新たな出会い
スマホには8時30分という表示があった。
僕は盛大に焦っている。
なぜなら今日は高校初日、初日から遅れたら高校生活浮かされてしまうに違いない!
俺は水瀬 香、高校生だ。おれは普通の高校生だ。何の面白みもないが、身長、顔、成績どれをとってもだいたい平均だ。大した自己紹介になっていないが、今は急いで学校の支度をしなければ。
ギリギリ最初の授業には間に合うと思ったが、そんなことはなく初日から遅れになってしまった。
遅れた人が僕以外にもう一人いた。
猫の獣人だ。
獣人は今の社会で珍しくもないが、猫の獣人となると珍しい。
靴を履き替え、体育館にいき、始業式に参加した。
初日から遅れちまったなぁ。これからどうしていくか…
こんなことを考えていると始業式が終わっていた。
始業式が終わり、これから教室に行くところだ。
教室に着くと座席表が貼ってあった。
その席は良くも悪くもない普通の席だ。窓際でなければ一番前でもない。無難でいい席だったとも言えるだろう。
「おはよ。私は寝光ゆい。よろしくね。」
「っ…!」
「急に話しかけちゃってごめんね。」
「あ、いや全然、おれは水瀬 香。よろしく。」
急に話しかけられて驚いてしまった。
俺の席は普通ではなかったらしい。美人の猫の獣人様がとなりにいる
大当たりだ。
昼食の時間が来た。
そういえば今日、急いで学校に来たせいで弁当を持ってくるのを忘れてしまった。
「あげるよ、これ」
ふと声がする方を見ると寝光さんがサンドイッチを差し出していた。
「え?」
「ほら、お弁当ないんでしょ」
俺はそれを受け取りありがたくいただいた。
「寝光さんありがとう。」
「どういたしまして」
寝光さんはニット笑った。
「さんずけはやめてよね。ゆいでいいよ。」
「ゆいさんありがとう」
「さんついてるよ。ゆいでいいってば」
俺が楽しげにゆいさんと会話しているとどこからともなく視線を感じた。
周りを見渡すと獣のような目をした男子がこちらを見ていた。
俺は今自分がしでかしたことに気づいた。こんな美人さんと話したことだ。
こんなかわいいのだからそりゃ人気者だよな。
おれとゆいさんの会話が途切れるとその男子が一斉に近寄ってきてゆいさんと話している。
ゆいさんは困ったような顔はしていないが、楽しそうというわけでもない。
「ゆいさんってはなすのにがてなのかな」
つい口に出てしまった。
さいわい話し声で誰にも聞こえていなかったみたいだ。
そのまま昼休みの時間も終わり、帰宅した。
「今日一日楽しかったなぁ。ゆいさんかわいかったなぁ。今日はゆいさんと話せてよかったな。でも話が続かなかったから話題くらいは考えておくか。」
高校生活初日は大きな成果を上げ、大勝利に終わった。
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