強制コンティニュー
「ナギちゃん。ご飯…みんなで食べる?それとも部屋の前に置いておこうか?」
「置いといて。ごめん。」
「いいのよ。置いたらノックするからね。」
学校行けるだけ十分だ。
それすらなくなったんだけどな。
「チッ…スーパーウォーリアーもう何回目だ…ご飯来たら一回休憩だな。」
0.003%っても確率上昇する酒場フェス前提。
通常時にリセマラしようと思えば地獄でしかない。
家に居てもやりたい事も無い。
外に居たら…何もかもが辛い。
なら退屈でも家で…。
コンコン。コンココンコン。
「来たか。」
家族にも期待させてしまった。
あれから1ヶ月。
顔は見てないけどお父さんも兄貴も…いや、期待してなかったのかも。
でも、1人だけ違かった。
「オムライスに唐揚げ…今日も気合い入ってんな。」
俺の外出が増えたり学校で楽しんでると聞いて誰よりも喜んでたのはお母さんだ。
俺がケガして入院する度に誰よりも心配してたのはお母さんだ。
そして…
"だいじょーぶ:"
ケチャップで綴られたメッセージ。
!が変な感じになってるけど。
「ごめん…。」
…………。
ガラガラ…
ー失礼します。
「おう、火狩。職員室までどうした?」
「先生、夏野君のことで」
「ああ、夏野なー。まだ単位は大丈夫だから留年は無いだろうけど、うん?」
「夏野君の住所を教えてください。」
「そ、そんなにみんなで進級したいのか?先生から連絡はしてみるから…」
「いえ、大事な話があるので…」
「とはいってもだなぁ…」
「…………1ヶ月なんです。」
「いや、確かに長く休んでるけども。」
「違います…その…出来ちゃったんです…」
「………え?……ええええ!?」
………………。
「…これって…」
リセマラはトイレでももちろん続く。
我が家は2つトイレがあるし、長居もok。
ちょうどガチャの更新。
新キャラは…"幻影怪盗セス"
両手に短剣を持ち、必殺スキルで分身攻撃。
決めろ…!イリュージョン!
ッガン!
思わずスマホを投げた。
こんな所にまでアイツの幻が、影が
その度に蘇る。
『……まだ…じぎだぐなぎぃぃよぉ…』
アイツの最期の顔。
「もう…放っておいてくれえええええええ!!」
…………。
少しだけ、落ち着いて
トイレから出た。
頭を抱えてずーっと入ってた。
トイレで97分も。
部屋に戻って、少し寝よう。
起きればボーッとして、また別のことをしよう。
ガチャ…
「…ナギ君!」
バタン。
そんな。
なんで居るの?
ガチャ…
「…どうしてここに来た」
「ナギ君が心配だからよ。1ヶ月も顔も見せてくれないなんて。」
「もう、いいんだ。」
「私、輝石を試した時に酷いことしちゃったの?何も覚えてないの。」
「……。ごめん、もう帰ってくれ。」
「謝るわ。許してくれるなら何でもする。だから…」
「だからなんだよ。学校来いって?」
「ナギ君…」
「1人になりたいんだよ。帰ってくれ。」
「私に何でも話していいのよ?力になるから…」
「そういうの、もういい。」
「…………。」
「…早く帰れよっ!!!!」
「っ……分かったわ。ごめんなさい。」
パタン。
もう、勇者は辞めたんだ。
なのに、何も離れてくれない。
呪いか?俺は…俺は…
「もう嫌だああああああああああああ!!」
「あら、ヒカリちゃん。もう帰るの?ナギちゃんは…」
「お母様、ごめんなさい。ナギ君は私と会いたくないみたいでした。」
「あらあら…謝るのはこっちよ、ごめんねえ。どうしちゃったのか分からなくて。」
「きっと私のせいなんです。それすら覚えてないなんて…私。」
「そんなそんな…来てくれて嬉しいわ。ナギちゃんの友達でこんなに可愛い女の子が居たなんて!また会いに来てね。」
「…ありがとうございます。お邪魔しました。」
……………。
「…遅くなったわ。モモちゃん、何してるかしら。」
「待て。魔術師。」
「…!!あなた…例の勇者ね?」
「記憶に無いか。」
「あなた…あの日の事、知ってるの?」
「お前よりはな。」
「教えてほしいの。何が起きたのか。」
「勇者に聞け。」
「彼は……。」
「お前は魔装備に憑かれ魔導を振り回した。"一般人"への被害も予想した所で仲間に魔導を向けた。」
「…そんな。」
「だから私が斬った。」
「………。」
「似合わぬ魔装備は2度と触れるな。勇者はどこだ?」
「………。」
「私が聞いている。勇者はどこだ。」
「今はダメよ。1人になりたいって。」
「関係ない。」
「………。」
「フン。つまらん。失せろ。」
「…………。」
「さて、勇者よ。どこにいる。」
…………。
「ただいま。」
「ヒカリ。」
ギュ。
「どうした?」
「私…輝石を試した時に、あなた達に攻撃したのね。」
「問題ない。守護した。」
「そういう問題じゃないわ。よりによって…大切なあなた達に…ごめんなさい。」
「…問題ない。それより」
ぐぅぅぅうぅうぅ〜…
「そうね、遅くなってごめんなさい。すぐご飯にしましょう。」
…………。
「うんうん。この案にしよう。きっとナギ君もやる気を取り戻すことだろうねえ。そうでなければ…何も残らないのだから。」




