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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年4月

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「黒い表紙の本は売れづらい」というけれど

出版業界では「黒い表紙の本は売れづらい」というジンクス? 慣習? のようなものがある、と小耳に挟んだことがあります。格調が高い感じになってしまうのかな?


とはいえ、黒い表紙の本がまったく存在しないわけではありません。「貝に続く場所にて」も「DEATH NOTE アナザーノート BB連続殺人事件」も「虐殺器官」も……。私の知っている範囲でも、黒を基調とした表紙デザインの作品はいくつか思い浮かびます。


図書館をうろついていて思ったのですが、茶道関連の書籍にも黒いカバーのものが多い感じがしました。

そして、なぜか--そういう本ほど、手に取り読んでみたくなる。

これは茶道の世界に、千利休が作り出した「黒楽茶碗」という概念が共通認識として知られているからではないでしょうか。

黒楽はシンプルだけどかっこいいもの、素晴らしいもの。

「茶道」という文字やジャンルと「黒という色」を並べて考えた時に、どうにも出てくるのが黒楽茶碗な感じがするのです。あるいは、茶懐石道具かもしれません。黒い漆塗りでしっとりと仕上げられた一式。


夜の陰影もあるかもしれません。夜に限られた明かりのもとで楽しむ「夜咄の茶事」は、夜の闇(黒)と切り離しては体験できないものだから。


「黒い表紙の本は売れない」というジンクスに数学的、経済学的なデータが存在するのかどうかはわかりませんが、出版業界には出版業界の人が抱く印象があり、茶道界隈には茶道界の人たちが抱く印象があるんだろうな、と思います。

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