第五十四話 相容れない二人
学園長「早速で悪いが....」
学園長「1週間後お前達には試験を受けてもらう」
学園長のその言葉に驚いていたのは新入りの三人だけだった
どうやら、最初からプレデターの人達はこれが当たり前らしい
学園長「ただ安心しろ」
学園長「元からプレデターの奴は分かってると思うが」
学園長「今回は別に負けても罰はない」
その学園長の言葉に俺は少し胸を撫で下ろした
零「なら...なんで試験を行う必要があるんですか?」
学園長「この試験はプレデターに順位をつけるためだ」
零「順位?」
学園長「試験の結果によって一位から七位まで順位付けする」
学園長「そこで見事一位になった者には...」
学園長「私が一つだけなんでも叶えてやる」
俺は学園長のその言葉に息を呑んだ
ここで一位になれば....
兄さんについて何か知れるかもしれない...
零「なんでもですか?」
学園長「あぁ、私に出来る事だったら全面協力しよう」
学園長「まぁ....」
学園長「毎回トップをとる奴が願いはないというから私自身試験の褒美を与えた事はないのだがね」
そう言って学園長は兄さんに目線を送る
司希「....しょうがないじゃないですか」
零「......」
兄さんは学園長なんかに頼まずとも自分で望みを叶える事ができる
それだけの力を兄さんは持っている
学園長「まぁ、これからも司希がずっとトップを取り続けるのであれば褒美の内容を考え直そう」
学園長「だが....」
学園長「クラスのメンバーが初めて変わったんだ」
学園長「もしかしたらがあるかもしれないだろ?」
学園長は不気味な笑顔を浮かべる
学園長「公平性を考え、試験のルールは当日に発表をする」
学園長「新メンバーの三人に伝えておくが」
学園長「プレデターに授業なんてものはない」
学園長「プレデターは2ヶ月に一回の順位付け試験と国から任務を受けた時にのみ活動する」
学園長「それ以外は基本自由にしてもらっていて構わない」
....使わないならこんなバカでかい校舎なんか建てるなよ
学園長「では、当日またこの教室で会える事を楽しみにしているよ」
それだけ言って学園長は教室から出て行ってしまった
十秒程経った後、それに続くように
兄さん、港、そして名前も知らない女が教室から出て行った
四人しかいない教室で
零「これ、どうすればいいんだ?」
俺は一人そう呟いた
美月「学園長も言ってたけど、基本は本当に自由だよ」
美月「寮に帰って遊ぶも、鍛錬するも自由」
美月「試験と任務に出ればOK、ここはそういう特別なクラスなの」
零「へー」
零「なんつか、住む世界が違うな」
零「お前はどうするんだ?」
俺はそう言って悠に視線を送った
悠「んー俺は零の部屋に行こうかな」
零「いやなんでだよ、自分の部屋にいろよ」
美月「おっそれいいね!」
美月「じゃ、昨日みたく三人で何かして時間潰す?」
零「いや俺は一言もいいなんてっ!———」
俺が否定しようとした時
???「それ、私も行っていいかな?」
左隣から初めて聞く声が聞こえた
先程まで盛り上がっていた教室が嘘のように静まり返り
全員でそいつに視線を送った
そこには、ピンクの巻き髪をしてピンク色の瞳を輝かせるいわゆる可愛い系の少女がいた
零「....ここは、中学生でも入れる学校なのか?」
あまりの幼さに俺はそう言う
???「そんなわけないじゃん!れっきとしたJKだよ!!」
零「....分かったからその甲高い声で叫ぶな、耳に響く」
???「あんたが急に失礼な事言うからでしょ!?」
美月「で....」
美月「どういう風の吹き回し?凛」
零「!!」
こいつが...一ノ瀬凛
つまり消去法でさっき出て行ったやる気のなさそうな奴が桜庭紫苑か
凛「別にー」
凛「私も暇だからついて行こうって思っただけなんだけど?」
美月「へぇ...鍛錬した方がいいんじゃない?」
美月「いっつも私より順位低かったんだから」
凛「....!!」
凛「あんたの能力と私の能力は分が悪いの!」
美月「本当に強い能力は相性とか関係なく強いんじゃないですかー?」
美月「それを言い訳にしてるようじゃまだまだだと思いますー」
凛「ぐぬぬ....」
凛「あんただって所詮は人の真似事をしてるだけじゃん!」
凛「自分の能力じゃ勝てないからって周りの能力に寄生してさ!」
美月「はぁ?それが私の能力なんだけど!?」
美月「自分の能力使って何が悪いの!」
凛「悪いに決まってるじゃん!!」
零「.....」
悠「......」
俺達はその言い争いを遠くから眺めていた
零「....帰るか」
悠「だね...」
俺達はそのまま教室から出て、廊下を歩いた
しかし、追ってくる気配もなく
どうやら言い争いに夢中で気づいていないようだった
俺は仕方なく悠を部屋に呼び一緒にゲームをしていると
ドンドンドンドンッ!!
ピンポーンピンポーンピンポーン
迷惑な二人組が部屋にやってきて
貴重な1週間の初日を無駄にするのだった
第五十四話 終了




