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前世勇者の俺が転生した結果!?  作者: Re:Ei


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第五十三話 真実を求めて

零「....!!」

俺は思わず頭を抱えた

過去を振り返り、兄さんに対する疑念感が強まった

それはたしかだ

だが....

俺はあるもう一つの真実に気づいてしまった

零「なんで出会った時に気づかなかったんだ....」

過去の記憶の中にいた白空間にいた存在

あいつは勇者だった頃の人格だ

魔王との決戦の日

俺に勇者の剣と能力を託した存在

初めて会った時、あいつは訳のわからない言葉を並べた

「全て俺が悪い」

「時期がきたら力を返す」

初めて会った時、その言葉の意味なんて全くわからなかった

でも....

今なら少し分かる

俺はその違和感に気づいてしまった

零「力を...返す?」

おかしいのだ

俺は前世、傲慢の能力なんて持っていなかった

俺が持っていたのは剣の力だけだ

そもそもとして、俺が死んでから能力はこの世に産み落とされた

俺が生きていた頃に能力なんていう概念はなかった

でも...

あいつは確かに言った

「返す」と

つまり、傲慢の能力は元々俺の能力という事になる

零「でも、なんで?」

疑問が次々と浮かび上がる

能力というものは、本来その人間が発現させるもの

前世の自分から能力を受け取るなんて事例は聞いた事がない

でも....

俺は自分の掌を見つめる

あの日、確かに俺は能力をあいつから受け取った

零「.....」

全てが謎だった

俺があいつに再会した時、幼少期の頃を思い出していたら何かが変わっていたのだろうか

俺は胸に手を置く

零「...勇者、お前は何者なんだ?」

零「....意味深な事ばっか言って消えんなよ」

もちろん、返事なんて返ってくるはずもなかった

俺はスマホを取り出し、時刻を確認する

時刻はすでに3時を回っていた

零「明日も学校だし、もう寝ないとな」

口ではそう言いながら、眠気は全くなかった

考えることが多く、頭の中が整理できていない

俺はベッドから体を起こし、財布を手に取る

零「喉乾いたな」

そう呟きながら、部屋を出るのだった


1階フロアへと降り、自販機を探していると...

零「...!!」

どうやら、先客がいるようだった

俺はゆっくりとその人物へと近づき、声をかける

零「今日は随分と会うね」

零「兄さん?」

自販機の前にいたのは俺の実の兄、神谷司希だった

兄さんは俺の声に反応する事なく、黙って缶コーヒーのボタンを押した

缶コーヒーを自販機から取り出し一口含み

やがて兄さんは口を開いた

司希「こんな時間になんの用だ?」

零「別に、飲み物を買いに来ただけだよ」

そう言って俺は自販機の前に立ち

アイスココアのボタンを押す

俺は自販機から取り出し一口含む

司希「15歳以下がこんな時間に徘徊とは、感心しないな」

俺は遅生まれでまだ15歳だった

零「....誕生日、覚えてるんだね」

司希「....!!」

兄さんのコーヒーを飲む手が止まる

零「.....兄さん、俺さっき過去の記憶を思い返していたんだ」

司希「.....」

兄さんは逃げも隠れもせず、ただ話を聞いてくれた

零「覚えてる?兄さんが俺にゲーム機買ってくれた事」

零「本当に嬉しかったなぁ」

司希「....覚えてねーよ」

零「過去を振り返るとさ」

零「俺の記憶にいた兄さんはずっと優しかった」

零「強欲の力を持っていながら、俺に何もかもを与え続けてくれた」

零「俺は今でも信じられない」

零「兄さんが上を目指したいからなんて言う理由で母さんと父さんを殺すわけがない」

零「俺はそう思ってる」

司希「ハッ!おめでたい頭してんだな」

兄さんは俺の言葉を鼻で笑い飛ばした

司希「俺がどうやってこの学園最強の称号を手に入れたと思ってんだよ」

司希「俺は色んな奴らを踏み台にしてきた」

司希「クラスメイトも友達も親友だった奴にまで手をかけた」

司希「そんな屍の上に俺は立っている」

司希「最強になりたい」

司希「そんな漠然とした夢はここまで人を変える」

司希「もう俺はお前が知ってるあの頃の俺じゃないんだよ」

司希「分かったならさっさと俺の事を諦めてこの学園から消えろ」

そう言って兄さんは自分の部屋に帰っていってしまった

一人取り残された俺は

零「....諦められるわけないだろ」

そう呟き、俺も自分の部屋に戻るのだった


気づけば寝てしまっていたらしく

外は明るかった

俺は朝食を済ませ、歯を磨き、制服に袖を通して学校に向かう

教室の扉の前に立ち、扉を開ける

そこには俺以外の六人全員が揃っていた

黒板には座席表が書かれており

七人しかいないなら必要ないだろと思いつつ、俺は黒板に書かれている場所へ向かった

七人しかいないため、一番前の列しか使わなかった

そして俺の席はど真ん中

左隣には悠

右隣には美月がいた

美月「おはよー神谷君」

美月「って、くまひどくない?」

美月「解散した後ちゃんと寝たの?」

そう言って美月は目の下をゴシゴシとしてくる

零「そんな事して消える訳ないだろ!」

美月「アハハっ!」

こいつと同じクラスとか先が思いやられるな...

俺がそんな事を考えていると....

ガラガラガラガラ

教室の扉が開いた

学園長「...全員揃っているようだな」

学園長はゆっくりと歩き、教壇に立った

学園長「プレデター及び七つの大罪、改めて歓迎しよう」

学園長「おめでとう」

学園長「そして、プレデターの担任の学園長だ」

学園長「これからよろしく頼む」

学園長「さて」

学園長「クラス七つの大罪」

学園長「始動するとしようじゃないか」

第五十三話 終了


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