自分探し
((ストロング・フィスト))
((ビッグ・インパクト))
ドカァァァン!…
…10……20……
スゥゥゥゥ…
「ビッグ・インパクト!あ、やっぱりか。」
バカ様の技。
ストロング・フィスト。
ビッグ・インパクト。
俺が使うと、
ストロング・フィスト→30秒で霧散
ビッグ・インパクト→ガントレット装備時1回発動可能
「使用制限がデメリットなら、確かにものまね士は通るんだけどな。やっぱりオリジナルが欲しいよな。」
守護者のモモの技。
イーヴィル・イーター
「今じゃ使えもしない。妖刀が条件なのか?全てのジョブの技を覚えますとかなら条件ありでも強いけど。破壊の斧は常に高火力なんだけど動きが短調になってきて…ちょっとだけ飽きるんだよな。」
「よ!ナギ!」
「エルじゃねえか。なんでこんな所に?魔物か?」
「いいや。暇だからお前と遊ぼうと思ってな。」
「なんだよ遊びって。」
「お前の"技"分からないんだろ?」
「ものまね士説が有力だけども。」
「1人で研究しても足りないだろ?だから、俺が付き合ってやるよ。実践方式で。」
「どいつもこいつも戦闘好きすぎるだろ…」
「いいか、行くぜ?」
シュゥゥゥゥ…
「お前!これこないだの毒ガスか!?初手でこれは卑怯すぎるぞ!あー目が!目があああああ!染みるぅぅぅ!!」
…スッ
「ふざけてないで構えろよ、な。」
「うひゃあ!いつの間に後ろに!…いない?は?」
「右向いてみ?」
「右…川しかないぞ」
「自他ともに認める暗躍奥義!影斬り!!」
「口上のせいでバレバレだぁぁ!」
((ストロング・フィスト))
ブォン。
「あれ?」
「だから右だって!」
シュパシュパシュパ!!
キキキキキキキキキキキキン!!!!
「うわわわわわわわわわわわわわわ!」
多段ヒット技か!馬鹿みたいに金属音が…え?
「エル!お前どこ狙ったんだよ?」
「実践だけど怪我する必要は」
ッス。
「無いだろ?」ボソッ
「あん!ふざけんなよ!耳元とかやめろ!てかなんで居場所が分かんないんだ!もう煙は晴れたぞ!?」
「ま、俺も盗賊として実践テスト兼ねてるからな。技を試して損ないだろ?」
「あ、やっと見えた。どんな技だよ。一切見えなかったぞ?」
「簡単に言えば消えてたしな。透明化みたいな。」
「俺それ使いたい。」
「言いたいことは分かるぜ兄弟。」
「なあエル。上級職ってあるんだよな?」
「ん?あるよ。ヒカリちゃんは魔導師志望だろ?役割昇格は条件が厳しくてな。あの子なんで役割付与で魔導師希望したんだろ、俺が言うのもアレだけどちょっと頭悪いぜ?」
「は?俺だって勇者希望なわけだし強いの希望するのは別に問題ないだろ?」
「まあな?だけどあのテストは書いたものを有効化する力がある。差し出す物が上位には満たなくても下位を満たせば支払う必要がある。とんでもねえギャンブルだろ?」
「何そのシステム都合良くない?」
「まあ人外な強さが身につくしな。気軽に誰でもどうぞって理由にもいかないだろ。な。」
「ああ…」
なんとなくヒカリたんとは一緒に過ごしてきたけど。
あんまり知らないよな…今度腹割って話がしたい。
うん。そうしよう。
「あ、ナギ。お前のものまね説なんだけど。」
「うん、何か思いついたのか?あ、お前の技をまねしてみろって?」
「いや。細かいとこ考えてみたけど。素手で一つ、刀で一つだなーって。」
「何が?え?ちょっと日本語でお願い」
「だからさー。ちょっと待って」
うわー口頭での説明諦めて地面に書き始めたよw
エルって自覚してるタイプのバカなのかな、俺も人の事言えないけど。
ナギのものまねわざ
すで→ガントレット
かたな→ひっさつわざ
「こうだよ!」
「…いや、刀と技くらいは漢字で書こう?な。教えてやるから。」
「砂だから!漢字見にくいかなーって!気遣いだよ!…チッ」
「ほら、な。教えてやるから。誰にも言わない。な?」
ちょっとふてくされちゃったけど、とりあえずエルのこうさつをよんでみた。
「うー…うん。でも、ちょっとな。刀は魔法剣が妖刀になったからだし。ガントレット装備した後は必殺技みたいなのも出せるし。」
「じゃあ…」
ナギのものまねわざ
すで→ガントレット→ひっさつわざ
まはうけん→かたな→ひっさつわざ
「こういうことか?」
「…エルさんエルさん。」
「まだ違うのか?」
「ぶふっ!!!!……ま"は"うけんてwwひらがなすら間違えてるwww」
「あ………」
((ヘイト・スプ
「ごめんて!ごめんて!兄弟よ!悪かったあああ!」
でも、そうか…言いたいことが少し分かってきた。
素手
↓
ガントレット装備
→ビッグ・インパクト(ものまね)
魔法剣
↓
妖刀装備
→イーヴィル・イーター(ものまね)
バカ様もモモも、ガントレットや刀を装備してないけど、俺がものまねするための補助アイテムかもしれない。
バカは硬くて強い拳だけど、俺の素手じゃ弱いからガントレットで補助
モモは鋭い手刀の居合いだけど、俺と魔法剣じゃ居合い範囲が足らないから妖刀で補助
ってことは、
斧も誰かのテーマなら使える技があるかもしれない。
「エル、もう落ち込むな。言いたいことは分かったから。でも納得出来ないことがある。ガントレットも、妖刀も、初回は出会う前に使ったんだよ。」
「そりゃまた…お前なんなの?」
「困るわーそれ。一緒に考えよう?」
「今後アイツらが装備したりすんのかな…」
「ナギはどうやって使ったんだよ?まだこの話題は掘り返そうぜ。」
「えーっと…ガントレットは、初めて魔物と1対1で戦闘した時だな。追い詰められて死ぬと思ったらガントレットが装備されてて、後は夢中で殴ってた」
「刀は?」
「妖刀は、魔王が現れた時だ。ヒカリさんが殺されて」
「いや!生きてるから!!」
「まだ終わってねえよ。バカ!ちょっと画面ぐちゃぐちゃになるだろ!ただでさえ読みにくいのに!」
「…へ?」
「ノーコメント。さて。」
「妖刀は、魔王が現れた時。ヒカリさんが殺されて、悲しくてしょうがなくて…そしたら魔法剣が妖刀に変化して、そのまま魔王瞬殺。首を刎ねた。…という記憶がスッと入ってきてな?」
「何言ってんの?ねえ、記憶が…なに?」
「知らねえよ!神様に聞け!なんか思いっきり人気作品パクって死に戻りが技なんじゃないかみたいな話もしたわ!」
「お前死に戻りすんの!?ちょ、一回死ね!」
「話聞けよバカ!」
エルはバカとしては上位にくい込むだろう。
でも、おかげで俺の技の仮説が少し現実的に思えた。
「斧で技が出れば、そういうことだな。」
………………………。
「ぶふぁっくしょおおおおい!!ちくしょうめぇ!」
「…誰か俺の噂でもしたか?…まあいいか!それより魔物狩りだ!」
((ビッグ・インパクト))
ドカァァァァン!
……………………………。
……モワァ
「魔王様。例の勇者が…はい。そうです。まだ仮説としていますが、気づかれるのは時間の問題かと。はい。…魔王様、お言葉ですが自ら封印を解かれては…はい、申し訳ございません。」




