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きれいな寝顔

昨日は楽しかったなぁ。今日も頑張ろう!


こうして俺の一日が始まった。


高校生になってもう3日も経っているのに未だそわそわしている。

ゆいさんのせいだろうか。


今日は初めての美術の授業がある。

美術は中学のときもあり、絵が上手というわけでもないが好きな授業だ。



朝のホームルームが始まった。

朝のホームルーム中もゆいさんは寝ている。


俺がこんなことをしたら中間テストで赤点をくらってしまう。

ゆいさんは寝ていても授業についていけるんだし、赤点は回避するのだろう。


ボーッと授業を受けていると数学の時間も国語の時間も過ぎ去っていった。


授業はボーッとしていてもだいたい頭にはいってくるし、ゆいさんを眺めるのも実に最高だ。

変態というわけではないが、美人を眺めて気を悪くする男子なんてそうそういないだろう。


こんなことをしていると美術の授業に時間になった。


今日の美術では隣の人をモデルに絵を描くらしい。

なんて言うことだ。おれの隣はあのゆいさんだ。


「香くん、ちょっと横向いてくれない?」

「うん、いいよ」


すっと横を向くととても視線を感じる。

ゆいさんにジロジロ見られるのは嬉しいが、すこし恥ずかしい。


そしてゆいさん以外の人からも痛い視線がとんでくる。


その視線には「ゆいさんをそんなに見るな」「そこの席を譲れ」などという呪いがかけられていそうなほどだ。


「香くん、もう戻って大丈夫だよ。それじゃ私のこと書けないじゃん。」


ゆいさんをよくまじまじと観察していると、ゆいさんのフサフサな耳としっぽが目にはいる。

その耳は人間のものよりかなり大きく、とてもかわいらしい。そして光り輝いて見える。


「そんなに見られたら恥ずかしいじゃん。」


ゆいさんにそんなことを言われて、おれも少し顔を赤らめてしまった。


そこから少しばかり気まずい空気が広がっていた。



そんなこともあり絵が完成した。

自分なりにかなりいい出来だと思える。


「ちょっとみせて」


「めっちゃいいじゃん。これ私の。」


ゆいさんの絵は上手でもないが、その絵は国宝級の価値があると思えてしまうほど、魅力的なものだ。


「香くんが描いてくれた絵の私なんで寝てるの。おもしろい。」


女神のような輝きを発する笑顔だ。

授業中にずっと寝てるのを見ているなんて言ったら、引かれそうだからやめておこう。

でも、寝てる時も起きてる時もいつでもゆいさんはかわいい。


「みなさん、その絵は各自交換して持ち帰っていいですよ。」


おれはこんな自分の絵がもらえてとても嬉しい。

帰ったら額縁にでも入れよう。




今日のお昼は購買で買おう。

初めての購買、なにをかおう。


「香くんじゃん、悩んでるならあのサンドイッチおいしいよ。なかがサクサクしてて。」


「じゃあそれにしよっかな。」


このサンドイッチはアジフライのサンドイッチだ。

初日に分けてもらったサンドイッチもサクサクしててこれだったのだろう。


「せっかく出し一緒に食べよう。」

「じゃあ行こっか」


食堂は色んな獣人が使う場所だから、さまざまな工夫がこなされていた。

2人で仕切りのある席がちょうど空いていたので、そこでご飯を食べることにした。


「このサンドイッチおいしいね。」

「でしょ。私昨日もこれかって3日連続だよ。」

「すごいね3日連続だなんて。」

「でも今度は別のものも食べてみようかな。」


サンドイッチを食べ終わり、教室に戻る時も楽しげな会話が続いた。





帰りのホームルームではあいかわらずゆいさんは寝ていた。


ゆいさんが一向に起きる気がせす、心配になって仕方がないので少し待って起こすことにした。

こんなに気持ちよさそうに寝てるのに起こすのは何か気が引けてくる。


「ゆいさん、起きてみんなかえったよ。」

「んん、香くんおはよう。」


未だゆいさんは眠そうだ。


「香くん、このまま家まで送ってっいって。」


ゆいさんの言う事は断れず、ゆいさんを担いで帰る事にした。


ゆいさんって軽いなぁ。

こんなかわいくて。昨日は一緒に傘に入って帰ったけど、それよりも良くないことをしている気がする。


「ん?」




「香くん!」


ゆいさんが起きたみたいだ。


「香くん、なんでこうなってるの?」

「え?ゆいさんにお願いされて…」


あのときは唯さんは寝ぼけていたようだ。


「私歩くよ。ほんとうにごめん。」

「全然大丈夫、こちらこそごめんね。」


「今度なにかお詫びさせて。明日うちに来る?」


「…」


「え?いいの?じゃあありがたくいかせてもらいます。」


こうしておれは明日、ゆいさんの家に行くことになった。





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