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前世勇者の俺が転生した結果!?  作者: Re:Ei


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第五十八話 失われた時間を超えた共闘

No.769「.......」

そいつは、零に視線を向け腕の動きが止まった

俺はその隙に痛む体を無理やり起こし

零の所にむかった

零「....兄さん」

そんな事を言って俺の事を見上げるそいつを

ドンッ!

俺はぶん殴った

そいつは意味がわからないと言わんばかりに頬を押さえて

零「.....え」

そんな素っ頓狂な言葉を発した

司希「....なんでここにきた」

司希「お前は一階の担当のはずだ」

零「兄さんに...聞きたい事が....あったんだ」

司希「聞きたい事?」

俺がそう問い返すと

そいつはコクリと首肯する

零「でも....」

零「先にこいつを倒さないといけないみたいだね」

零は勇者の剣をこの世に顕現させ

その剣先をそいつに向けていた

零「....!!」

零は一瞬にして距離を詰め

司希「ばかっ!やめろ!」

俺の呼びかけも虚しく

零はそいつの腹部を貫いていた

No.769「....吸収」

そいつは言葉を発していた

俺はまずいと思い

司希「もしも、零が攻撃を放っていなかったら」

能力を発動した

そいつの体は元通りになっており

零も俺の隣にいた

零「あ....れ...?」

零「俺はあいつの体を切って....」

司希「...俺が戻したんだよ」

零「なっなんで!」

話の聞かないそいつに苛立ちすら覚えた

司希「お前は俺が苦戦している姿を見ていなかったのか?」

零「....見てた」

司希「俺はこいつに何をしても勝てなかった」

司希「その理由は....」

司希「こいつの能力が、放った攻撃をそのまま返すというものだったから」

司希「俺がこいつをぶった斬ろうが、炎で焼き尽くそうが、天井を崩そうが」

司希「こいつには当たらず全部俺に跳ね返ってきた」

司希「お前、無闇に剣なんて振るおうものなら...」

司希「お前、死ぬぞ?」

零「........」

零の表情が一瞬曇った

零「そ、そんな化け物にどうやって勝つっていうのさ!」

司希「それが分からないから俺が膝をついてたのが分かんねーのか?」

そんな言い争いをしていると....

No.769「おまえたち....なかま...じゃないのか....」

そいつが口を挟んできた

司希「あ?」

No.769「おまえたち....かお...にてる...」

No.769「なぜ....だ?」

零「....兄弟なんだから顔が似てるのは当たり前でしょ」

No.769「きょう...だい...?」

No.769「わから...ない...」

司希「こいつは会話ができないんだ」

司希「話しかけても無駄だぞ」

零「.....違う」

司希「あ?」

零「こいつは知能が低い」

司希「だからさっきからそう言ってるだろ」

零「つまり....」

零「こいつに判断力なんてないんだよ」

零「知能が低い」

零「戦闘においては、それだけで弱点になる」

司希「お前何言って——」

俺は言葉を言い終える前に...

司希「....!!」

こいつの攻略法に気づいた

司希「.....なるほどな」

零「この攻略は俺と兄さんにしかできない攻略の仕方」

零「兄弟で共闘....」

零「ってのは、ダメかな?」

司希「ハハッ...」

司希「俺と一緒に戦いたい、か」

司希「言うようになったじゃねーか」

司希「どうせ俺一人じゃ勝てないんだ」

司希「受けてやるよ....その提案」

そうして俺達は....

生まれて初めて、協力関係を結ぶのだった

俺がその提案を飲み込むと...

零「....負けないでよ」

零はそれだけ言ってこの部屋から出ていった

司希「....誰に口聞いてんだ」

次の瞬間

俺はそいつにナイフを向けていた

司希「わりーな」

司希「お前との戦い、まだ終わりそうにねーわ」

俺はそんな事を呟き

そいつにナイフを投げる

No.769「吸収」

No.769「反転」

そのナイフは俺の元へ返ってくる

避けきれず、ナイフは体を擦り

その部分からは血が出る

それでも...

俺はその行動を繰り返した

何回も

何回も

何回も

やがて俺は....

司希「ッ!!」

俺は身体の限界が来て、再度膝をついた

先程と同じように、そいつは気づけば俺の目の前に立っていた

そして....

右腕を振り上げる

その時...

バァン!!

そんな音と共に、天井にヒビが入った

俺はそれを見て

司希「....遅すぎんだよ」

そう呟き...

司希「もしも...」

司希「このビルが崩壊したら!」

俺は最後の力を振り絞って能力を発動した

次の瞬間

ビルに様々なヒビ割れが入り、ビルは崩壊を始めた

目の前にいたそいつは

No.769「....吸収」

そう言葉を発した

その瞬間、ビルはみるみるうちに直っていく

そして....

No.769「反転」

司希「.....そうだよな」

司希「お前は吸収と反転を繰り返す」

司希「だけど...」

司希「知能が低いから物事の良し悪しを判断できない」

司希「俺が願ったのは、ビルの崩壊」

司希「それを反転したところで...」

司希「その結果は変わらない!」

司希「お前の頭が良ければ、吸収だけに留めるなんて事もできたんだろうけどな」

司希「恨むなら少しでも勉強しようとしなかった自分を恨むんだな」

司希「死ね」

司希「偽物の最高傑作!」

俺がそう言った次の瞬間

ビルは崩壊を始めた

壁や床にはヒビが入り

ゴオオオオオッ!!!

そんな音を立てて

ビルは崩壊を始めた

俺もあいつも空中に投げ出される

上から落ちてくる瓦礫が体に直撃し、激痛が走る

そんな中俺が空中で体勢を立て直し、あいつを倒すなんて事は不可能であり...

俺は...

司希「フィナーレだ」

司希「全部持ってけよ」

司希「零!」

屋上に先回りしていた零に向かってそう叫ぶ

零「......」

零の体もビルの崩壊と共に空中に投げ出された

しかし

零はビルが崩壊を始まる前に屋上から飛び降り

体力も万全であったため

零は空中で自由自在に動けていた

零の青白い目があいつを睨む

零はバラバラに砕け散る瓦礫の上を走り、あいつとの距離を詰めた

静かに剣を構える

零「兄さんが...勝機をくれたんだ...」

零「このチャンスをものにできないで...」

零「弟なんか名乗れるかよ!」

No.769「きゅう...し...」

あいつは意識はあるようだったが...

この状況を理解できていないのか、身体が限界なのか

能力を発動するのが一瞬遅れた

零「遅い」

あいつが言葉を発するより先に

シュンッ!

零はあいつの首を切っていた

満月の下で空を華麗に舞い

敵を一瞬にして倒す

俺はそんな弟の姿を見て

司希「....兄より優れた弟なんて、いないはずなんだけどな」

俺は笑みを浮かべ、思わずそう呟くのだった


学園長「.......!!」

私はその光景を下から見ていた

突然ビルが崩壊を始めたかと思えば

神谷零が上から落ちてきて、No.769を倒した

学園長「神谷零...お前が....」

学園長「あぁ...やっぱりそうだったのか...」

学園長「ずっと会いたかったですよ」

学園長「勇者」


第五十七話 終了

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