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高校2日目

ピピピ、ピピピ

目覚まし時計が鳴り、今日が始まった。

「今の時間は..」


7時だ。昨日は遅れたが、昨日は遅れないように早めに寝た成果だ。

支度を済ませ、家の外に出ると隣から元気のいい声が聞こえた。

「いってきまーす」

聞き覚えのある声だ。声がする方を見てみると隣の家からゆいさんが出てきてる。


内心嬉しいところがある。しかし驚きが隠しきれない。

寝光さんと目が合ってしまった。



「香くんじゃん、おはよ」

「ゆいさん、おはよう」

ちゃんと話すことができた。昨日のイメトレの成果だ。


しかし、考えが甘かった。一緒に登校するなんて考えてなかった。これからなにも話すことがない。



「香くん、なんか悩んでる?」

「え?」

「きのうから話してるときに、死んだような顔してるからさ。」

そんなふうに思われてたのか、悩んでいるわけではないが。

「おれ、人と話すのあまり得意じゃないんだ。」

ああ、いってしまった。こんなこと言ったらどんびかれてしまう。

「そっか、じゃあこれからみんなと話せるように特訓だね。」



…予想外の返事が返ってきた。

「よろしくお願いします…」

「うん!」



今日から通常授業が始まる。もう一限目が始まった。


スー、スー


ふと隣を見ると、ゆいさんが寝ている。一番窓側の席のゆいさんは日光を浴びながら気持ちよさそうに寝ている。


「ここの問題わかるやついるか?寝光、答えてみろ」


やばい。ゆいさんねててなにもわからないんじゃ…


「えーっと、30です」


ゆいさんが元気よく立上があり、答えた。

だけど今は国語の授業だ。


「寝光、ちゃんと話は聞いておけ」


「はい」


ゆいさんの返事は少し元気がなかった。

その後もゆいさんは寝続けていた。


1限目が終わった。開放感でぐったりしていると誰かが話しかけてきた。

佐伯 悠真(さえき ゆうま)だ。悠真はおれの中学校からの数少ない友達だ。親友と言ってもいいだろう。悠真は軽口をきける仲だ。悠真とはよく一緒にゲームもする。同じクラスになれたのは幸運だ。


「あ、ゆうじゃん。どうした?」

「どうしたじゃないよ。香、隣の席があの寝光さんなんてうらやましすぎるだろ。いろんな獣人いるけどさ、寝光さんは別格だぜ。」

そうか、ゆいさんは結構人気なのか。それに家も隣。


あ、家が隣だなんて言ったら殺されかねないぞ。こんな美人と家が隣だとバレてはいけない。これは絶対に言えない。


「香、どうした?」

「なんでもない、ちょっと考えごとしてた。」

「そうそう、今日久しぶりにさ一緒にゲームやろ。高校入ってから全然やってないじゃん。」

「高校入ってからって、春休みやってたじゃん」

そんな会話をしていると授業が始まる。


2限目は体育だ。

獣人と人間では身体能力の差が出てしまうから、人間は見学か自習を選べる。


「おれは見学にするよ。香はどうする?」

「じゃあ俺も見学にする。」


今日の体育はサッカーだ。

猫の獣人はほかの獣人より力がつよいわけでもないみたいだが、ゆいさんはかなり目立って見える。

猫はボールが好きというのは聞いたことがあるが、本当に楽しそうだ。


「そういえば香ってさ高校入って結構変わったな。コンタクトにしたり、なんか最近じゃ寝光さんとも話してて。」

「まあ確かに変わったかもな。」

「お、寝光さんが一点決めたぞ。」

「すごいね。恐るべきボール好きの力。」



サッカーを見て話をして時間が過ぎていき、昼食の時間になった。


今日は弁当をちゃんと持ってきた。ゆうはほかの友達と購買に行ってしまったから一人で食べるか。


「一緒に食べよ」


ゆいさんが話しかけてきた。返事をするよりも早く机をくっつけられ、一緒に食べることになった。


「ゆいさん今日のサッカーすごかったね。」

「ありかとう、香くん。」

「ゆいさんなんでそんなに髪がボサボサになってるの?」

「木の上で食べようかと思ったんだけど、先生に見つかっちゃって急いで降りたらこうなっちゃった。」

ゆいさんがご飯を食べ終わった。

「購買でもっと買ってくるね。ばいばい。」

ゆいさんが去っていった。

嵐みたいな人だ。


そのまま何事もなく最後の授業を終え、帰る支度を済ませ今日の学校を終えた。




はずだった…

帰りに雨が降っていた。ゆいさんが傘を持っていない。

そして学校にのこっているのはゆいさんと俺だけだ。


このままゆいさんを見捨てればゆいさんが濡れてしまう。

俺は濡れていいから傘を貸そう。



「ゆいさん、この傘使ってください。」

「え、だいじょうぶだよ。香くんが濡れちゃうでしょ。なら一緒に帰らない?」


予想外の言葉が返ってきた。こんなところを見られたらほかの人の目線が痛くなる…

いや、今は誰もいないしこんなチャンスもうないかもしれない。


「じゃあ、一緒に帰ろっか。」




そのまま一緒にゆいさんと帰った。


だけど、俺はもう何も覚えていない。緊張しすぎた。

明日にでもゆいさんに謝ろうか…


波乱の高校生2日目が幕を閉じた。




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