第四十九話 終わらない学園生活
美月が俺の部屋に上がり
俺は美月の後を追う形で自分の部屋に入った
美月「あれ?」
美月「月城君もいたんだ」
美月は先に部屋にいた悠と目があった
美月「まぁ、いいや」
美月「プレデターの歓迎会だしね」
零「...湊も呼ぶか?」
美月「いや、いいや」
美月「私あの子考えてる事読めないから苦手なんだよね」
美月「だから三人だけでやろっか」
そう言うと美月はキッチンへと向かった
冷蔵庫を開け
美月「しけてるねー」
美月「なんも入ってないじゃん」
零「今日入寮してきたんだよ!!」
美月「あ、そか」
美月「まぁ、いいや」
美月「十分な材料は私の部屋から持ってきたし」
美月「よいしょ」
そう言って美月はテーブルの上にたこ焼き器を置いた
零「....俺寝ようとしてたんだが?」
美月「お腹空いてたでしょ?」
美月は器用に生地をたこ焼き器に入れながら俺と会話していた
美月「てかさ...」
美月「ずっと思ってたけどなんでタメ口なわけ?」
美月「一応私先輩だよ」
この学校は普通の学校とは違い3年制で卒業をするわけじゃない
この学校は将来の国の防衛隊を作るための学校
そのため3年で卒業という概念はなく
国を守れる程の実力と年齢に達したら卒業し、国の側近として働く仕組みだ
そのためこの学校では先輩後輩はあまり関係なく
入学して1週間でもプレデターならプレデター
5年でもFランクならFランク
ここはそういう場所だった
そんなこんなで俺と美月は同ランクのため俺が下につく必要もない
ちなみに美月は第64期生で俺は66期生のため二つ年上だ
他のプレデターの方々も64期生らしい
零「なんで対等な実力のやつに敬語を使わないと行けないんだ?」
零「むしろこんなに早くプレデターまで這い上がった俺に敬語を使って欲しいぐらいだ」
美月「...普通に私以外のプレデターには敬語だったよね」
美月「違いは何さ」
零「?簡単だろ」
零「リスペクトに値するかしないかだ」
美月「いつからこんな生意気な奴になったんだろうね」
美月「いや....」
美月「出会った時からこんなもんか」
そんな会話をしているとたこ焼きが片面焼き上がった
美月「よし、こんなもんかな」
美月「じゃあ、ひっくり返すよ」
美月はそう言って竹串を俺と悠に渡してきた
悠「任せろ!!」
悠はそう言って勢いよくたこ焼きに竹串をブッ刺した
そして一回転
やがて
ぐちゃっ!
悠「......」
美月「.....」
零「......」
そのたこ焼きは跡形もなく形を崩した
悠「....こんな感じ?」
零「どこをどう見たらよく見えるんだ?」
美月「月城君、料理できない感じか」
そう言って美月はクルックルと簡単そうにたこ焼きをひっくり返す
零「...随分と器用だな」
美月「もうプレデターになってから大分経つからね」
美月「料理は大抵はできるようになったかな」
悠「じゃあ俺もできるようになんのかな!?」
悠はもう一度たこ焼きに竹串をブッ刺し
ひっくり返す
そして
ぐちゃっ!!
零「....2回目だぞ」
美月「はぁ....」
美月は悠がぐちゃぐちゃにしたたこ焼きだったものをなんとか成形し直し、たこ焼きに戻していた
そして美月は焼き上がったたこ焼きを三人分皿に分け
俺達に渡してくれた
悠「いただきます!」
悠は受け取った瞬間たこ焼きにがっついた
悠「あっち!」
当たり前のようにたこ焼きはまだ熱く、口の中が火傷しそうなのか一人悶えていた
悠はなんとか一つ目を飲み込み
たこ焼きをじっと見つめ
悠「...たこ焼きめんどくさい」
そう呟いた
その途端、先程まで湯気がたちのぼっていたたこ焼きが一瞬にして冷めた
零「...お前の能力ってほんと便利だよな」
やがて俺達は晩飯を食べ終えた
零「....もう目バキバキだな」
とても眠れる状態ではなかった
零「なぁ、美月」
美月「ん?」
皿洗いをしてくれている美月がキッチンの方から反応してくれた
零「この寮って風呂とかないのか?」
美月「んー」
美月「個人の風呂はないけど大浴場ならあるよ」
零「...資金ありすぎだろ」
美月「学園長が特別に作ってくれた場所だしねー」
美月「階段降りて1階フロアの地図見たら大浴場の場所分かると思うよ」
零「あぁ、分かった」
俺はそう言われ、1階に向かった
1階に向かう途中
俺はある事に気づいた
...そういえばタオルを持ってないな
しょうがない
買ってくるか
俺は外に出て校舎側のコンビニに行った
買い物を済ませ、コンビニを出ると
驚きの人物と再開した
零「...こんな所でこんな夜中に何してるんですか?」
零「学園長」
コンビニの目の前にいたのは学園長だった
学園長「神谷君こそどうしたのかな?」
学園長「もう寮にいる時間だろう?」
零「風呂に行きたかったんですけどタオルがなくて」
零「コンビニに買いに来ました」
学園長「ハハッ」
学園長「タオルぐらい洗面所にいくらでも置いてあるからそれを使えばよかったのに」
そんな事実を聞かされた
零「...そうだったんですか」
零「で、学園長はなんでこんな所に?」
学園長「仕事が一区切りついたから弁当を買いに来ただけさ」
零「なるほど」
零「あ、そういえば学園長に聞きたい事あるんですけど」
学園長「?」
零「美月と話してて思ったんですけど」
零「この学園は実力と年齢が基準に達したら卒業なんですよね?」
学園長「あぁ、そうだな」
零「て事は来年には64期生のプレデター4人は卒業させるんですか?」
学園長にそう尋ねると
学園長は首を横に振った
学園長「はっきり言って、学園の卒業生よりもプレデターの方が実力もあるし任務もこなしてる」
学園長「プレデターを卒業させる意味がないんだ」
学園長「プレデターは来年も再来年も何事もなければこの7人だ」
零「なるほどです」
学園長「あぁ、もういいか?」
零「はい、ありがとうございました」
学園長は足早にコンビニの中へ消えていった
俺が寮に戻っていると...
俺はある事に気づいた
零「....待て」
零「俺一生卒業できないって事じゃねーか!!」
第四十九話 終了




