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殺人
家に帰るなり、私はシャワーを浴びた。
紅い液体が流れていく。
人を殺しても、なんとも思わなかった。
それどころか、愉しいとまで感じた。
いよいよ狂ってる。
シャワールームを出て、着替える。
そこで、ふと疑問が浮かぶ。
「ラルフ、何故返り血を浴びてないの?」
私と出会ったあの時は、あんなに紅く染まっていたのに。
「殺しかたは一つじゃないからね。刺殺、撲殺、絞殺、溺殺…今日は銃殺したんだぁ」
なんだか妙に納得してしまった。
「ふーりは、血濡れが似合ってる」
悠斗は私に、そう微笑みかける。
正直、血濡れになるのは嫌いじゃない。
むしろ好きだったり。
「どんな殺しが好きなの……?」
「爆殺!!」
ラルフ、即答。
「銃殺」
悠斗は銃の名手らしい。
答えに迷いがない。
私は、血を浴びることのできる刺殺。
あの人体を貫く感触が堪らない。
なんて、狂ってるな。私。
「その殺しのどこが?」
「グロテスクに肉片が飛び散るあの感じが堪らない……!」
ラルフは相当狂っているな。
「俺は、理由なんてない。ただ、銃が好きだ」
ラルフに比べるとまとも。
だけど所詮は人殺しだ。
私はもう、戻れない。
殺人嗜好者となってしまった以上は。




