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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年4月

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漆器を水拭きするのが快感すぎる

漆器のお手入れの仕方を調べたら「かたく絞った布巾で軽くふいたあと、乾拭きする」と書いてありました。

え、布巾を2枚も使わないといけないなんて、ちょっと面倒くさいなあ。

そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。


お抹茶を飲むにあたって、漆器と縁を結ぶ機会はいつか誰にでも訪れるものではないかしら、と個人的に考えています。

かくいう私は絶賛!漆器にハマり中で、リサイクルショップを巡っては掘り出し物を探す日々。

しっかり作られた伝統工芸品が安く手に入って嬉しい反面、使いこなせなかったり、使い方がわからなかったり、現代のライフスタイルに合っていなかったり……? 人それぞれのいろんな理由から漆器を手放すことにした人が、この売り場に山積みされた漆器の数だけいるんだなぁ、などと思うと、もったいない気持ちも起こります。家が狭すぎてつらい。


そんな中でも厳選して家に連れ帰ってきた漆器は、一生大事にしていく! 所存。

漆器ておそらく市場に溢れているからか、一度買って持ち帰ってくるとリセールバリューが低そうですし。リサイクルショップは新品未使用の確認が取れる食器でなければ買い取ってくれませんし。

買ってきたのなら使い倒すことを宿命づけられているのですよね、きっと。


売り場に並んでいたということは、多くの人の手に触れられ見られてきたかもしれないということ。

売り場できりっとしていた漆器を、柔らかな「うちの子」にするためにも、心のご挨拶を兼ねて表面を拭いたり洗ったりしてから使うことにしています。

ここで必要になってくるのが、最初に書いた「漆器のお手入れ方法」です。

漆器の中でもお椀やお膳などの食器類は、普通に洗剤で洗ってお湯で流せば、タオルで拭くだけでつるりとなります。

後の乾拭きが必要になるのはもっと大きいもの。文箱とかお重とか棚とか……。

この「固く絞った布巾で拭いて、その後乾拭き」というお手入れ手順は、私が最近愛好してやまない古家具のひととおり使えるスキルです。水拭きだけで済ませると、水気の跡が残ってまだら模様になります。せっかくの木目、見えんが……?


一手間をしのんで乾拭きすると、感動的なくらいきらりと仕上がるから、仕組みは全然わからないけど感動ものです。無闇に漆器とか拭きたくなるレベル。

私は掘り出してきた漆器の汁椀でお味噌汁を飲むのが無上の喜びなんですが、口当たりや手触りが好きなのはもちろん、自分で洗って片付ける時に布巾の中から出てくる「つるっ!」とした漆器の肌を作り上げたいがためなのでは? と最近自分を訝しんでいます笑。

漆器は何やら素敵な吸引力を持っているのかもしれません。気になった方はぜひ手に取って見てください、漆器はいいぞ!

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