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灰色の街で、光を拾う  作者: 秦はるま
第一章『ロウフォグ』
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第一章幕間 晴れた夜空を見上げて

 街を出て初めての夜。隣にはミナトが居る。木々は枝を揺らめかせてカサカサと音を鳴らす。


 そんな中でひとり眠れずにいるのはみなさんご存知、超絶美少女のルカです!


 いやぁ、本当にいろいろなことがありました。ちょっと街に入っただけなのに追いかけまわされて、挙句の果ては処刑されそうになったんですよ! もうっ!


 でも、みんながこの美貌に嫉妬しちゃったなら仕方ないかなぁ。


 おっと、私の事だけ話してもしょうがないよね。


 この隣で寝ているミナトを紹介しないと!


 我らが王子様のミナトが居なければ私はどうなっていたかわからないんだから。


 処刑されそうなところに颯爽と登場してカッコよかったんだもん!


「まあ、誰もが羨む私を助けてくれるなら当たり前だろうけどねっ!」


「それで街を救った私たち二人は次の街へ向かおうとしているのです」


「すぐに着くとは思ってなかったけど、まだ街が見えなくて足がパンパンになっちゃいそう。誰かマッサージしてくれる人とかいないかなぁーっ」


 (チラッチラッ)


「──ともかくっ! 私が疲れたときには誰かさんにマッサージしてほしいでーす!」


「それにしてもカッコよさはあったけれど、初めて街を出たときのミナトは子どもっぽくて可愛かったなぁ」


「『あそこまで行ったら行き止まりじゃないの?』とか聞いてきてね。そんなことないよ、空が壁にはなってないよって言ったら目を輝かせるんだもの!」


「あれには私もキュンキュンしちゃった。好奇心旺盛なミナト、最高すぎるもん」


「それと太陽もちゃんと見たことなかったから、直接見ようとしたのはハラハラしちゃったな」


「私が手で隠してなかったら危うく目が見えなくなっちゃうところだったよ」


「霧の中なら太陽を見ても全然眩しくなかったから、スゴイ明るいなんてきっと知らなかったんだよね」


「──あとは高く飛んでる鳥がいることに驚いてたね」


「あの街で飛んでる鳥を見かけたことが無いから、もしかしたらミナトは飛んでる鳥すら見たことが無かったのかもしれないよね」


「鳥を真似てぴょんぴょん跳ねているミナトの姿は、何かに残しておきたかったほどだったよ」


「ということで今日はここまでかなっ。早く寝ないと美容に大敵だからねっ!」


「……もう寝ちゃうんだ」


「ひょええぇぇ! ミナトっ! いつの間に起きてたの!?」


「寝れなくてずっと起きてたよ。そしたらルカが何かしてたからね」


「てことは……、どこから見てたのかな……」


「急に体を揺らして『次の街に向かう』とか話してた時かな?」


「話してたって──、まさか口に出てた!?」


「……? うん、途中から全部話していたよ」


「うっそ、じゃああれとかあれとか全部喋ってたってこと!? 恥ずかしすぎてどこかへ逃げたい……」


「良かったと思うよ?」


「やめてぇーっ! 今はその優しさが逆に大ダメージだよぉーーっ」


「頭を抱えた格好で寝たら大変なことになっちゃうよ」


「寝れないからぁ大丈夫ぅーー! しばらくこのままでいさせてぇぇぇ!」


「それならボクは寝るね。おやすみ」


「おやすみぃーー!!」


 まさか全部聞かれていたなんて……もうお嫁にいけないよぉ!


 でもミナトって子どもみたいなのに時々大人っぽくなるから困っちゃうんだよなぁ。


 きっと次の街もミナトがどうにかしてくれるに違いないとは思うよ。


 でも、そんな時に私は何ができるかな?


 困っているときに手助けくらいはできればいいな。


 少し落ち着いてきたら眠気がやってきたよ。


「ヤバいヤバい。ミナトに言われたのにこの体勢で寝るところだったよ」


 180度回転して仰向けになって眠る準備万端だよ!


 肉体的にも精神的にも疲れたからかスゴイ勢いで睡魔が……。


「……おやすみ……」


 今日のルカのひとりごとはこれでおしまいだね。またの機会に……

次回から第二章に入ります。

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