第四十六話 新たなる頂点
零「伊織さんっ!!迅!!!」
俺は二人の体を揺らした
しかし...
すでに二人とも息がなかった
零「な...なんで...」
零「なんでプレデターがこんな簡単に....」
学園長「簡単な話だ」
学園長は背後で拳銃にカチャリと弾を込め
パァン!
それを発砲した
その銃弾は一直線に俺に飛来してきて...
零「っっ!!」
俺は咄嗟に回避行動をとったがあまりに急な攻撃で避けきれず、銃弾は僕の腕に当たった
零「......」
能力を開花させた今、体も今までの比にならないぐらい丈夫になってる
こんな銃弾なんかじゃ...
俺はそう思っていた
しかし
零「がぁっ!!」
その銃弾は俺の腕を貫通し激しい痛みに襲われた
俺が一人悶え苦しんでいると...
学園長「まぁ...こんな感じに...」
学園長は手で拳銃を弄びながら
学園長「この銃弾には能力を無効化する力がある」
学園長「つまり、この銃弾が体に当たった瞬間、一瞬だけ当たった人間は無能力者となる」
学園長「お前みたいに腕が貫通している程度なら塞がるだろうが」
学園長「頭や心臓部を貫かれたら即死、だろうな」
零「なんでですか....学園長」
学園長「?なんでというと?」
零「なんで殺したかを聞いてるんですよっ!」
学園長「?さっきからずっと言ってるじゃないか」
学園長「<退学処分>だとな」
学園長「学園を退学になったら本島に帰れると思ったか?」
学園長は不気味に笑い
学園長「そんなわけないだろう!」
そう高らかに宣言した
学園長「本島に戻られて学園の情報を喋られては困るからな」
学園長「この学園での退学は<死>を意味する」
学園長「これでいいか?」
学園長は淡々とそう告げた
零「.....な..」
学園長「?何か言ったかい」
零「ふざけるなっ!!」
零「命をなんだと思ってるんだっ!!」
俺は気づけば学園長の胸ぐらを掴み上げていた
学園長「ぐっ...」
学園長は無能力者なため反抗をする事ができていなかった
零「このままあなたを締め殺してもいいんですよ...」
俺は学園長にそう言った
しかし学園長は表情を曇らせるどころか笑い出した
学園長「あぁ...殺せるなら殺してみろ」
学園長「だが...」
学園長「私を殺してもそこの二人が戻ってくる事はないがなあ!!」
その瞬間
俺の中で何かがきれた
俺は手に力を込め学園長の首を締め上げた
学園長「あっ...がっ...」
零「なら...死んでください」
俺がさらに力を込めた
その瞬間
零「あがっ!」
俺は横腹に強い衝撃を感じ体は数メートル吹っ飛ばされていた
少し視界がぼやけ、やがて視界が戻ってくると
目の前にいたのは...
司希「この決定に不満があるのであればお前が去れ」
そこには兄貴が立っていた
司希「いつまでガキのままでいるつもりなんだよ」
司希「ここはそういう場所だ」
司希「それを理解していないなら...」
司希「今ここで俺がお前を殺すぞ」
その言葉は重くとても圧があるものだった
零「......」
俺は黙る事しかできなかった
司希「学園長、続けてください」
学園長は少し喉元を押さえながらも言葉を続けた
学園長「とりあえず...君達は今日から新プレデターだ」
学園長「試験は終わりだ」
学園長「おめでとう」
次の瞬間
学園長は懐から手榴弾のようなものを取り出してピンを抜いた
プシュー!!
その手榴弾のようなものからガスが発生し
次第に意識が遠のいた
薄れゆく意識の中で
学園長「神谷零...お前はさっき命をなんだと思っていると言ったな」
学園長「だが....」
学園長「二人を退学処分にした私、バッジを奪うために蓮を殺したお前」
学園長「一体何が違うと言うんだ?」
零「っっ!!」
違う!そう叫んだはずだった
しかし俺が言葉を発する前に俺の意識はすでに限界を迎え
バタンッ!!
そのまま意識を落とすのだった
零「.....ん」
次に目を覚ますとそこは
牢屋のような場所だった
零「....ここは...」
俺が周りを見渡していると...
学園長「目が覚めたか」
零「!!」
檻の奥に学園長の姿が視認できた
学園長「...さて、まず問おうか」
零「?」
学園長「お前は先程、蓮を殺してバッジを奪ったと言ったな」
零「......」
学園長「どうやってプレデターである蓮を倒した」
学園長「もうそろそろ白状してもいいんじゃないか?」
学園長「自分でも分かっているんじゃないか?」
学園長「もう無能力者という言い訳は通じない」
学園長「お前はどういう能力を持っているんだ?」
零「......」
俺は学園長のその質問になんて返せばいいかわからなく黙り込んだ
そんな俺に気づいたのか学園長は話を変えた
学園長「私はこの試験、残る奴は最初から決まっていると思っていた」
零「?どういう事ですか?」
学園長「私は十人の中に...」
学園長「7つの大罪の能力者が全員いると踏んでいた」
俺は思わず目を見開いた
俺が戦闘中に気づいた事実をこの人間はその場にいなかったにも関わらず気づいたという事実に恐怖すら感じた
学園長「七つの大罪の能力者は圧倒的な力を持つが故にSランクなんかに負けるはずがない」
学園長「だから私は最後に残る七人は七つの大罪の能力者だと確信していた」
学園長「しかし...」
学園長「結果はそうはならなかった」
学園長「お前が憤怒の能力者を殺したからだ」
学園長は悲しそうに言った
僕はその言葉に何を思ったのか
零「....違いますよ」
気づけば否定の言葉が口から飛び出ていた
学園長「....違う?」
零「蓮さんは憤怒の能力者なんかじゃありませんでした」
零「ずっと偽っていたんです」
零「これは勘違いなんかじゃありません」
零「学園長にずっと自分が憤怒の能力者だと申告してきた人物がいませんでしたか?」
学園長は大きく目を見開いた
学園長「雨宮...湊...」
零「えぇ...」
零「彼こそが本物の憤怒の能力者です」
零「確信を持って言えます」
数秒無言の時間が続き
学園長は心の底から嬉しそうに笑い出した
学園長「あぁ...やはり私の考えは間違いではなかったのだな」
零「....そうなりますね」
学園長「ならばお前の能力は消去法で確定するわけだが....」
学園長「お前の口から聞かせてくれないか?」
学園長「神谷零、お前の能力は一体なんなんだ?」
零「......」
俺は悩んだが
もう隠す必要もないため...
零「俺の能力は...」
零「自分が最強だと疑わない精神」
零「<傲慢の能力>神谷零です」
次の瞬間
ガチャリ
牢屋の鍵が開いた
学園長「歓迎するよ、神谷零」
学園長「ついてきなさい」
学園長に言われ後をついていき着いた場所は...
ざわざわ
全校生徒が集まっている体育館だった
学園長は壇上に上がり
学園長「あーあーあーみなさんお静かに」
学園長「さて...突然の発表にはなるが....」
学園長「プレデターを入れ替えたいと思う」
体育館内はざわついた
学園長「では、新プレデターの名前を呼んでいく」
学園長「呼ばれた者はステージ上にある椅子に座ってくれ」
学園長「一人目、強欲の罪...神谷司希」
学園長「二人目、嫉妬の罪...水瀬美月」
学園長「三人目、暴食の罪...桜庭紫苑」
学園長「四人目、色欲の罪...一ノ瀬凛」
学園長「五人目、憤怒の罪...雨宮湊」
学園長「六人目、怠惰の罪...月城悠」
学園長「そして、最後...」
学園長「七人目、傲慢の罪...神谷零!」
俺の名前が呼ばれて体育館は再度ざわついた
そりゃそうだろう
つい最近まで最低ランクにいた無能力者がプレデターの座に座っているのだ
しかし....
俺はもう周りの目を気にして生きていくほど弱くなんてない
俺にはもう誇れる能力がある
そのため俺は堂々と椅子に座り足を組んだ
学園長「以上七人を...」
学園長「新プレデター改め、クラス七つの大罪と称する!!」
第四十六話 終了




