナギ は魔王にサンダーソード!
ナギ は魔王に9999のダメージ!
ナギ は魔王に9999のダメージ!
クエストクリア!
はい、余裕。
まあ埋もれるよね、難易度設定は大事だよ。
ピピピピ。
「あ、充電か?」
【システムメッセージ】
「私は滅びヌ。滅びヌ…」
「時は満ちた。召喚魔法!」
「我が怒りを炎に変えよ!雷となって敵を焼き尽くせ!」
「現れよ!ディザスター・ドラゴン!!」
「ああ…!追加要素というか本当のラスボス的なね。はいはい、スリープモード…あれ?これ新品の本体なんだけど?え?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………
「………おっかしいなぁ。まだ夕方なのに、ほんの数秒で空が真っ暗だなあ。」
バサッ…バサッ…
「大きめの羽音というか…外からだよな…」
ガッシャン!
「天井か!?」
《オオオオオオオオオオオオオオオオ!!》
「………俺のせいじゃない。」
ゲームやったら魔物召喚しましたとか笑えない。




